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ダービー馬ロジユニヴァースを兄に持つディープ産駒タイムレスメロディ

  • 2015年10月28日(水) 12時00分
エンジェルフェイス(牝 栗東・藤原英昭 父キングカメハメハ、母ワンフォーローズ)
 中山牝馬S(GIII)を2連覇したレディアルバローザの全妹。クイーンS(GIII)を制したキャトルフィーユ(父ディープインパクト)の半妹でもある。母ワンフォーローズはカナダ最優秀古牝馬に3回選ばれた名牝で、ケイアイファームが約1億円もの大枚をはたいて日本に輸入した。これだけ支払っても結果的には安い買い物となった。Caro、Wavering Monarch、Sir Gaylord、Sauce Boatなど母方に潜って真価を発揮する良血が散りばめられており、繁殖牝馬としても非凡なところを見せている。母の父Tejano RunはG1勝ちこそないものの、ケンタッキーダービー(米G1)2着の成績がある。Caro系に属しているため柔らかさがあり、ダートだけでなく芝適性もあった。本馬が持つThe Dancer=Kazadancoa 4×4という全きょうだいクロスは鮮やか。姉同様の活躍を期待したい。

シュネルギア(牝 栗東・平田修 父ワークフォース、母リーチコンセンサス)
 母リーチコンセンサスは芝1200〜1600mで準OPまで出世したスピードタイプで、ライラプス(05年クイーンC-GIII)とは同血の関係(父が同じで母同士が全姉妹)にある。2代母インディスユニゾンは不出走馬ながらフサイチエアデール(重賞4勝)の全妹にあたり、3代母ラスティックベルは Raise a Native 2×3というスピード配合。アメリカのスピード血脈をたっぷり受けた母は、ワークフォースのようなやや鈍重さが感じられる欧州芝2400mタイプの種牡馬には合うだろう。 Mr.Prospector 4×4も好感が持てる。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

タイムレスメロディ(牝 栗東・高野友和 父ディープインパクト、母アコースティクス)
 日本ダービー馬ロジユニヴァースの4分の3妹。母には4年連続でネオユニヴァースが交配されてきたが、方向転換してディープインパクトが付けられた。配合の完成度は兄に比べても劣らない。2代母ソニンクはランフォルセ(重賞4勝)、ノーザンリバー(重賞6勝)、ノットアローン(08年ラジオNIKKEI賞-GIII・2着)、ルミナスポイント(OP)などを出している名繁殖牝馬で、父ディープインパクトと相性のいいMr.ProspectorとNureyevを併せ持っている。また、母アコースティクスはNorthern Dancer4×4で、その片方がDanzigを経由するという好パターン。本馬が持つAlzao≒Green Desert 3×3はおもしろい。芝向きの中距離タイプ。

チャパラルバード(牡 美浦・堀宣行 父High Chaparral、母Miss Tahiti)
 半姉Miss France(父Dansili)は昨年の英1000ギニー(英G1)優勝馬。母Miss Tahitiは2歳時にマルセルブサック賞(仏G1)を制して仏2歳牝馬チャンピオンに輝き、3歳時は仏オークス(仏G1)とサンタラリ賞(仏G1)でそれぞれ2着、ヴェルメイユ賞(仏G1)で3着と、勝てないまでも一流の成績を残した。父High Chaparralは現役時代、英ダービー(英G1)、愛ダービー(愛G1)、ブリーダーズCターフ(G1)2連覇など6つのG1を制した名馬。種牡馬としてはToronado(13年サセックスS-英G1、14年クイーンアンS-英G1)、Free Eagle(15年プリンスオブウェールズS-英G1)を出し、シャトル種牡馬として渡ったオセアニアでもSo You Think(豪英愛でG1を10勝)やIt's a Dundeel(シドニー三冠を含めてG1を6勝)といった大物を出している。Sadler's Wells系なので日本の馬場をこなせるかどうかがポイントとなるが、父はオセアニアで良績を残しているように時計の速い決着に対応しており、半姉Miss Franceも堅い馬場は苦にしないので期待できそうだ。芝向きの中距離タイプ。

レッドイグニス(牡 美浦・鹿戸雄一 父ハーツクライ、母ルンバロッカ)
 2代母の父Fabulous Dancerは父ハーツクライと相性がよく、この血の組み合わせを持つJRA出走馬わずか8頭から、ギュスターヴクライ(12年阪神大賞典-GII)、カポーティスター(13年日経新春杯-GII)という重賞勝ち馬を送り出している。芝中距離を得意とするアウトオブシャドウは青葉賞(GII)8着馬で、現時点で3勝を挙げている。本馬はその全弟。母ルンバロッカは伊1000ギニー(伊G2・芝1600m)の勝ち馬。繁殖牝馬としてはこれまでに、JRAで出走した7頭の産駒のうち6頭が勝ち上がり、そのうちクロスカップリング(父ダイワメジャー)が毎日杯5着、ロッカヴェラーノ(父マンハッタンカフェ)が皐月賞6着、ロッカフェスタ(父マンハッタンカフェ)が3戦2勝と、産駒はコンスタントに走っている。本馬は左肩にボーンシスト(骨に空洞ができる病気)があったため、デビューが危ぶまれたが、治療によりそれを乗り越えてデビューを目指している。配合的にはケチのつけようがないので応援したい馬だ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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