優駿スタリオンステーション展示会風景
ヘニーヒューズの配合権利を求めて、事務局には連日電話が殺到しているともいう。
今年の生産地における種牡馬展示会は、2月22日(月)の優駿スタリオンステーションで幕を閉じた。
優駿スタリオンの今年度の新種牡馬はカレンブラックヒル、タイセイレジェンド、トゥザワールド、ノーザンリバーの4頭である。種付け料は、カレンブラックヒルが受胎条件で70万円、出生条件で100万円。タイセイレジェンドが受胎20万円、出生30万円。トゥザワールドが受胎30万円、出生50万円。ノーザンリバーが受胎20万円、出生30万円となっている。新たに種牡馬としてデビューする上で種付け料の設定は誰しも悩みどころだが、一部の超有名馬は別として、どちらかというと馬主の思いの強さから、愛馬を男にしてやりたいと種牡馬入りした馬の場合は概して種付け料は低めに設定されている。
今年度の新種牡馬カレンブラックヒル
今年度の新種牡馬タイセイレジェンド
今年度の新種牡馬トゥザワールド
今年度の新種牡馬ノーザンリバー
また新入厩馬として、サウンドボルケーノ、今年産駒がデビューするトビーズコーナー(日高スタリオンより移動)、プリサイスエンドの3頭も併せてお披露目された。
午前11時より始まった展示会には、かなり多くの人々が集まった。展示は繋養されている種牡馬全20頭で、新種牡馬4頭と新入厩馬3頭がまず紹介された後、ザサンデーフサイチ、サンカルロ、カフェラピード、サムライハート、スターリングローズ、キングヘイロー、ローレルゲレイロの順で登場。その後、ロジユニヴァース、フサイチセブン、エスポワールシチー、ベーカバド、カネヒキリと続いて、最後に登場したのがヘニーヒューズである。
改めて触れる必要もないくらいに、日高で繋養されている種牡馬の中で今最も注目を集めている1頭がこの馬だ。
ちょうど、この展示会の前日、東京競馬場で今年JRAでは初めてとなるGI競走「フェブラリーステークス」が行なわれ、アメリカ産馬モーニンが1分34秒0のコースレコードタイムでノンコノユメ以下を退けたのは周知の通り。そのモーニンの父がこのヘニーヒューズであり、交配シーズンを前に、これ以上ないタイミングの“援護射撃”となったのであった。
むしろ、かえって混乱を助長しかねないくらいの産駒の大活躍で、仄聞するところによれば、ヘニーヒューズの配合権利を求めて、事務局には連日電話が殺到しているともいう。
“日高で繋養されている種牡馬の中で今最も注目を集めている1頭”ヘニーヒューズ
今年の条件は受胎確認後300万円の支払いとなっているが、もちろんとうの昔に「満口」である。アジアエクスプレス、ケイアイレオーネ、ヘニーハウンドに続き、今回のモーニンと、数少ない外国産馬や持込馬の中から活躍馬続出とあっては、注目を集めないわけがない。2013年に輸入され、14年、15年と2シーズン供用されて、今年で3シーズン目を迎えるわけだが、本邦初年度の産駒は今年1歳であり、市場に産駒が上場されたらかなりの「目玉商品」になりそうだ。
先ごろ届いた「スタリオンレビュー2016」によれば、今年は168頭の繁殖牝馬が出産予定となっている。地元新冠を中心に、浦河から日高町までまんべんなく生産牧場が散らばっており、スクリーンヒーローと並んで、ひじょうに楽しみな種牡馬になった。
その中で、今年、ヘニーヒューズ産駒を最も多く生産する予定なのが、他ならぬノーザンファーム(25頭)なのは、さすが名門牧場という気がする。
ともあれ、今の日高にあっては、屈指の注目種牡馬であり、来年以降に大量にデビューしてくる国内産馬の活躍が待たれる。