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JBCに出走する各陣営にインタビューしてきました

  • 2015年11月03日(火) 12時00分
競馬の職人

凛々しかったホッコータルマエ



※今回はJBC出走陣営のインタビューなので時間を繰り上げて公開しています

西浦助手「順調に来ていますのでいい秋を迎えられそうです」

 天皇賞・秋ではラブリーデイの切れ味と代打とはいえ浜中騎手の素晴らしい騎乗にほれぼれしましたね。

 ラブリーデイが5歳になって気性面の成長がすごい! 強くなったなー、と感じました。2歳デビューから昨年の4歳までコンスタントにレースに使われながらも3勝しか挙げていなかったのが今年だけで重賞6勝目ですからね。強さを開花させた要因は鞍上の指示を待って、ゴーサインで動けるようになり、気性も大人になったのがこの馬の強さでしょう。このあとはジャパンカップ、と聞いていますが今後がますます楽しみです。どこまで強くなるんでしょうか?

 また、この日は京都の新馬戦では1番人気に応えダノンシャルマンが快勝。京都メインレース(カシオペアS)もトーセンスターダムが快勝しました。ラブリーデイもミッキークイーンに続いてのGI制覇と池江デーでしたね。おめでとうございます。

 11月に入り競馬もあと2か月。一番忙しい時期に入り盛り上がってきました。今週は、11/3に大井競馬場で行われるJBCに注目! 今年は4年ぶりに大井競馬場で行われ関係者にも広くていいよなと人気の競馬場です。過去10年JRA馬優勝ですが連覇があるので6頭しか勝っていない難易度の高いレースです。

 まずは、JBCクラシックから。ホッコータルマエはGIを9勝していて、ここを勝てば史上最多の10勝目となる大きなタイトルがかかるだけに注目度No.1です。

☆彡西浦助手に突っ込みました。

常石 今日(10/28)の追切を見ていましたが坂路54.0、最後の1Fは12.8でした。動きはどうですか?

西浦 この動きでちょうどよいと思います。最後がしっかり負えたのでよかったです。反応もよく、思っていたより軽い動きをしていましたね。最終追切は金曜日に国分優騎手で追切をします。順調に来ていますのでいい秋を迎えられそうです。

常石 5戦4勝の大井競馬場は相性がいい感じですよね。幸先輩も『大井はタルマエも僕も大好きな競馬場です』と言っていました。

『初めて乗ったときはいい背中をしているなー。と思ったけど中々実践では結果が出せなかったのですが、1000万勝ってから成長が著しく能力の高い馬に成長してくれた。まだまだ能力はあるのでしっかり走ってくれます。頑張るから応援してください』と言っていました。

西浦 6月に同じ競馬場、同じ距離の帝王賞を勝ってるから楽しみにしています。今年に入ってからは1月28日の川崎記念も勝ちGI・2勝しているので使っての上積みもあるでしょう。

常石 本当に強いですよね。今日馬を見ましたがお尻が張って横幅がありますね。

競馬の職人

お尻が張って横幅があるホッコータルマエ



西浦 前脚が強いですね。いかにもダート馬って感じです。

常石 前走を振り返ってください。

西浦 時間をかけてゆっくり仕上げてきたのでいい状態で出すことができたと思います。大井競馬場とは相性もいい感じだしね。タルマエのいいところが出て強いレースをしてくれました。

常石 史上初のGI・10勝目楽しみにしています。

西浦 頑張ります。応援よろしくお願いします。

☆彡ホッコータルマエのライバルとなるコパノリッキーについて村山調教師にお聞きしました。

常石 フェブラリーS連覇おめでとうございます。レース後骨折が判明し心配しましたがその後初めてのレースですか?

村山 10/7の日本テレビ盃(10/7)を使ったよ。58キロ背負って勝った馬から2秒差の3着でした。

常石 昨年のJBCクラシック(盛岡競馬場)を完勝されていますよね。楽しみだと思うのですが前走を振り返ってください。

競馬の職人

馬房でのコパノリッキーと担当の新谷さん


村山 盛岡(マイルチャンピオンシップ南部杯)を使うかどうか迷っていたけど、移動も長い距離になるので難しいと思って日本テレビ盃から始動しました。前走は休み明けだったので8分の出来でした。まだ十分仕上がり切っていなかったけど、しっかり走ってくれて頑張ったよ。一回使っての上積みはあると思うので今日(10/28)はさっと流すだけで十分だと思ってます。土曜日に助手で最終追切をする予定です。飼い葉食いもよく馬体もくしっかりしてますよ。

 大井は、コースが広いので乗り易い。輸送も大丈夫です。レースでは、砂を被るのを嫌うのでハナを切るか先行してほしいと思っています。そうすれば息も持つはずです。GIレースは中々勝てるものではないけれど、いいスピードを持っているのでそれを生かしきれればいい結果につながると思います。強い馬が出そろってくるけど手ごたえは十分あります。能力は高いので持っている力を十分に出し切ってほしいですね。

常石 GI馬激突ですね。厩舎で馬を見せてもらいましたが、黙々と飼い葉を食べていました。集中力もすごいです。精神面でも大人になってきた感じがしました。楽しみにしています。ありがとうございました。

村山 ダノンレジェンドもJBC(スプリント)使うけどしゃべらなくてもいいんか?

