ダンツジャッジは今春、G2のAJCC(2200m)を制し、距離の幅を広げたが、本質的にはスピード系のマイラー型。その証拠に1400mに1分20秒6(スワンS)。1600mには1分32秒9を筆頭に、再三1分33秒台があり、ダービー卿CTを制している。
父ウォーニング、その父ノウンファクト(同じ北九州記念に出走するキングザファクトの父)も、活躍したのは欧州のマイル戦中心だったが、知られるようにこの父系はアメリカの生産界が大切にするマンノウォーの父系。代を経てもスピード能力を失わず、ひょっとすると再び主流血脈に加わっても不思議ないほどの活力を見せている。
ダンツジャッジは、同じウォーニング産駒のサニングデール(高松宮記念-G1)、カルストンライトオ(1000mの日本記録保持)などより距離適性の幅は広いが、後継の種牡馬となるには、2000m前後の中距離重賞よりスピード能力を確認させる北九州記念のようなレースを好時計で勝っておきたい。G3にしては好メンバー。ここを制することは大きな意味がある。
日本の現在のマンノウォー系の種牡馬は、トーヨーリファール(父リローンチ)と、マークオブディスティンクションの後継馬になる今年の新種牡馬のホッカイルソーと、ユメノセテコウユーの3頭だけ。トーヨーリファールは評価は高いが、みんな産駒数は少ない。
ここにサニングデール、ダンツジャッジなどが後継として加わると、マンノウォー系が少し復活する可能性も生じるだろう。
新潟は珍しく天気があやしく、馬場状態がつかめないが、スランプのミッドタウンに復活の兆しがある。この距離なら変にタメる必要もなく、幸い先行馬も少ない。不振脱出のために強気に先行してほしいものだ。