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アプローズラウド(牝 栗東・森秀行 父ダイワメジャー、母タイキアプローズ)
半兄サミットストーン(父ロージズインメイ)は浦和記念(JpnII)を勝ち、東京大賞典(GI)、川崎記念(JpnI)でも3着となった活躍馬。サミットストーンの1歳上となる半兄ブルロック(父スペシャルウィーク)はダートでOPクラスまで出世した。母タイキアプローズはタイキシャトルと配合構成が8分の7まで同じ。ただし、タイキシャトルの軽さはなく、母の父Devil's Bagのパワーが強く影響を与えているように見受けられる。「ダイワメジャー×タイキシャトル」はコンスタントに勝ち上がっており、それと似た配合構成の本馬はおもしろい。ただし、母はパワーを伝えているので、兄と同じくダートのほうがいいかもしれない。距離はマイル前後が良さそう。
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ラヴアンドドラゴン(牝 栗東・藤原英昭 父ディープインパクト、母ラヴアンドバブルズ)
ダービー馬ディープブリランテ、フラワーC(GIII)2着馬ハブルバブルの全妹。Mr.ProspectorとNureyevの組み合わせや、LyphardとBustedのクロスなど、好パターンが詰め込まれている。ディープブリランテは一生懸命走りすぎるところがあり、そうした気性面の弱点を抱えながら日本ダービーを制しており潜在能力は高い。少し体質の弱さが垣間見える血統だけに、デビューが遅れ気味なのはそうした問題があるのではないかと心配になるが、杞憂に終わることを祈りたい。ハブルバブルは2月27日のデビューで桜花賞とオークスに駒を進めた。素質があればまだクラシックは間に合う。
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ルルヴェ(牝 美浦・鹿戸雄一 父ワークフォース、母バレエプラン)
ダート戦を勝ち上がり準OPまで駒を進めたアルディエス(父キングカメハメハ)の半妹。母は2勝馬で、その4分の3兄弟にゴールドアリュール(最優秀ダートホース)やゴールスキー(14年根岸S-GIII)がいる。父ワークフォースは現役時代に英ダービー(英G1)、凱旋門賞(仏G1)などを制した名馬で、父系はキングズベストを経てKingmamboにさかのぼる。Sadler's Wells、Allegedという重厚な血を抱えた典型的な欧州芝2400m血統。今年の3歳世代が初年度産駒となる。母方にNureyevを持つ配合はクィーンズベストを出すなど成功しているので期待できそうだ。パワフルなニキーヤ牝系に属しているのでダート向きの可能性もある。
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レッドイリス(牝 美浦・二ノ宮敬宇 父ステイゴールド、母レインボーフェロー)
「ステイゴールド×メジロマックイーン」の組み合わせは、ドリームジャーニーとオルフェーヴル兄弟、ゴールドシップ、フェイトフルウォーを出している有名なニックス。ただし、これらの成功を受けて作られた若い世代は、かなりの数がデビューを果たしたものの、現時点では活躍馬がほとんど出ていない。“黄金配合”といわれたニックスもこのところ少々色褪せてきた感がある。この配合の活躍馬はすべて牡馬なので、牝馬である本馬は成功パターンから外れているが、ノーザンテーストのクロスを持つ点はドリームジャーニーとオルフェーヴルの兄弟と同じ。配合的には面白みがあるので期待したい。芝向きの中距離タイプ。
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レッドヴァローレ(牝 栗東・笹田和秀 父ステイゴールド、母タッチオブゴールド)
ゴールドアグリ(父タニノギムレット/06年新潟2歳S-GIII)の半弟。母タッチオブゴールドはこのほかに、フラムドール(準OP)、エアラギオール(1000万下)を産んでいる。母の「ヘクタープロテクター×ノーザンテースト」という組み合わせは素軽いマイラー配合で、手堅いスピードをコンスタントに伝えている。父ステイゴールドはMr.Prospectorとの相性がいいとはいえないが、牝馬の場合はさほど気にする必要はない。本馬はノーザンテースト4×3という力強いクロスを持っているので線の細さはなく、父の代表産駒ドリームジャーニーとオルフェーヴルの兄弟は本馬と同じノーザンテースト4×3だ。芝向きのマイラー。