●
アルマンディン(牝 栗東・音無秀孝 父ステイゴールド、母クリソプレーズ)
母クリソプレーズは現役時代に芝で3勝を挙げた。その一方で、ジャパンCダート(GI)を勝ったアロンダイトの全姉なのでパワフルな資質も受け継いでいる。繁殖牝馬としてはきわめて優秀で、クリソライト(父ゴールドアリュール/13年ジャパンダートダービー-JpnIなど重賞3勝)、リアファル(父ゼンノロブロイ/15年神戸新聞杯-GII)、マリアライト(父ディープインパクト/15年マーメイドS-GIII・2着)を産んでいる。本馬の父はステイゴールド。したがって前記の馬たちの4分の3妹となる。「ステイゴールド×エルコンドルパサー」の組み合わせは3頭デビューして2頭が勝ち上がり、準OPと1000万クラスまで出世している。母のポテンシャルから考えてもまず失敗はなさそう。芝向きの中距離タイプ。
●
エマノン(牝 栗東・平田修 父ハーツクライ、母ピラミマ)
きさらぎ賞(GIII)2着馬バンドワゴン(父ホワイトマズル)の半妹。母ピラミマは現役時代未勝利に終わったものの、繁殖牝馬としては前出のバンドワゴンを含めて出走3頭がすべて勝ち上がっておりなかなか優秀。ダノンプラチナ(14年朝日杯フューチュリティS-GI)の母パディーラとほとんど同じ血統構成(Unbridled's Song×General Meeting+Never Bend)なのもセールスポイントだ。本馬の父はハーツクライ。同馬はSeattle Slewを含んだ繁殖牝馬と相性がよく、この条件に当てはまる本馬は配合的に見どころ充分。Unbridled's Songの肌にサンデー系種牡馬、というパターンは前出のダノンプラチナのほかにトーホウジャッカル(14年菊花賞-GI)が出ており、このところ目立ってきている。芝向きの中距離タイプ。
●
タイセイヴィクター(牡 栗東・矢作芳人 父ヴィクトワールピサ、母オネストリーダーリン)
フローラS(GII)2着、フラワーC(GIII)3着などの成績を残したディアマイダーリン(父ハーツクライ)の半弟。母オネストリーダーリンはニキーヤ(ゴールドアリュールの母)の半妹にあたる。本馬はMr.Prospector 4×3というクロスを持っている。ヴィクトワールピサ産駒のこのクロス馬は連対率33.3%と優秀。まだサンプルは少ないものの、スピード血脈を積極的にクロスさせた配合は悪くないだろう。前記のとおりゴールドアリュールの近親なのでダート向きのパワーも感じられる。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
●
マーシフルレイン(牝 栗東・宮徹 父キングカメハメハ、母レインダンス)
母レインダンスは重賞こそ勝てなかったものの、秋華賞(GI)2着、京都牝馬S(GIII)2着、ローズS(GII)3着など、重賞で繰り返し馬券対象となった活躍馬だった。初子のレーゲンヴァルト(父ジャングルポケット)は現1勝馬。キングカメハメハを父とする本馬は2番子。NijinskyとRobertoを併せ持つキングカメハメハ産駒は、桜花賞馬レッツゴードンキ、宝塚記念馬ラブリーデイをはじめ、フィフスペトル、キョウワダッフィー、ケイアイエレガント、キングストリート、クラシカルノヴァなど多くの活躍馬が出ている。本馬は「キングカメハメハ×ダンスインザダーク」なのでラブリーデイとよく似た配合構成だ。父キングカメハメハは「Northern Dancer+Secretariat」の組み合わせを持つ繁殖牝馬と相性がよく、本馬の3代母の父トップサイダーはこのパターンなのでおもしろい。芝向きの中距離タイプとして高いポテンシャルを感じさせる。
●
ロイカバード(牡 栗東・松永幹夫 父ディープインパクト、母アゼリ)
母アゼリは現役時代アメリカで24戦17勝、ブリーダーズCディスタフ(米G1)などG1を11勝した女傑で、米年度代表馬に選ばれただけでなく、すでに名誉の殿堂入りも果たしている。09年に米キーンランドのセールで吉田勝己氏が225万ドル(約2億225万円)で落札し、日本に連れてきた。アメリカ時代にWine Princess(13年フォールズシティH-米G2、13年モンマスオークス-米G3)を出しており繁殖牝馬としてもまずまずの成績だ。日本における初子の持込馬アメリ(父Distorted Humor)はダートで3勝を挙げ、現在1000万クラスに在籍している。本馬の父はディープインパクト。その最もポピュラーな成功パターンであるLyphardクロスを持ち、Mr.Prospectorやトライマイベストが入るパターンも悪くない。父母のポテンシャルが表現されていれば楽しみだ。芝・ダート兼用の中距離タイプ。