阪神外回りと京都内回りとではコースの趣旨が全く違う。となると…
秋華賞のトライアルといえばローズS。そのローズSは07年から阪神芝1800m外回りで行われるようになった。
阪神外回りと京都内回りとでは、コースの趣旨が全く違う。となると、トライアル好走馬が本番で凡走したり、トライアル凡走馬が本番で好走したりということが起きてもいいはずである。
しかし、実際にはそうなっていない。阪神芝1800mのローズSから秋華賞に来た馬を前走着順別に見ると、前走1〜5着馬が[5-7-2-19]で複勝率42.4%。それに対し前走6〜18着馬は[1-0-1-28]で複勝率6.7%だ。馬券に絡んだのが11番人気1着のブラックエンブレムと15番人気3着のリラコサージュなので回収率は良いのだが、15頭に1頭のペースでしか馬券に絡まないものをピンポイントで当てるのはさすがに難しい。ついでに言えば前走1着馬が[2-3-1-2]の複勝回収率75%なので、3連系の軸だったら諦めてトライアル勝ち馬を取ったほうが早い面もある。
果たして一般戦も含めて阪神芝1800m外回り→京都芝2000m内回りの成績はどうなのか? 今年の春競馬までの成績を集計したところ、全馬平均が勝率7.9%・複勝率23.7%に対し、このコース替わりに該当する馬は勝率9.6%・複勝率25.2%で全馬平均より高い。回収率は単61%・複66%。前走同級6〜9着の馬は回収率が単53%・複36%、前走同級10着以下は単46%・複69%。つまり、「コース替わりで前走大敗馬が激走」というシーンはさほど起こっておらず、逆に前走好走馬が全馬平均よりやや高い頻度で馬券に絡んでいるということになる。
夢のない話だが、「コース替わりで結果激変」というようなことはそれほど期待できないということか。現実というのはそんなものでもある。