【栗東】
◆ピースマインド(牡、父ディープインパクト、母マイティーカラー、栗東・宮徹厩舎)
母は芝中距離で5勝を挙げており、半兄にはダートで4勝を挙げているブライトアイディア(父ゴールドアリュール)がいる血統だが、母、そしてその仔はすべて宮徹厩舎で管理されており、まさに厩舎ゆかりの血統と言えるだろう。ちなみに担当者も母や兄を担当した荻須恭一郎調教助手。
中間の調教は坂路で時計を出し始めて、10月28日の芝馬場での3頭併せは目立った動きではなかった。ただ、11月4日のCWでは古馬1600万下に先行していたとはいえ、最後まで楽な手応えで同入。6F81.1秒は新馬としては十分な時計をマークした。当初は先週デビューも視野に入っていたようだが、先週の追い切りを消化して、今週さらに動けるようになれば、デビュー戦から期待できそう。11月15日(日)京都芝1800mを藤岡康太騎手でデビュー予定。
◆ノボリクラウン(牡、父ジャングルポケット、母ミュージックアワー、栗東・松永昌博厩舎)
全兄に芝で4勝を挙げたオメガキングティー、おじにディープインパクトが勝った天皇賞(春)で3着だったストラタジェムがいる血統。本馬は2013年セレクトセール当歳にて、2200万円で落札されている。
10月8日にグリーンウッドから栗東へ入厩。10月21日の坂路では、4F55.0秒と目立った時計は出なかったが、11月4日のCWでは3頭併せを後方から追走して、最後は同入。古馬500万下を相手にそれなりに動き、時計は6F82.4秒をマークした。松永昌博調教師は「それなりに動けるようになってきた。将来的には長い距離も視野に入っている馬ですが、初戦はマイルから」ということで、11月14日(土)京都芝1600mを武豊騎手でデビューする予定となっている。
◆ナーウル(牝、父ブラックタイド、母プリティアンブレラ、栗東・音無秀孝厩舎)
おじに同厩舎で管理され、ダート1400mで5勝を挙げたトラバントやダート1400mで3勝を挙げているアドマイヤシェルがいる血統。ちなみに母は現役時代に橋口弘次郎厩舎で管理され、ダート1200mで1勝を挙げている。
本馬はゲート試験に合格した後、坂路で追い切りを重ねて一旦放牧。10月21日にグリーンウッドから栗東へ再入厩している。11月5日の坂路では4F53.1秒と、これまでで最も速い時計をマークしており、追うごとに時計を詰めている印象。今週の追い切りでもう少し終いの踏ん張りが利けば。デビュー戦は11月14日(土)京都ダート1800mを浜中俊騎手で予定している。
なお、以前に当欄で紹介したカンパニーの半弟プロジェクト(父ハービンジャー)は、11月15日(日)京都芝1800mを松山弘平騎手でデビューする予定となっている。
◆エイシンリベラル(牡、父マンハッタンカフェ、母エイシンパンサー、栗東・西園正都厩舎)
母は現役時代にダートで1勝、芝で3勝を挙げており、2歳時には阪神JFに出走した経験もある。父産駒は天皇賞(春)を優勝したヒルノダムールやNHKマイルCを優勝したジョーカプチーノなど、距離、芝ダート問わず、G1ホースを輩出しているだけに、使い出しに注目していたが「母の実績(1400m以下で4勝)を考えて、この番組に」ということで、デビュー戦は11月15日(日)東京芝1400mを池添謙一騎手に決まった。
11月1日の追い切りは坂路で4F54.5秒と少し地味。しかし、池添騎手が跨った11月5日のCWでは外にいたタムロダイチに食い下がる動きを見せて6F82.8秒。ラスト1Fも12.2秒と伸びており、トラックコースでのセンスの良さを見せた形。最終追い切りは坂路になるかも知れないが、4F時計が詰まってくれば、CWでの追い切り効果があったと考えたい。
【美浦】
◆アフェクテューズ(牡、父ディープインパクト、母オールウェイズウィリング、美浦・手塚貴久厩舎)
現3歳の全姉ショウナンアデラは昨年の阪神JFを勝ち、最優秀2歳牝馬に輝いた。当初は夏の新潟デビューも視野に入れていたが、軽い筋肉痛を発症したために大事を取って再調整。じっくりと立て直してきた。先週はウッドチップコースで長めから追われ、ひと追い毎に気配が良化している。「見た目にズングリムックリの体形で緩さも残っているけど、その気になれば動く。十分に量を乗ってきたし、中身はできていると思う。テンから進んでいくような感じではないけど、しまいに切れる脚を使えそうなイメージがある」と手塚貴久調教師。11月15日、東京の芝1600mを松岡正海騎手で予定している。
◆オーダードリブン(牡、父ディープインパクト、母コマーサント、美浦・加藤征弘厩舎)
4歳上の全兄ベストディールは京成杯の勝ち馬。7月末にゲート試験を合格後は山元トレセンで調整され、10月10日に再入厩した。先週、先々週とノンコノユメを相手に時計を出しており、仕上がりは順調だ。「牧場で乗り込み、しっかりとしてきた。フットワーク、息遣いともに良好。いいモノを持っている」と加藤征弘調教師。11月14日、東京の芝2000mをクリストフ・ルメール騎手で予定している。
◆チェッキーノ(牝、父キングカメハメハ、母ハッピーパス、美浦・藤沢和雄厩舎)
3歳上の全兄コディーノは重賞2勝(札幌2歳S、東京スポーツ杯2歳S)。兄姉は全て勝ち上がっており、コンスタントに走る血統だ。当初は夏の札幌デビューを予定していたが、まだ動きが物足りなかったために仕切り直した。10月17日に再入厩後は順調に乗り込まれており、坂路とウッドチップコースで追い切りの本数を重ねている。「1歳上の半姉カービングパスとは違い、わりと穏やかな性格。牧場でもしっかりと乗り込んできたし、仕上がりは良さそう。早い時期から走れる一族だし、1回目から動けると思う」と藤沢和雄調教師。11月15日、東京の芝1400mを北村宏司騎手で予定している。
◆ハートレー(牡、父ディープインパクト、母ウィキッドリーパーフェクト、美浦・手塚貴久厩舎)
母は米GIアルシバイアディーズSの勝ち馬。ゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で乗り込み、10月22日に再入厩した。11月4日の追い切りでは3歳馬のデュアルメジャーを追走し、抜群の好気配だ。「まだ気持ちの面が散漫で分かっていないようなところもあるけど、息遣いやフットワークはいい。古馬を相手にしても楽に動けるのは能力の高さ。さすがは牧場でも評判になっていた通り、相当なポテンシャルを感じる」と手塚貴久調教師。11月14日、東京の芝2000mをライアン・ムーア騎手で予定している。