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戸崎圭太騎手(1)『リーディングジョッキー戸崎騎手の“2015年重大ニュース”』

  • 2016年01月11日(月) 12時00分
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▲新春特別インタビュー!ゲストは年男・戸崎圭太騎手


新春特別インタビュー。ゲストは戸崎圭太騎手です。中山金杯当日、今年最初の騎乗を終えた戸崎騎手を直撃。2年連続リーディング獲得、海外初参戦初勝利など、今最も旬のジョッキーが、2015年を振り返るとともに、さらなる高みを目指す2016年の抱負を語ります。(取材:赤見千尋)


「まだまだピュアだな」と感じた瞬間…


赤見 2015年はリーディングに海外に駆け抜けた一年だったと思いますが、年末年始はゆっくりできましたか?

戸崎 年末は一泊で温泉に行きまして、年越しは妻の実家で迎えました。2日までのんびりさせてもらいましたね。

赤見 まとまってゆっくりできることって、なかなかないですよね。

戸崎 まあ、どうしてもそうですね。ただ、今年は凧揚げをやったんですけど、それがすごく良かった。風を掴むっていうか、あれがすごく楽しかったです。

赤見 えっ? 子どもたちと一緒にですか?

戸崎 そうそう。電線のない田んぼでね。「凧揚げ?」って思いますでしょう? ぜひ今度やってみてください。ものすごく良いですよ。

赤見 確かにやったことないです。なんでまた、凧揚げだったんですか?

戸崎 子どもたちがずっと家の中で遊ぶのも可哀想だなって、義父が買ってくれていたんです。日本人らしくていいですよ。あの風を掴む感じが感激でした。

赤見 お正月らしいですね。子供たちよりお父さんが楽しんでたんじゃないですか(笑)?

戸崎 そうだと思います。「まだまだピュアだな」って思いました(笑)。

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▲「子供たちよりお父さんが楽しんでたんじゃ」「そうだと思います。まだまだピュアだなって思いました」


赤見 永遠の少年ですね。そう言えば、今年年男なんですよね。さて、早速ですが、2015年の戸崎騎手的“重大ニュース”を3つ挙げていただきたいのですが、まずは2年連続のリーディング獲得ですよね。おめでとうございます。

戸崎 ありがとうございます。昨年に関しては、福永さんが怪我をされたのもあって、正直複雑な気持ちもあるのですが、獲れたこと自体は素直にうれしいです。ただ、自分1人で達成できることではないので、ファンの皆さん、関係者の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

赤見 2年連続って、なかなかできないですよね。

戸崎 そうですね。でも一度獲ったからには、続けて獲りたいというのはありました。昨年の出来事の中で一番刺激になったのは、海外で勝てたことですね。

赤見 12月9日に行われた香港国際騎手招待競走(ロンジン・インターナショナル・ジョッキーズ・チャンピオンシップ)ですね。海外自体は?

戸崎 ほぼ初めてです。プライベートで小さい頃に1回行ったことはあるんですけど、それっきりですし、騎手として行くのはもちろん初めてでした。どんなものなのかなと思ってたんですけど、ハッピーバレー競馬場のコースはすごかったですよ。アップダウンもありますし、すごくトリッキーな感じ。円のような形なんです。

赤見 円!? 地方競馬に近いイメージですか?

戸崎 そうですね。地方競馬をギュッと凝縮させたような感じです。1戦目はさすがに戸惑いましたけど、普段体験できないことなので、そういう意味ではすごくおもしろかったです。2戦目からはだいぶ掴めました。

赤見  4戦して、3着1着9着5着。海外初参戦で初勝利。これはすごいですね。

戸崎 しかも、同着っていうね。なかなかないですよね(笑)。海外というアウェイの中でしたが、素晴らしい騎手たちに囲まれて競馬ができました。ワールドスーパージョッキーズシリーズで一緒に乗った騎手もいたので、少しは気も楽にいられましたし、貴重な経験ができてものすごく楽しかったです。

自信が持てたGI勝利


赤見 そう言えば、以前から英会話を習っていますよね?

戸崎 2年くらいですかね。それなりに長くはやってるんですけど、実力はまだまだ…。それでも、香港では意外とコミュニケーションが取れたんですよ。

赤見 練習の成果が出ましたね。

戸崎 日本だと、照れもあってなかなか思い切って話せないんですけど、海外に行くと気持ちがオープンになりますよね。「意味が分からない」っていうジェスチャーをされながらも、めげずにどんどん話しかけてました。

赤見 ちなみに英会話を習っているのは、いつか海外に行きたいという思いからですか?

戸崎 というより、日本にこれだけたくさんの海外の騎手が来るので、せっかくなら会話したいと思ったんです。ライアン・ムーア騎手とか、世界のトップジョッキーが身近に来るわけですから、直接自分の言葉で話が出来たらいいなって。

赤見 戸崎騎手はいつもポジティブですよね。では、重大ニュースの3つ目をお願いします。

戸崎 ストレイトガールでスプリンターズSを勝てたことです。初めて乗せていただいたのがヴィクトリアMで1600mだったんですけど、その後に、これまでずっと使って来た1200mでGIを勝てたっていうのが良かったなと思いますね。

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▲ヴィクトリアMに続き、スプリンターズSも制覇(撮影:下野雄規)


赤見 昨年はこの馬でGI2勝。戸崎騎手にとっても、年間2つの中央GIは初めてですよね。

戸崎 そうですね。馬自身がちょうど充実している時に、タイミング良く乗せていただきました。すごく素直でフットワークも軽いですし、競馬がすごく上手なんです。乗っていて自信を持っていける馬ですね。

赤見 GIを人気馬で勝つっていうのも、大きいんじゃないですか?

戸崎 そうですね。人気で勝ててないというのは自分でも感じていたので、ここでしっかり勝てたのは良かったです。この馬との出会いは本当に大きい。香港スプリントにも連れて行ってもらいましたしね。結果的には悔しい思いをしましたけど、大きな経験がまたひとつ増えました。

(次回へつづく)

東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。

赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。

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