■スプリンターズS(G1・中山芝1200m)フルゲート16頭/登録22頭
【コース総論】中山芝1200m Cコース使用
・コースの要所!
★3番人気以内馬が高信頼度。ヒモ荒れ決着が非常に多いのを意識したい。
★内枠有利ではなく外枠不利。信頼度と回収率のバランスがいいのは中枠。
★コース形態からも圧倒的に前有利。軸は必ず先行勢から選びたいところ。
起伏の大きな中山芝コースで、スタート直後から3コーナーまで延々と下り坂という、やや特殊なコース形態。行き脚がつきやすいので、多少は先行争いが激しくなったとしても、先行勢のほうが楽なのは間違いない。最後の直線に急坂が待ち構えているとはいえ、基本的には「先行有利」なのが、中山芝1200mだ。
16頭立てにおける平均配当は、単勝1176円、馬連8577円、3連複3万4729円と高めの水準。単勝の平均配当はそう高くないのに、馬連と3連複のそれが高いというのは、それだけ「ヒモ荒れ」での決着が多いということだ。実際に人気別成績を見ても、3番人気以内馬の信頼度は優秀そのもの。ここから入って相手は手広く──というのが、基本戦略となる。
次に、枠番別成績だ。中山芝といえば内枠有利の代名詞的存在だが、芝1200mでは「内枠有利」ではなく「外枠不利」が正しい表現。外枠である馬番13~16番は勝率、連対率、複勝率のいずれも明らかに低く、ここに入った馬は大幅に割り引いて考えたほうがいい。あとは、意外にセンター枠番の成績がいいのも、このコースの特徴といえる。
そして最後に脚質だが、前述したように先行有利なコース形態でもあり、圧倒的に前が有利。「4コーナー7番手以内」は、勝ち負けする上での必要条件といっても過言ではない。差しや追い込みが届かないわけではないが、ハナ~好位でレースを進められる馬と比較すると、その信頼度は雲泥の差。かなり「前」を意識して予想を進めたい。
【レース総論】スプリンターズS(G1) 中山過去9回
・レースの要所!
★過去9回で3番人気以内馬が14連対。2着まではかなり固めのレース。
★差し馬を狙うなら外枠のほうがベター。内を捌くのはかなり難しい。
★前走マイル戦組や中8週よりも長いローテでの出走は大幅な割引材料。
基本的にはコースデータに忠実な、スプリンターズSのレースデータ。まず目立っているのが、3番人気以内馬の[7-7-1-12]という素晴らしい成績だ。対照的に大不振なのが4~6番人気で、7~9番人気に複勝率で負けるという悲惨な結果。4~10番人気の信頼度にほとんど差がないという、かなり極端な結果となった。
コースデータと真逆なのが馬番別成績で、もっとも成績の悪かった外枠が、レースデータではいちばん信頼度が高い。これは単純に「人気馬が外枠に偏って入った」のが理由で、3番人気以内馬が10頭も含まれているのだから、強くて当然。不利を能力でカバーしているだけの話で、あくまでコースデータを信頼すべきだ。
次に脚質だが、こちらは見事にコースデータの通り。4角8番手以下から好走した馬もいるにはいるが、先行勢のほうが格段に信頼できるのは間違いなし。最速上がりの馬が1勝もしていないというのが、いかにもスプリントG1である。後方に置かれる可能性がある馬は、たとえ人気馬でもバッサリ切り捨てるのが、正しい選択といえる。
今回は、枠番と脚質をミックスしたデータも用意している。馬番1~8番に入った馬では「人気薄の先行勢」を狙うのがオススメ。信頼度、爆発力ともに文句なしで、差し~追い込み勢を狙うよりも、格段に効率がいい。対照的に馬番9~16番では、差し脚質の馬が好成績。つまり、先行勢はどの枠番でも買える(内のほうがベター)が、差し馬は外に入ったほうがベターなのである。
そして最後に、このレースを好走する条件について。海外勢をのぞき「中2週~中8週で出走する前走芝1200m戦組」であるのが必要条件で、5歳以下馬のほうが圧倒的に強いことや、「継続騎乗>乗り替わり」であるのも、押さえておきたいポイント。海外馬については「とりあえず買っておいて損はない」という、雑なジャッジがもっとも適切だ。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
Cコース継続。わりとフラットな馬場になってきた印象で、ペース次第か。
・天候予測
金曜日に多少の降雨があるも、週末には回復。良馬場前提の予想でオッケイ。
