■秋華賞(G1・京都芝2000m内)フルゲート18頭/登録20頭
【コース総論】京都芝2000m内 Aコース使用
・コースの要所!
★イメージよりも人気サイドが強いコース。2〜3番人気の強さに注目したい。
★コーナー4回の内回り。やはり内枠優勢で17〜18番の不利はかなりのもの。
★直線が短い前有利のコース。4角11番手以下から勝つのは至難の業である。
メインスタンドの前から発走して、コースをぐるりと1周する京都の芝2000m戦。スタートから最初のコーナーに進入するまでの距離が約300mと短いため、序盤がゴチャついた展開になりやすいコース形態である。また、コーナー4回で直線が短いという、いかにも「前有利」な設定であるのも、しっかり押さえておきたいポイントだ。
16〜18頭立てで行われたレースにおける平均配当は、単勝928円、馬連4873円、3連複1万4004円というもの。意外に低めの数値であり、実際に人気別成績を見ても、人気サイドの強さが目立っている。注目したいのは、1番人気ではなく「2〜3番人気」の強さで、その信頼度は1番人気と比べても遜色なし。逆にふたケタ人気馬は絶不調で、連対率はなんと1%以下と、さすがに狙いづらい面がある。
内枠有利&外枠不利であるのはコース形態を考えれば当然の話で、データもそれを裏付けるもの。とくに勝率の差は非常に大きく、平均人気が高いことを考慮しても、内枠である馬番1〜6番がもっとも有利だと結論づけられる。外枠では「期間内未勝利で連対も1回」の、馬番17〜18番の不振がとくに目立っている。人気馬でも大幅な割引が必要だ。
そして最後に脚質。G1レベルでは差しも決まるが、それでも基本的には前が有利なコース。4コーナー11番手以下のポジションとなると好走は絶望的で、馬券に絡むのは至難の業だ。「外枠→後方待機→大外ブン回し」といった騎乗など、まさに愚の骨頂。距離ロスなく立ち回れるような器用さが欲しい。
【レース総論】秋華賞(G1) 過去10年
・レースの要所!
★1番人気は複勝率は70.0%も勝率は20.0%で、頭固定での勝負は禁物。
★内枠&先行有利はコースデータとまったく同じ。器用さが求められる。
★継続騎乗の前走重賞組が圧倒的優勢。前走G1組の信頼度はイマイチ。
上位には食い込むが、なかなか勝ちきれない秋華賞の1番人気馬。その要因は4コーナーの通過順位で、そのほとんどが中団〜後方から差す競馬をしているのである。そうそう楽に差せるコースでないのは前述した通りで、タッチングスピーチやミッキークイーンのような不器用なタイプを過信するのは、けっこう危なっかしい。
とはいえ、近年の秋華賞はかなり堅く決着しており、ふたケタ人気馬は[1-0-2-86]で複勝率3.4%と低調な成績。一昔前は荒れまくっていたレースで11番人気が1着、16番人気が3着(2着は8番人気)だった2008年のような例もあるが、大きく振り回すのは考え物だ。人気薄を狙うにしても、傾向的には4〜9番人気の中穴ゾーンのほうがベターと思われる。
馬番別成績や脚質別成績は、コースデータにきわめて忠実な結果が出ている。まずは馬番だが、内枠である馬番1〜6番が連対率16.7%、複勝率23.3%と、明らかに好成績。内枠に入った馬は、素直にプラス評価したいところだ。外枠も意外に悪くないが、さすがに馬番17〜18番はかなりキツそう。人気馬でも、かなり割り引いて考えたい。
4コーナー通過順成績からは「4角6〜10番手の馬が差して1着。2着に先行勢、3着に差し〜追込勢」といった決着の多さがうかがえる。ここで注目なのが、最速上がりを使った馬が[2-1-0-9]と大不振であること。通常の芝G1ではありえない結果で、末脚一辺倒のタイプはかなり買いづらい。やはり、器用さが必要不可欠なのである。
前走オークスからの直行組は不振で、前哨戦であるローズSからのローテが順当に好成績。もっともアテになるのは「ローズSで4番人気以内かつ4着以内」だった馬で、ここに限れば[6-5-2-8]で連対率52.4%、複勝率61.9%と、その信頼度は抜群だ。また、前走重賞組は継続騎乗であるのが、好走の条件。この理由から、鞍上が乗り替わり想定のアンドリエッテは、けっこう買いづらい面がある。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
