死角・不安は多いが
芝1200m【3-2-0-1】の上がり馬
マルヨバクシン(父サクラバクシンオー)の、さらなる上昇に注目したい。
今回は格上がり。全連対6回が「京都、小倉」なので、直線に坂のある中山が初コースになるのは大きな死角。さらには、今季のソフトで見た目以上にタフな中山の芝コンディションも心配、など、不安はいっぱいあるが、準オープンのここでは秘めるスケール、素質は一枚上。順調にいけばたちまちオープンに出世して不思議ない能力がある。
前回の1200m1分07秒5「34秒0-33秒5」は、時計以上に強かった。格上がりの1戦で、1000万条件で好記録をもつ相手の17頭立てだったが、好位のインで折り合って進むと、自己の持ちタイムを「0秒6」も短縮して2馬身差の快勝を決めただけでなく、前半がきびしくなかったから最後「11秒4-11秒3」のラップが刻まれた地点で楽々と抜け出してみせた。マルヨバクシン自身の上がり3ハロン33秒5の中身は、推定「11秒2-11秒2-11秒1」=33秒5であり、それで余力十分だった。行って粘ったのではなく、後半スパートしての1分07秒5だった。
これはこの夏の小倉1200mでは、1週前のベルカントが快勝した北九州記念の「1分07秒3」に次ぐ2番目の時計であり、2着ビッグアーサーの1分07秒5(34秒1-33秒4)と同等の内容と考えても良い。
種牡馬サクラバクシンオーの優秀性(2001年から10年連続して総合ランキング10位以内)は知られるが、そのサクラバクシンオーの送った最終世代のマルヨバクシンは、牝系ファミリーも魅力。
3代母モザーティアナ(父ニジンスキー)は、種牡馬トライマイベスト(父ノーザンダンサー)、種牡馬エルグランセニョール(父ノーザンダンサー)などの4分の3同血の妹になる、名繁殖セックスアピール(父バックパサー)の産駒。欧州タイプのパワーあふれるスピード能力を伝えている可能性が高い。また、母方に配されてきた種牡馬は、アグネスタキオン、トニービン、ニジンスキーであり、渋馬場が下手という危険は少ない。
今週からCコース。インが不利ということはないはずであり、上がり馬らしい果敢なレースに期待したい。馬場状態もあって相手は絞りにくいが、揉まれない外枠有利と思える
ファントムロード、ブリンカーを装着してきた
サンブルエミューズが本線。大穴は、渋馬場巧者の
シンジュボシか。