中央時代からのファンも応援に
早いもので2015年も1か月を切りました。今月の南関東競馬は9歳馬が卒業するシーズンです。
以前もお伝えしましたが、南関東で所属でいられるのは9歳いっぱいです(A1馬に限っては特例があり、1年のうちに1度でも5着に入れば、何歳まででも所属として走ることができます)。卒業後は、乗馬になったり、養老牧場で過ごしたり、他地区に移籍する馬もいます。
皆さんは美浦の小島茂之厩舎に所属していたマチカネヒヨドリを覚えていますか?2009年5月の3歳未勝利戦(新潟競馬場)でデビューし、500万以下条件の中・長距離で通算3勝(門別遠征での勝利も含む)を挙げました。
父はブライアンズタイム、母がマチカネベニツバキ、母父はサンデーサイレンスという血統の牡馬。ど派手な流星と綺麗な栗毛でインパクトが抜群なルックスです。
2011年8月から浦和競馬の一員になりました(吉田正美厩舎⇒冨田敏男厩舎)。当時は5歳でしたが9歳になり、南関東卒業をする時が刻々と迫っています。
2012年1月10日の船橋のレースで南関東初勝利、金子正彦騎手が初騎乗
現在は137戦目を無事に走り終えたところです。ほとんど休みなく走り続けられたのは、マチカネヒヨドリ自身の丈夫さと支えてきた皆さんの力も大きいでしょう。
長きに渡って苦楽を共にしてきたのは、元騎手でもある鍛炭幸夫厩務員。
「脚元が丈夫でカイバ食いもいいし、悩んだことのない馬だよ。普段からすごく素直で大人しいし、蹴ったり暴れたりしたのも見たことがないくらい。ただ、競馬になると朝の引き運動の時はいつもより速く歩こうとするし、顔つきもキリッとして変わってくる。
若い頃は競馬の切れ味はすごかったけど、最近は年齢もあるからね。本当は9歳になる段階で他地区への移籍話しもあったそうなんだけど、ずっと一緒にいて思い入れもある馬だし、『あと1年間(9歳いっぱいまで)やらせて欲しい』ってお願いしたんだよ。すごくかわいいし、もうすぐ離れるのは寂しいね」(鍛炭厩務員)。
苦楽を共にしてきた鍛炭厩務員と
そんな鍛炭厩務員と騎手時代の同期だった川崎の金子正彦騎手が、数多く手綱を取りました。なんと137戦中97戦も!!!
「素直で乗りやすいし、本当に丈夫な馬。最初に乗せてもらった時にものすごい脚を使って勝たせてもらったけど、その後も終いから必ず伸びて掲示板にはよく入っていたから、楽しみな1頭だったよ。こんなにも長く乗せてもらう馬はそうはいないよね……」(金子騎手)。
12月1日の浦和でのレース、137戦目を無事に走り終えました
今週の船橋を皮切りに、川崎、浦和、大井と年末いっぱいまで開催は続いていくので、体調が整っていれば変わらずコンスタントに使っていく予定だそうです。南関東卒業後は他地区に仲間入りするプランもあるそうです。
マチカネヒヨドリが走る時、パドックには愛情たっぷりの横断幕が貼られていました。中央時代からのファンが応援に来てくださっていたそうです。関係者も励みになってうれしかったそうですよ!
中央時代からのファンの方も見守ってきました
「こんなに長い間休まないで走り続けることができたのは、怪我をすることもなかったし、本来持っている丈夫さなんでしょうね。南関東ではもうすぐ走り終えることになりますが、今まで応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました」(冨田調教師)。
このまま何より無事に南関東を卒業して欲しいと思います!
次回は12月21日(月)にお会いしましょう!