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2週続けて武豊が騎乗、エイシンヒカリの追い切りをチェック!

  • 2015年10月07日(水) 18時00分


気になるのは「内に逃げる仕草をした」ところ

 先週のスプリンターズS。ひとつ前のレース、勝浦特別でキャレモンショコラが前半3F33.9秒で逃げ切り。この感じだと、3F33秒を切るか切らないかのペースで流れるだろうと推測したら、まさかの前半3F34.1秒。スプリンターズSなのに、ミッキーアイルもベルカントも行きたがるシーンがあるという、とんでもないレースになってしまいました。

 勝ったストレイトガールは状態の良さを感じていただけに、ある意味納得の結果。しかし、例年のスプリンターズSの流れになれば、きっと坂路調教馬が上位を独占していたはず。そう思わないことには、この調教適性予想は成り立ちませんし、今週以降のレースも予想できません。

 負け惜しみと思われるかも知れませんが、今回のスプリンターズSは自分が予想したレースの流れではなかった、これが予想を外した最大の要因だということだけは強調させてください。ハクサンムーンの出遅れは想定内でしたが、それを待つアクティブミノルってアリなんでしょうか(笑)。あれなら、好発を切ったベルカントにそのままハナを切ってもらえばよかったような気もしますが…。

 今週は毎日王冠、京都大賞典、そして新設重賞のサウジアラビアRC。7日に追い切った毎日王冠組を中心に取り上げていますが、8日以降に追い切った馬についてはトレセンニュースの方で取り上げるつもりです。

【毎日王冠/エイシンヒカリ】

 エプソムCで重賞制覇。今度はG1獲りを目指して、秋緒戦にこのレースを選択。休み明けになりますが、8月30日には坂路で時計を出しており、この中間の追い切り本数は入念。当初は坂路中心でしたが、1週前追い切りはCWで武豊騎手が跨って行われ、そして最終追い切りにも武豊騎手が跨るという内容。

 1回目のハローが明けたCWでしたが、1週前に比べると前半行きたがるところは解消。その分だけ、後半のスピード乗りがよかったという感じで、直線で偶然一緒になった他厩舎の追い切りも軽く交わしていきました。時計も6F82.6〜5F66.8〜4F51.1〜3F36.9〜1F11.9秒ですから、かなり評価できます。ただ、一旦交わしていた他厩舎の併せ馬がゴール前で詰め寄ってきた時に少し内に逃げているような仕草を見せていたところだけは気になりました。

エイシンヒカリ(10月7日撮影)

エイシンヒカリ(10月7日撮影)



【毎日王冠/ヴァンセンヌ】

 安田記念2着の後は宝塚記念に使うプランもありましたが、いろんな状況を加味して自重。秋は天皇賞秋を目標にすべく、緒戦をここから使うと早々に決められたようです。グリーンウッドから栗東へ帰厩したのが、9月12日ですから、ほぼ一般的なオープン馬の準備期間という気がします。

 レースの2週前となる9月24日の段階で、坂路4F52.9秒をマーク。1週前はカレングラスジョーを大きく追走して、最後はきっちり先着。2F24.5秒、1F12.0秒は数字的にもかなり評価できる内容でした。最終追い切りも同じ相手で、追走して先着は同じ内容。見た目にも迫力十分でしたが、時計は2F25.1秒、1F12.8秒と先週よりは地味。これは馬場差もあると思うので、ここまでしっかり追ったということを評価したいと思います。

ヴァンセンヌ(10月6日撮影)

ヴァンセンヌ(10月6日撮影)



【毎日王冠/アンビシャス】

 プリンシパルSを勝っても日本ダービーには出走せず、ラジオNIKKEI賞で賞金加算は予定通り。秋も早々に毎日王冠、天皇賞秋というローテーションが組まれており、ここに向けての準備は万端といった感じです。それは馬体を見ていても感じられるところで、休み明けとは思えない筋肉の張りがあります。

