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週刊サラブレッド・レーシング・ポスト

  • 2004年07月20日(火) 18時14分
 先週の『サラトガ・イヤリング』に引き続いて、今週は欧州におけるメジャーなイヤリング市場の幕開けとなる『エージェンシーフランセーズ・ドーヴィルセール』のプレヴューをお届けしたい。

 ドーヴィルセールは、今年3歳世代となった2002年セール出身馬が絶好調。昨年、ウィッパーがG1モルニー賞、キャリーオンケイティがG1チーヴァリーパークSを制し、英仏両国の主要2歳G1ダブルを達成したのに続き、今春はトレストレラが仏1000ギニー、ラティスが仏オークス、ブルーカナリが仏ダービーと、春の3歳クラシック4レースのうち3レースまでも、セール出身馬が制覇。クラシックホースの宝庫として、圧倒的な存在感を見せつけた。

 今年のドーヴィルセールは、これまでと開催フォーマットを変更。以前は土曜日に組まれていた開催初日を22日(日曜日)とし、25日(水曜日)までの4日間開催として行われる。これに呼応するように、フランスギャローも8月22日のドーヴィル開催を豪華に改装。2歳G1モルニー賞をはじめ、1日に4重賞を集中させる計らいを見せ、セール開催初日を盛り上げることになった。

 それでは、主な上場馬を御紹介しよう。まずは、間違いなくバイヤーたちの視線を集めそうなのが、前段で御紹介したセール出身G1馬たちの弟だ。

 上場番号8番は、仏1000ギニー馬トレストレラの半弟。父ロミタスは、独ダービー馬ベレナスや、アーリントンミリオンを制したシルヴァーノらを出している、ドイツのトップサイヤーである。上場番号109番は、仏ダービー馬ブルーカナリの半弟。父は、自身は短距離G1ジュライCの勝ち馬でありながら、種牡馬として仏ダービー馬アナバーブルーらを出しているアナバー。

 この他にも、カタログにはG1勝ち馬の弟・妹が目白押しである。上場番号20番は、アメリカのG1ホースで、種牡馬としても大成功しているデヒアの半妹。父は欧州の巨魁サドラーズウェルズだ。上場番号23番は、フランスの2歳牝馬女王決定戦G1マルセルブーサック賞勝ち馬アモニータの半妹。父はこれが最終クロップとなるデインヒル。上場番号25番は、アーリントンミリオンやシンガポールのインターナショナルCを制したシルヴァーノの全弟(父ロミタス)。半兄(父アカテナンゴ)に、チャーリーウィッティンガムHなどG1・3勝のサビアンゴもいる。上場番号39番は、G1バイエリシェスツフトレネンや独2000ギニーを制したタールケーニヒの半弟。父はG1チーヴァリーパークS勝ち馬シーズアンを筆頭に、2歳戦で多くの勝ち馬を出しているザイーテン。上場番号141番は、ハリウッドターフCなどG1・2勝のスーパークエイカスの半妹。父は今年の2歳が初年度産駒となる期待の若手種牡馬キングズベスト。上場番号225番は、G1サンタラリ賞を制し、G1ヴェルメイユ賞でも2着となったレーヴドスカーの全弟(父ハイエストオナー)。ちなみにレーヴドスカーは現在日本にいて、昨年のJRHAセレクトセールで父ファンタスティックライトの牡馬が6200万円で購買されている。上場番号227番は、G1ジュライC勝ち馬オウイントンの半妹。父は世界各国で活躍馬を輩出しているスーパーサイヤー・デインヒル。

 日本関連では、上場番号7番が、ドーヴィルセール出身でG2青葉賞を制したルゼルの半弟だ。父は、英2000ギニーを制したキングマンボの有力後継馬キングズベストである。

 母が名牝という馬たちにも、当然のように注目が集まる。上場番号19番の牝馬は、母が仏オークス馬シルシラ。父は、英国の2歳王者決定戦デューハーストS勝ち馬で、この世代が初年度産駒となるディスタントミュージック。上場番号212番の牡馬は、母がBCターフ勝ち馬ミスアレッジド。父はフランスのリーディングサイヤー・ハイエストオナー。上場番号248番の牡馬は、母がG1ロワイヤルオーク賞勝ち馬レッドローゼスストーリー。父は、シンダー、グランデラといったチャンピンホースを輩出しているグランドロッジだ。

 セッションは、初日と3日目が夕方5時30分スタート。一方、2日目は午後2時、最終日は午前11時スタートとなっている。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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