▲札幌開催を最後に引退した先輩藤田伸二騎手とのエピソードを語る
競馬人気を支えていた柱がまた1本
9月12日、阪神3レース(3歳未勝利・ベルディーヴァ)で、JRA年間100勝(6年連続7回目)を達成することができた。自分史上最速であることもそうだが、誰よりも早く到達できたことは素直にうれしく思っている。
去年100勝を達成したのは、11月1日の京都4R(2歳新馬・アドマイヤスター)。その去年は、上半期に二度の騎乗停止があったことを考えると、今年は騎乗停止がなかったことが本当に大きい。いや、大きいどころか、それがすべてといってもいいくらいだ。
とはいえ今年も、制裁点はけっこうな数字をもらってしまっている。反省点はたくさんあるし、本来なら立場上、フェアプレー賞をもらえるような騎乗をしていかなければ…という意識はすごくあるのだが、徹底できていないのが現実だ。
しかし、確実に意識は変わった。その意識をより強く植え付けてくれたのは、先日引退を発表した藤田さんだ。藤田さんには、去年の札幌ですごく怒られた。何度も何度も注意していただき、自分では意識しているつもりでも、それが十分ではなかったことに気づくことができた。最後には「お前、今度騎乗停止になったらビンタさせろ」と言われ、「わかりました」と答えたのだが、それ以来、騎乗停止がないということは、自分はよっぽど藤田さんのビンタが怖かったらしい(笑)。それは冗談としても、藤田さんの叱責が今年の騎乗に生きていること、生かしていかなければいけないと強く思っていることは確かだ。