 最終追い切りでは、攻め駆けするヒストリカルに完全見劣る内容。この動きをどう評価するかが、予想印の上げ下げに影響しそうですが、全体的な追い切り本数や1週前追い切りの動きから、極端にこの動きで評価を下げる必要はないでしょう。ただし、客観的なデータのことを言えば、1週前遅れ、レース週先着の併せ内容が近2走のパターンです。

アンビシャス(10月6日撮影)

アンビシャス(10月6日撮影)



【毎日王冠/クラレント】

 京成杯AH以降、惨敗が続いていましたが、安田記念であわやの3着激走。この走りがきっかけとなり、この秋は左回り、東京競馬場で行われる天皇賞秋を目標とすることが決定。それに伴い、毎日王冠からの秋スタートとなりました。

 追い切り本数は本当に入念。9月6日に15-15の時計を出してからは、きっちりと週2本の追い切りをこなしています。最終追い切り、ミッキーラブソングとの坂路での併せ馬は追走して、一旦前に出るも、最後は相手に逆に詰め寄られて、ハナクビの差で遅れるという内容。併せ馬で先着したからといって、レースで結果が出るタイプではありませんが、見た目にあまり良い印象が残るものではありませんでした。

クラレント(10月6日撮影)

クラレント(10月6日撮影)



【京都大賞典/ラキシス】

 大阪杯1着はあるものの、その後の宝塚記念8着、札幌記念5着という結果。着順ほど負けていないということはありますが、今回をどのような判断にすべきなのか。私自身は追い切り内容を見て、非常に困っています。

 というのも、もともと追い切り本数が多いタイプで、前記大阪杯もエリザベス女王杯も本数多い調教内容で優勝。しかし、今回は中6週に対して、7日までの追い切りで6本。これはかなり少ない本数だと思います。レースまでの日程を考えると、坂路であと2本くらいの追い切りはこなしそうですが、そうなった時も厄介。一応の本数は消化したことになるので、やっぱり△くらいは打たなくてはいけないのでしょうが、あまり妙味を感じる中間の調整過程ではありません。

ラキシス(10月7日撮影)

ラキシス(10月7日撮影)



◆次走要注意

・10/3 中山 カンナS【ファジーネーブル】(11人/9着)

 美浦坂路でラスト1Fが最速ラップを踏んでいたので、馬券総合倶楽部の狙い馬に取り上げましたが、追い切り本数が少なかったこともあり、直線で失速。
 新潟で勝ち上がったことを考えても、福島芝1200mあたりがベストの感もあるだけに適条件で再度狙いたいところ。

[メモ登録用コメント] [福島芝1200m]最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・10/4 阪神 ポートアイランドS【ケイティープライド】(6人/4着)

 京成杯AHで◎を打った馬。具合に関しては悪くなかったと思いますが、最終追い切りが少し緩めだったので、今回は見せ場はあっても、勝ち負けはどうだろうと思っていました。
 消極的なレース内容だったこともあり、結果は4着でしたが、やっぱり最終追い切りできっちり併せ馬に先着するくらいの前向きさが必要な馬。次走はそれで勝ち負けできるはず。

[メモ登録用コメント] [芝1600m]最終追い切りで併せ先着なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・秋華賞【シングウィズジョイ】
 ローズS組の中でも、調教開始は早い部類。そんなこともあって、前走の肉体的なダメージは皆無といってよいでしょう。それを感じさせてくれる馬体ですし、7日の追い切りも抜群。
 相手はマーティンボロでしたが、先行外で終始楽な手応え。馬体重自体、こちらの方が大きいとはいえ、道中の2頭の姿を見ていると、どちらが牡馬かわからないくらいの迫力を感じました。
シングウィズジョイ(10月7日撮影)

シングウィズジョイ(10月7日撮影)



【次回公開日変更のお知らせ】
 次回の「調教Gメン研究所」更新は前週が3日間開催による追い切り日変更のため10月15日18時の公開となります。予めご了承くださいますようよろしくお願い申し上げます。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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