【栗東】
◆オウケンビリーヴ(牝、父クロフネ、母ビスクドール、栗東・安田隆行厩舎)
おばに2001年エリザベス女王杯を制したトゥザヴィクトリー、近親には2014年皐月賞2着トゥザワールドや今年の秋華賞に出走予定のトーセンビクトリーなど活躍馬の多い血統。本馬は2013年セレクトセール当歳にて、1600万円で落札されている。
ゲート試験に合格した後、一旦放牧に出されて、吉澤ステーブルWESTから栗東へ再入厩したのが、9月8日。そこから順調に坂路での追い切りを積み重ねているが、特筆すべきは9月30日のマートンパークとの併せ馬。僅かながら先着したことも評価できるが、それ以上に4F50.3秒と素晴らしく速い時計をマークした。
「まだまだ課題のある中で、これだけの時計をマークするのだから、スピードがありますね。レース週には岩田康誠騎手に跨ってもらって、感触を確かめてもらう予定です」と安田隆行調教師。10月10日(土)京都芝1600m(牝)でデビューする予定となっている。
◆バティスティーニ(牡、父キングカメハメハ、母バプティスタ、栗東・松田国英厩舎)
(写真左)
全兄に今年の中山金杯3着、中日新聞杯2着などの実績があるデウスウルトがいる。本馬は7月22日のゲート試験に合格した後、一旦放牧に出されて、9月2日にノーザンファーム天栄から栗東へ再入厩してる。
9月30日のCWでは新馬スマートガルーダを追走して先着。時計は6F87.6秒と遅かったが、かなり余裕を持った手応えだった。「いろんな環境で調教しているけど、まだ緩さが残っている状況。それでもいいものは持っていると思いますし、初戦からある程度能力を発揮してくれると思います」と松田国英調教師。デビュー戦は10月12日(月)京都芝2000mをC.ルメール騎手で予定している。
◆ジェミナ(牝、父ハービンジャー、母ジェルミナル、栗東・野中賢二厩舎)
母は2009年フェアリーSを制しており、同年の桜花賞とオークスで3着という実績を残した。初仔の半姉ジェルヴェーズは未勝利で競走馬登録を抹消しているが、父がハービンジャーに替わったことがどのように影響するか注目したいところ。
9月2日に栗東へ入厩して、9月18日にゲート試験に合格。そして、10月10日(土)京都芝1600m(牝)でデビュー予定という日程は野中賢二厩舎にしては短い調整期間になるが、追い切りを重ねるごとに動きが良化。10月1日のCWではネヴァーハーツと併せ馬を行って、時計は5F70.8秒と地味だったが、外から迫る相手を追い抜かせまいと踏ん張った根性に見どころがあった。「(調教に跨った)大下騎手もいい動きだったと評価しているし、これで大丈夫でしょう」と野中賢二調教師も手応えを掴んでいる。なお、レースにはM.デムーロ騎手が騎乗する予定となっている。
◆ラフェデビジュー(牝、父スペシャルウィーク、母スパークルジュエル、栗東・須貝尚介厩舎)
同厩舎で管理された半兄クリーンエコロジー(父キングカメハメハ)は新潟芝1800mの新馬戦でデビュー勝ちを決めている。同馬は古馬になって、短距離での活躍だったが、父がスペシャルウィークに替わったことで、クラシック路線の王道での活躍が期待される。
本馬は7月16日のゲート試験に合格した後、一旦放牧に出されて、再入厩の形。坂路での追い切りが中心だが、9月30日の坂路ではレースで騎乗予定の福永祐一騎手が跨って、4F52.3秒をマーク。アドマイヤゴッドを追走して、結局追いつくことはできなかったが、それは仕方ないところだろう。10月10日(土)京都芝1600m(牝)でのデビューを予定している。
【美浦】
◆アウアウ(牝、父カネヒキリ、母ネネグース、美浦・奥村武厩舎)
当初は8月の新潟デビューを予定していたが、抽選で除外(非当選)の不運に…。その後は9月の中山デビューに目標を切り替えたものの、脚元に疲れが出たため、無理せずに仕切り直した。「予定は延びましたが、ひと息入れて立て直したぶん、しっかりとしてきました。カネヒキリ産駒の大型馬で推進力があるし、血統通りにパワー型ですね」と奥村武調教師。10月11日、東京のダート1600mを北村宏司騎手で予定している。
◆ウムブルフ(牡、父ディープインパクト、母ウミラージ、美浦・堀宣行厩舎)
現4歳(1000万下)の半兄ヴォルケンクラッツはダートで3勝している。Monsun産駒の母は独1勝。3代母の産駒に独G1を4勝したUngaroがいる。ゲート試験に合格後は山元トレセンで乗り込み、9月4日に再入厩した。9月24日にはモーリスとの併せ馬を消化。10月1日の追い切りでは行きたがる面を見せたが、古馬のアルバートを相手にビシッと追われた。陣営は「反応の良さ」を評価している。あとは気持ちのコントロールがポイントになりそうだ。10月11日、東京の芝2000mをクリストフ・ルメール騎手で予定している。
◆キャニオンロード(牡、父ネオユニヴァース、母ロレットチャペル、美浦・古賀慎明厩舎)
同じく古賀慎明厩舎に所属していた全姉チャーチクワイアは芝で4勝。現3歳(1000万下)の全兄アルターはダートと芝で2勝している。一族からシンコウラブリイをはじめ、キングストレイル、ハッピーパス、コディーノなどの重賞ウイナーが出ている優秀な牝系だ。「いい馬格をしているし、きょうだいのなかでは一番だと思う。まだ前に出るとキョロキョロしたりして子供っぽいけど、ひと追い毎に良くなっている。ゆっくりと成長していく血統だし、しっかりとしてくれば先々まで楽しみ」と古賀慎明調教師。10月12日、東京のの芝1600mを北村宏司騎手で予定している。
古賀厩舎ではキャットコインの全妹、ワンブレスアウェイ(牝、父ステイゴールド、母ストレイキャット)にも注目が集まる。こちらは10月10日、東京の芝1600m(牝馬)を柴山雄一騎手で予定している。また、アジュールローズ(牡、父ヴィクトワールピサ、母ヴィアンローズ)の感触も上々だ。こちらは10月11日、東京のダート1600mを柴山雄一騎手で予定している。
◆ステイパーシスト(牡、父ステイゴールド、母ロマンシエール、美浦・尾関知人厩舎)
一族からオグリローマン、オグリキャップが出ている牝系。アグネスデジタル産駒の母はダートで2勝している。坂路とウッドチップコースで追い切りの本数を重ね、10月1日にはステラウインドと併せて負荷を掛けた。「走りが軽いし、性格的にも前向き。ステイゴールド産駒で気持ちの面に注意しながら進めているけど、今のところは大丈夫そうですね。そこまで難しいところは見せていないし、稽古通りなら初戦から期待できると思います」と尾関知人調教師。10月11日、東京の芝2000mをM.デムーロ騎手で予定している。