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キシュトーークU25 “2015年最多勝利新人騎手”『鮫島克駿ジョッキー』第2回

  • 2016年02月10日(水) 18時00分
前回に引き続き、去年を振り返っていただきます


前回に引き続き、去年を振り返っていただき、印象に残っているレースや騎乗停止になったことなどを語っていただきます。
(取材・文/大薮喬介)


騎乗停止中はずっとそのレースのことを考えていました

――2勝目は4月5日の阪神12R・4歳上1000万下でしたが、この時に騎乗したサンライズネガノは陽春S(2着)、北陸S(3着)など、その後も1600万の特別戦でコンビを組んでいますよね。

鮫島駿 思い入れのある馬の1頭です。準オープンの特別戦で人気になるような馬に騎乗する機会はなかなかないので、いい経験をさせていただきました。デビューしたばかりの僕に騎乗依頼をくださった安田隆先生には、本当に感謝しています。サンライズネガノに初めて乗ったのは、1000万を勝つ前の攻め馬で、スピードとパワーを兼ね備えた馬だな、というのが最初の印象でしたね。7か月半ぶりで12番人気でしたが、十分やれる感触はあったんです。実際、レースでも馬なりでハナに立てましたし、直線も止まらず、完勝でした。実はこの日、佐賀の友達2人が阪神競馬場に来てくれていたので、すごくこのレースのことを覚えているんです。

――わざわざ、佐賀から来てくれたんですか?

鮫島駿 いや、高校を卒業して進学で関西に来ていたんです。ただ、そうはいっても毎週来られるわけではないじゃないですか。それが、たまたま競馬場に応援に来てくれた日に勝ったところを見せられたのが、すごくうれしくて。来るとは聞いていたんですが、本当に来てくれたかわからなくて、ウィナーズサークルで会った時は本当にうれしかったですね。

――それは思い出に残るレースですね。他に印象に残っているレースはありますか?

鮫島駿 アスターストームで勝った10月24日の妙高特別も印象に残っています。3月に2着にきたあと、次の4月にも乗って11着に負けたんですが、5月も騎乗する予定だったんです。それが騎乗停止になってしまって…。その時に古川先輩が騎乗して500万を勝ったんですよね。アスターストームの武田先生は赤白帽(競馬学校生)の時から、ほぼ毎日攻め馬に乗せていただいていて、今年の2月に引退されますし、なんとか武田先生の馬で勝ちたいと思っていたんです。

――この時も12番人気でしたね。

鮫島駿 人気はなかったですが、追い切りに乗った時に状態がよかったので、自信はありました。逃げか番手を取ることができればいい勝負をしてくれると思っていたので、スタートは決めたいなと。実際、ロケットスタートを切ってくれたので、「よしっ!」と思いましたね。

――先ほども話に出ましたが、5月3日の新潟3R・3歳未勝利ではコロマンデルに騎乗して1着も斜行して騎乗停止になりましたよね。斜行した時はどのような感じだったのですか?

鮫島駿 その瞬間は気づかなくて、後からVTRを観たら、4コーナーで斜行していて…。ケガはなかったんですが松若先輩を落馬させてしまい、本当に申し訳ないことをしました。1番人気でしたし、戦績も2着、3着ときていたので勝たなければいけないレースだと思って、あせりというか、勝ちたい気持ちが強すぎたのかもしれません。終わった直後に周りのジョッキーの方々にも聞いて、裁決の方にも聞いて、あそこでもっとジッとしておけばよかったとすごく反省しました。騎乗停止中も、ずっとこのレースのことを考えていましたね。

――その騎乗停止になった5月は、同期の加藤祥太ジョッキーが7勝を挙げる活躍でしたが、あせりはありませんでしたか?

鮫島駿 同期には負けたくないという思いはありましたが、あせりはありませんでした。この時点で7勝差だったので、加藤が北海道で、僕が小倉の予定だった夏が勝負だなと思いましたね。

――実際、その通りになりましたね。7月に4勝、8月に5勝を挙げて、8月が終わる頃には鮫島駿ジョッキーが17勝で、加藤ジョッキーが18勝と1勝差まで詰め寄っています。

鮫島駿 ただ、夏の小倉は6週あって5勝ですよね? 1週に1勝のペースなので悪くはないですし、周りからも調子がいいなって言われていたんですが、自分としては騎乗数のわりに勝っていないなという印象だったんです。人気になるような馬にも多く騎乗させていただいていたので、もっと勝たないといけないとずっと思っていました。全然ダメだなって。

――周囲は調子がいいと思っているのに、ご自身はそうは思っていなかったんですね。

鮫島駿 勝ちたい、勝ちたいという気持ちが先行しすぎて、競馬が荒くなっていた時期もありましたし、決して流れはよくなかったんです。加藤との差が1勝差になったといっても、加藤が7月に1勝、8月に2勝だったから追いついただけで、僕としては満足できる結果ではありませんでした。9月も2場開催になって北海道や新潟にいたジョッキーの方々も戻ってきて、もっと勝てなくなって。ホンマに勝てないなと。このときが一番あせりましたね。数字の目標にしていた30勝もできないんじゃないかなって。

――30勝といえば、最多勝利新人賞の当確ラインですよね。やはり、新人賞を意識されていたんですね。

鮫島駿 やはり、1年目にしか獲れないタイトルですから。だから、自分の中では最低でも30勝しなければいけないと思っていました。
キシュトーーク

やはり、1年目にしか獲れないタイトルですから


【次回のキシュトーークU25は!?】
同期であり、ライバルでもある加藤ジョッキーのことや、10月に8勝、11月に6勝、12月に7勝と快進撃を見せた昨年の後半についても聞いていきます。乞うご期待!

元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!

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