引き続きAコースで、展開次第で前も残るし差せる馬場。時計はやはり速い。
・天候予測
週末まで好天が続く見込みで、降雨があっても少量。良馬場前提の予想で。
・注目血統
キングカメハメハ産駒◎、ディープインパクト産駒○、クロフネ産駒▲
日曜日のオパールSでは、勝ったビッグアーサーがレコードタイの1分6秒7をマーク。さらに、月曜日の京都大賞典ではラブリーデイが32秒3の上がりを叩き出すなど、時計の速さはかなり目立つ。いかにも秋の京都といった印象で、この軽い馬場に対する適性は、やはり不可欠。ディープインパクト産駒が強くて当然である。
しかし、クラスが上がって道中のペースも上がると、キングカメハメハ産駒が一気に台頭。500万下〜重賞に限定したデータでは、トータル[16-4-5-50]で勝率21.3%と、ディープインパクト産駒(同12.8%)を大きく引き離している。同様にクロフネ産駒も、クラスが上がったほうが成績が良くなるパターン。器用さが問われるコースでもあることを考えると、筆頭評価はキングカメハメハ産駒となる。
★出走登録馬・総論×各論 阪神ジュベナイルFから秋華賞まで続く「牝馬G1路線」において、いささか特殊なのがこの秋華賞。というのも、阪神芝1600m外、東京芝2400m、阪神芝1800m外といった「直線の長い瞬発力コース」から、器用さの求められる内回りの2000mへと、最後の最後でシフトするからである。コレが、一昔前の秋華賞が荒れに荒れていた要因だ。
それを意識しつつ今年の有力馬を見ると、ローズSを制したタッチングスピーチ(前走4角15番手)、ローズSでも2着と力を見せたミッキークイーン(前走4角17番手)と、なんとな〜く危険な気配が感じられる。とくに、最後方からの競馬で連勝中のタッチングスピーチは、そうそう乗り方を変えるわけにはいかないはずで、なおさら危なっかしい。
この2頭に対して、今回のコース替わりが確実にプラスなのが、桜花賞馬
レッツゴードンキだ。前走は速いペースで逃げて4着に終わったが、じつにこの馬らしい結果であり、前哨戦としては悪くない内容。「ローズSを4番人気以内&4着以内」という好走条件もクリアしており、鞍上も継続騎乗予定と、ここは十分に巻き返しが期待できる……というわけで、迷わずトップ評価である。
二番手評価に
トーセンビクトリー。こちらもキングカメハメハ産駒で、ローズSでも3着と上々の結果を残している。差し馬ではあるのだが、ミッキークイーンやタッチングスピーチほどはタメないはずで、好位〜中団からの競馬も可能なタイプ。あとは、武豊ジョッキーがどのような乗り方をしてくるか次第だろう。
三番手には、人気薄の
アスカビレンを抜擢する。実績的に見劣るのは事実も、春にもそれなりに力を見せていた馬。前走は牝馬限定戦で52キロとはいえ、古馬1000万下で先行して最速上がりで2馬身差と、かなり力をつけている。前に行ける脚質はもちろんのこと、鞍上が大舞台に強い池添ジョッキーにスイッチする想定であるのも魅力的。一発の魅力がある、数少ない馬といえる。
あとは、
ミッキークイーンも上位評価の一角。実績を考えると、ここ以上に評価は落とせない。以下は、ホワイトエレガンス、マキシマムドパリ、タッチングスピーチという評価順。オッズや枠番次第では、タッチングスピーチを「消し」での勝負も考えたいところである。アンドリエッテ、クイーンズリング、シングウィズジョイなど、データ的な強調材料に欠ける馬も軽視のスタンス。馬券的にも、かなり面白い一戦となりそうである。
■総論×各論・先週の馬券回顧
東京11レース 毎日王冠(G2)
1着 13エイシンヒカリ
2着 04ディサイファ
3着 06イスラボニータ
馬券がヨレヨレになっているのは、本命だった03クラレントがゲートで後手を踏んだときに
「皇成なにしとんじゃああ( ゜д゜)!!」と叫びつつ握りしめたから(唖然)。エイシンヒカリを筆頭に継続騎乗組がズラッと上位を占めた結果で、先行できてもハズレだった気がしないでもないケド……見せ場くらいは欲しかったなあ。信じてくださった方、誠に申し訳ない。
※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。