「気持ちも若い」フォーティファイド
皆さんは栗東の石坂正厩舎に所属していたフォーティファイドを覚えているでしょうか?砂の女傑ファストフレンドの孝行息子です。
2008年4月に阪神競馬場の3歳未勝利戦でデビューすると、1800m戦で4勝し、準オープンクラスで活躍しました。2012年4月から南関東に仲間入り。2013年の大井記念(2600m)で念願の重賞ウィナーになると、2014年の金盃(2000m)で2つ目のタイトルを奪取。
そんなフォーティファイドは10歳になった今も現役生活を続けているんですよ!!!南関東競馬の所属馬は9歳いっぱいまで走れますが、A1馬に限っては特例があり、1年間のうちに1度でも5着に入れば、何歳になっても所属でいることができます。
10歳ながら3着となった今年の金盃
今年の金盃のパドック時
過去にはマズルブラストが13歳まで走り、美浦の池上昌弘厩舎所属だったコアレスピューマは今年11歳になり、来年12歳になっても走る権利を得ています。
10歳のフォーティファイドは来年11歳になっても南関東所属として走る権利をすでに得ていて、現在の南関東においてコアレスピューマに次ぐベテランなのです。
フォーティファイドのトレードマーク?でもあるポッコリお腹も健在ですよ(笑)。
前走のマイルグランプリのパドック時。ポッコリお腹は変わらず健在です
そもそもは大井の藤田輝信厩舎に所属していましたが、現在は大井の渡邉和雄厩舎の一員となり、変わらずに外厩馬として茨城県のミッドウェイファームでトレーニングを積んでいます。
主戦の石崎駿騎手にフォーティファイドの乗り味を聞いてみました。
「10歳には全然感じないです。古馬のいい時期の5、6歳の馬と比べても遜色ないと思いますよ。年齢的に能力が落ちている感じはしませんね。
跳びがすごく大きくて、一回エンジンがかかっちゃうと、自分では止まらなくなって行きたがってしまうことがあります。今でも返し馬ではブワ〜ッていきなり行っちゃうので、意識的に軽く乗るようにしています。普段は大人しいんですけど、気持ちも若いですね」(石崎騎手)。
主戦の石崎駿騎手は「普段は大人しいんですけど、気持ちも若いですね」と言う
そんなフォーティファイドは11月25日(水)に行われる勝島王冠(大井1800m)に出走してきます。折り合いは鍵を握りますが得意な1800m戦だけに、どんなパフォーマンスを見せるのか楽しみです。
「1800mは直線が長いし、折り合いのことを考えても、現状では一番いいんじゃないかと思います。最近スタートで遅れているのでちゃんとスタートを切って、折り合いをつけられれば脚を伸ばしてくれるんじゃないかなと。10歳ですけど、馬はすごく元気なので期待したいですね」(渡邉調教師)。
その勝島王冠はフォーティファイドをはじめとした中央からの卒業生が多数登場してきます。
かつての所属厩舎も記しながら順不同でご紹介すると、
プレティオラス(美浦・南田美知雄厩舎)、転厩初戦になるアーサーバローズ(栗東・中竹和也厩舎)、ツクバチャーム(美浦・戸田博文厩舎)、ハブアストロール(美浦・松山将樹厩舎)、エアラフォン(栗東・池江泰寿厩舎⇒栗東・吉村圭司厩舎)、クラシカルノヴァ(栗東・飯田雄三厩舎)、ガンマーバースト(美浦・粕谷昌央厩舎)、トーセンアドミラル(栗東・角居勝彦厩舎⇒美浦・加藤征弘厩舎)。
今回はプレティオラスとガンマーバースト、笠松出身のカキツバタロイヤルや大井生え抜き馬のムサシキングオーが人気を集めそうですが、どの馬が頂点に立つのでしょうか。
次回は12月7日(月)にお会いしましょう!