netkeibaの人気コラムニストたちが、競馬ビギナーさんに「ぜひ読んでもらいたい!」という競馬書籍を紹介するこの企画。7人目の登場はコラム「世界の競馬」でもお馴染みの合田直弘さんです。
血統を軸に綴った名馬物語
血統が好きな人は、せり市場の上場馬名簿を見ているだけで楽しいと言う。3代配合表と、これも3代程度遡った牝系図を眺めていると、「このお父さんは、こんな競馬をした馬だったな」「このお祖母ちゃん、競馬場で見ているよ」と、懐かしい時代の記憶が次々に甦ってくる。
そんな血統表を文章に置き換えて楽しもうというのが、ここで取り上げた書籍だ。具体的にはDynasties が、1898年生まれのCommando から1983年に生まれたStorm Cat まで、20世紀を彩った名種牡馬たちがどのような生涯を辿り、どんな産駒を出し、その系統がどのように広まっていったのかが、物語になって綴られているのだ。
Dynasties と対になるのがMatriarchs で、Almahmoud, Courtly Dee, La Troienne といった 20世紀を代表する名牝たちの生涯と、彼女らを礎とするファミリーが形成されていく過程が描かれている。大きな括りで言えば名馬物語の範疇に入るが、血統を軸に綴られているところが、書斎派の競馬ファンにはたまらない魅力だ。
いずれも20世紀の終わりに米国で発売されたもので、Amazonで検索すると、現在も市場に出回っている。実はこの2冊、日本競走馬協会の監修で日本語版が刊行されているのだが、残念ながら市販はされていない。図書館とかに置いてありませんかね!?
■タイトル:Dynasties
■著者:Edward l.Bowen
■出版社:Eclipse Pr
■発行日:2000年9月1日
■価格:洋書(中古・電子書籍あり)
■ご購入は:
AMAZON(別サイトへ移動します)へ。
■タイトル:Matriarchs
■著者:Edward l.Bowen
■出版社:Eclipse Pr
■発行日:2008年10月1日
■価格:洋書(中古あり)
■ご購入は:
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