・注目血統
サクラプレジデント産駒◎、アドマイヤコジーン産駒○、フジキセキ産駒▲、ディープインパクト産駒△
土曜日は先行勢が勝ちまくっていたが、日曜日の後半からは差し馬の活躍が目立った、先週の中山芝コース。ペースと能力次第で好走可能な馬場状態というのが、レースを振り返っての印象である。引き続きCコースであり、馬場のバイアスがガラッと変わることはないはず。つまり、あまり馬場を気にする必要はなさそうだ。
これは血統面も同じで、コレという注目血統が見当たらない──というのが正直なところ。目立っているのはサクラプレジデント産駒くらいのもので、他は一長一短だ。というわけで、血統についても「あまり重視する必要がなさそう」というのが、当データ分析からの判断。枠番や脚質のほうが、よっぽど重要である。
ここで、香港から参戦するリッチタペストリーの血統について触れておこう。アイルランド産の同馬は、昨年のBCスプリントで1番人気に推されたほどの実力馬。母の全兄が英2000ギニーなどを制したRefuse to Bendと、血統も超一流だ。父はデインヒル産駒のスプリンターで、昨年の香港カップを制したDesigns On Romeも、この父の産駒。日本の芝適性は不明も、アッサリ勝たれても何の不思議もない力と血統の持ち主である。
★出走登録馬・総論×各論 さあ、秋のG1シリーズがいよいよスタートだ。主役不在である現在の国内スプリント路線らしく、何とも悩ましい馬ばかりがエントリー。さらに、スプリント大国・香港からリッチタペストリーも参戦と、いかにも混戦ムード。人気馬が非常に強いレースではあるのだが、そこにちょっと逆らってみたい気持ちも出てこようというものだ。
というわけで(?)、トップ評価は中穴人気となりそうな
アクティブミノル。前哨戦であるセントウルSを逃げ切った、伸び盛りの3歳馬である。「中2週で出走の前走1200m戦組」であり、さらに「先行脚質で継続騎乗予定の5歳以下馬」であるなど、出てくるのはプラス材料ばかり。ぜひ、勇猛果敢なレースを期待したい。
二番手評価に
ベルカント。こちらも好走の必要条件はすべてクリアし、さらに後押しとなる材料も豊富という、文句なしに「買い」といえるパターンだ。3番人気以内に推されそうなことを考えると、アクティブミノルよりも信頼度は格段に上。フツーに買うなら、この馬から入るのがベストだと思われる。
三番手評価に
ストレイトガール。実績はこの馬がトップも、6歳以上であることや、もう少し前に行ける馬のほうが買いやすいレースである点を少し割り引いて、この評価順位となった。とはいえ、この相手関係ならばアッサリ勝っておかしくない馬で、前哨戦をキッチリ使われてきたのも好印象。これ以上に評価は落とせない。
四番手に
ウリウリ。今年に入ってからの上昇度は、この馬がピカイチだろう。スタートの悪さや、後方から差す脚質がこのコースでは割引材料となるが、内を捌いて抜け出してきた前走のように、腹をくくったイン突きでの台頭がありそう。あえて内枠のほうが面白そうなタイプで、引き続き岩田ジョッキーが騎乗というのも心強い。
ここまでの4頭が上位評価組で、以下はハクサンムーン、リッチタペストリー、コパノリチャードという評価順。つまり「ミッキーアイルを1円も買わない」というのが、現段階での評価である。休養明け初戦&前走が安田記念というのは、非常に買いづらいローテ。これだけで、データ的には推奨しかねる。
あとは枠番次第だが、アクティブミノルとベルカントを1着に固定した馬券で勝負の予定。デカ馬が強いレースでもあるので、アクティブミノルの馬体重が多少プラスだと、なおさら買いやすそうだ。あとは「紛れるならば3着」というのも意識しつつ、最終的な買い目を構築したい
■総論×各論・先週の馬券回顧
阪神11レース 神戸新聞杯(G2)
1着 06リアファル
2着 05リアルスティール
3着 09トーセンバジル
トップ評価のリアルスティールが2着で、勝ったリアファルや3着のトーセンバジルも、名前を挙げていた馬たち。しかし馬券は、リアルスティールの1着固定で、相手もヌケという恥ずかしい結果に終わりましたとさ(赤面)。う~ん、この調子でいくと今年の菊花賞、ドカ荒れになってもおかしくなさそうな……。
※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。