▲丹下日出夫さんの推薦は『新・世界の競馬』
netkeibaの人気コラムニストたちが、競馬ビギナーさんに「ぜひ読んでもらいたい!」という競馬書籍を紹介するこの企画。6人目の登場は動画「まるごと必勝チャンネル」でもお馴染みの丹下日出夫さんです。
名馬は瑠璃色
競馬というゲームを知った最初の頃は、勇気凛々瑠璃の色。思い込みや情熱で、馬券もレースも、すべてが見通せてしまう ――そんな夢見るような時が一度はあるものです。
しかし、天才というのは何故か長続きしない。ふと競馬に(たぶん馬券に)、疲れたある日のこと。競馬という舞台には、血統を中心とした太い骨格があり、スタンダードがあるんじゃなかろうか。一から競馬というものに携わることが、善き競馬人の早道になるかもしれないと、思うようにもなる。
『新・世界の名馬』に収録されている、巻頭に出てくるエクリプス時代の競馬は、3000〜4000mを走って2本先制勝ちがルールという、ヒート競走と呼ばれる競馬であったとか。
今をもときめくネイティヴダンサーやノーザンダンサー。そう、現競馬をも支えるスタンダードな血統馬たちを、良質なエピソードで味付けをほどこし、キンツェムの物語に触れると、サラブレッドとはかくも愛しき生き物なのかと、サラブレッドと血統を、単なるカタログに終わることなく、瑠璃色に輝く一冊の名著に仕上ている。
■タイトル:新・世界の名馬
■著者:原田俊治
■出版社:サラブレッド血統センター
■発行日:1993年4月
■価格:絶版(中古あり)
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