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母高齢馬の今後(須田鷹雄)

  • 2015年10月06日(火) 18時00分


◆ファンタサイズについて気になったのはやはり母の年齢

 個人的に期待していたファンタサイズが10月5日の新馬戦でデビューし、人気薄馬の大駈けに遭ったものの2着とまずまずの結果だった。

 同馬について、馬のデキはいいと取材時に思っていたものの、気になったのはやはり母の年齢であった。母21歳時の産駒となると、さすがに躊躇せざるをえない。

 母高齢馬を嫌うというのはある種のセオリーであり、私自身がセールで推奨馬を出すときも母高齢馬は基本的には避ける。しかし一方でその年齢まで牧場に置かれている繁殖牝馬というのはそれだけの実績があるわけで、仮に成績上では分からなくても牧場では「産駒のデキはここまで良かった」と認識されている可能性が高い。

 ここで改めて、なぜ母高齢馬が良くないのか考えてみよう。母胎の中に居る間に受ける栄養、母乳の乳量や質、初期育成期間中の運動量といったことが理由として考えられる。

 しかし以前に比べると母馬のボディコンディションなどはかなり管理されるようになっている。また初期育成中の運動量を問題にするなら、重種の乳母に育てられた仔も忌避しなければならないことになってしまう(余談だが、最近は重種馬を避けて中半血などを乳母に付けるケースもあるようだ)。

 最近のPOG期間で活躍した母高齢馬といえば、キズナやレッドリヴェール。彼らは母が20歳時の産駒。他に3〜12歳世代には、母19歳時に生まれた2〜3歳重賞勝ち馬が3頭いる。ピンクカメオ、フェイムゲーム、ヒストリカルである。母18歳時だとタマモベストプレイ、サングレアル、アンライバルド。

 この8頭を生産者で見るとノーザンファーム4頭、社台ファーム、ノースヒルズ、パカパカファーム、信成牧場が各1頭。信成牧場は毎年の生産馬が10頭以下の牧場だが、他は大牧場ばかりだ。

 大牧場は生産頭数=母数が多いので例外事象が出やすいという面もあるが、やはり管理がしっかりしている、獣医の目が行き届いているといった要素もあるだろう。個人的には大牧場の馬については、「裏の裏」で母高齢馬が走るケースを狙う価値もこれからは出てくるのではと考えている。もちろんセールで高値になっても狙うということはないし、POGのドラフト上位で指名するということもない。ただ、穴としてなら狙いうる。どんなケースでも、みんながダメだと言い出したら、逆にそこに狙い目というのは生まれるものである。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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