常石 あっうっかりです。是非お願いします。

村山 つねちゃん! しっかりしなあかんな。こんな機会逃したらもったいないよ(笑)。

常石 はい。先生に言っていただいて助かりました。ありがとうございます(ぺこり)。

競馬の職人

JBC2競走にコパノリッキーとダノンレジェンドをお出走させる村山調教師とパチリ



村山 レジェンドは4/8の東京スプリントを勝って、9/30東京盃も勝ってるので大井競馬場とは相性がいいですね。馬体の幅が出てきて前脚のかきこみが強いのでダート向きだと思います。今回もデムーロ騎手に乗ってもらいます。揉まれてもさばきが上手ですので楽しみにしています。

常石 3月は高知へ行き黒船賞を勝っていますし、門別や盛岡競馬場でも出走しているように移動も多くこなしてタフな馬ですね。

村山 いろいろな競馬場へ行ってますが輸送は大丈夫ですね。強みです。仕上がりも順調で本追切は併せ馬でシッカリやった。直線がちょっと長いのが課題でそのあたりをクリア出来ればチャンスはあると思います。早くから目標にしていたレースなので何とか勝ちたいと思う。力があるので楽しみにしています。

常石 重賞5勝していますが今度はGIタイトルがほしいところですよね。ありがとうございました。

☆彡今度は加用厩舎のドリームバレンチノです。

常石 昨年のJBCスプリントの覇者ですね。今年も楽しみですが調教の様子はどうですか?

競馬の職人

馬房にいたドリームバレンチノ(のアップ)



牧野 ちょっとひっかかるので併せ馬は駄目なんです。単走で追い切りました。1600mも使ったけどベストは1200mですね。うるさそうに見えるけどおとなしく手入れもしやすい。賢い馬なのでよくわかってます。

常石 輸送は大丈夫ですか?

牧野 今年も9/30の東京盃に参戦し2着に来ています。昨年のJBC以降は悔しいレースが続いてるのでそろそろ挽回したいですね。1200mベストだし力も持ってる馬なので今回期待しています。大井競馬場は馬房がとってもきれいで手入れもしやすいので助かります。

常石 レースの展開はイメージできますか?

牧野 後ろからでも大丈夫ですね。末脚が爆発するところが見たいですね。諦めずにしっかり負ってくれる岩田騎手に期待しています。楽しみです。

常石 力のある所を証明してほしいですね。楽しみにしています。

☆彡続いては石坂厩舎のベストウォーリアです。

 JBCレディクラシックのカチューシャとJBCスプリントのベストウォーリアの騎乗を予定していました福永ユーイチ騎手がスワンSでの落馬負傷のため川田騎手に乗り替わりになりました。ベストウォーリアはかしわ記念2着、プロキオンS1着、マイルチャンピオンシップ南部杯1着と近3走ユーイチと好成績を残していたので楽しみにしていました。

『能力もあり柔軟性が高くどんな競馬でも出来るので積極的に競馬をしようと思う』と話していただけに悔しさが残るだろうと思います。でもゆーいちなら自分のことよりも馬に勝ってほしいと願ってることでしょう。今は一日でも早くケガが回復することを祈っています。

常石 古泉厩務員さんこの馬をアピールしてください。

古泉 いいところばっかりで難しいなー。まずはマイル以上の距離は勝っていないところかな(爆笑)

常石 えー、そこですか?(笑)。南部杯以降の状態いかがですか?

競馬の職人

ベストウォーリアと担当の古泉さん



古泉 すごい落ち着いた馬で手入れの時もおとなしいんです。ゲート入りもよく、ゲートが開いたらスッと出るから騎手も安心して乗ってもらえるので、その点はうれしいです。1週前追切は金曜日に助手でやって、落ち着いて競馬場に向かいたいです。今日は強めの運動だけです。1回使ってるのでテンションあげる必要はないですしね。

 調教後の飼い葉食いもよいので馬体もしっかりしているし、状態も安定しています。今後はマイルでもスプリントでも走る馬になってほしいね。新馬戦以来の1200mですが、負けられない1戦との思いでいます。大型馬なので掻き込みも大きいし自慢の切れる脚があるから持ってる力を出し切ってくれたらいい競馬になると思います。

常石 ダート馬としての最高の条件を持ってる馬ですね。ユーイチの思いを乗せて川田騎手がやってくれるでしょう。ありがとうございました。

***

 先週の天皇賞秋では川田君の思いを浜中騎手がやってくれました。今度は川田騎手ですね。

 皆さんの話を聞いていると大井競馬場へ応援に行きたくなりました。地方競馬の楽しみ方を勉強しなくてはいけないですね。今回はTV観戦で応援しています。どの馬にも勝ってほしい、と思わせるようないい話を聞かせていただきました。馬も人もハードスケジュールですが楽しみにしています。取材させていただきありがとうございました。

 僕は、いま通ってる明石乗馬協会で大会があるので経路を確実に覚えることが課題です。競走馬のゲート試験のようですね。何度も何度もチャレンジしています。2時間半もかかるので僕も長距離輸送に耐え頑張ってきます。

 つねかつこと常石 勝義でした。

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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