開催日に奇妙な相関関係が
4日(日)はスプリンターズS&凱旋門賞。混戦模様のスプリンターズSに対して、凱旋門賞はトレヴ1強という様相です。
まぁそれもそうでしょう。先々週の当コラムにも書きましたが、去年の凱旋門賞で連覇を果たした後の同馬は、今年に入って3戦して負けなし。おととしの初制覇の後、同じく3戦して2、3、4着が1回ずつだった去年の“ステップ”より成績がいいわけですからね。
さて、ご存知のように同馬は史上初の凱旋門賞3連覇に挑みます。トレヴ以外に同レースを連覇したのは、クサール(1921、22年)、コリーダ(1936、37年)、タンティエム(1950、51年)、リボー(1955、56年)、アレッジド(1977、78年)の5頭ですが、このうち、連覇達成後にもレースに出たのはクサールだけ(22年のグラディアトゥール賞で2着)。あとの4頭は連覇した凱旋門賞が現役最後のレースで、クサールも連覇した年を最後に引退しています。
つまり、連覇を果たした馬がその翌年も出走してくることが、そもそも“史上初の快挙”なのです。
ということは、これまでに3連覇を阻んだ馬もいなかったので、もし今回、トレヴを負かして優勝する馬が現れれば、それもまた“史上初の出来事”になります。ちなみに、連覇が達成された翌年の凱旋門賞を制したのは、3歳馬が3頭と4歳馬が2頭。4歳の2頭は52年のヌッキオと57年のオロソで、ともに前年の凱旋門賞に出走し、それぞれ2着と6着に敗れていました。連覇した馬がいなくなったから勝てた、と言っては、両馬に失礼でしょうか?
そんなことを調べていたら、トレヴがおととし、去年と凱旋門賞を連覇するまで、同レースの結果とスプリンターズSの開催日に奇妙な相関関係があったことに気がつきました。
GI昇格後のスプリンターズSがこの時期(秋の中山と、その代替となる新潟開催の最終日)に行われるようになったのは2000年から。その日は9月の最終日曜日か10月の第1日曜日のどちらかで、10月に行われれば凱旋門賞と同日開催になります。
で、トレヴが出走する前の2012年まで、スプリンターズSと同日に行われた凱旋門賞(2000、03〜06、08〜11年)は3歳馬が優勝、スプリンターズSが9月に行われ同日開催ではなくなったときの凱旋門賞(01、02、07、12年)は4歳以上の古馬が優勝していたのです。もっと早くこれに気づいていたら、凱旋門賞の勝ち馬探しはカンタンにできていたかも?
ところが、この相関関係はトレヴによって壊されちゃったんですね。おととしのスプリンターズSは9月開催だったのに3歳の同馬が優勝し、同日開催となった去年は4歳になった同馬が連覇と、全く逆の“流れ”になってしまいました。
もちろんこれは単なる偶然の話。でも、トレヴ(または他の4歳以上馬)が今年の凱旋門賞を制して、今後、00〜12年とは逆の“流れ”が続くことになったらどうします?