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マカヒキを3連単のどこに置くか

  • 2016年03月01日(火) 12時00分


客観的な参考材料として新馬→オープン特別を連勝してきた馬を見てみよう

 弥生賞ではリオンディーズ×エアスピネルの再戦が注目されているが、そこに絡んでくるのがマカヒキである。新馬→若駒Sと連勝してきたこの馬が、GI連対馬たちにどこまで迫れるのか。ファンの側からしてみると、馬券的にはどの位置に置くのか。2強に割って入ることを想定するのか、アタマまで見込むのか……悩ましいところである。

 客観的な参考材料として、新馬→オープン特別を連勝してきた馬の3戦目というデータを今回は調べてみようと思う。対象は現4〜23歳の20世代。まずは、単純に新馬(折り返しは含まず)→オープン特別を連勝した馬を見てみよう。

 対象世代の新馬勝ち馬は、ちょうど6000頭。うち1345頭は昔の折り返し新馬勝ち馬なので、初戦限定だと4655頭。

 そのうち、2戦目でオープン特別を勝った馬は138頭。重賞を勝った馬は69頭。

 オープン特別勝ちの138頭の次走(つまりキャリア3戦目)は[22-22-19-74]で、回収率は単74%・複81%。おいしくもなければ積極的に消すほどでもない、ビミョーなところだ。ちなみに、新馬→重賞勝ち馬の3戦目は[14-9-8-38]で単81%・複69%とこちらも微妙。

 もうひとつ問題は、時期と距離がまちまちでありすぎることだ。例えば、新馬→フェニックス賞→小倉2歳Sと、新馬→若駒S→弥生賞ではニュアンスが違いすぎる。

 そこで、新馬も2戦目のオープン特別も芝の1800m以上に限定するとどうなるか。まず、対象世代の芝1800m以上新馬勝ち馬が830頭。その次走で芝1800m以上のオープン特別を勝った馬は29頭。同じく重賞だと12頭。

 29頭の「3走目」は[4-4-5-16]。フサイチコンコルドのダービーが効いて回収率は単複ともプラスなのだが、同馬を除くと単20%・複81%になってしまう。

 それでも、マカヒキには2、3着要員としての魅力はある。このパターンで1番人気に推された馬は[2-1-2-4]で単34%・複63%なのだが、2番人気だと[1-2-3-3]で単27%・複128%。人気になる馬の陰に隠れて出走できるのは良い。

 ちなみに、芝1800m以上どうしで新馬→重賞連勝だと、3戦目は[7-3-0-2]。シャイニングレイとアダムスピーク(ともに弥生賞)以外はすべて連対している。これとオープン特別組を比較した場合、やはりオープン特別組を過大評価しすぎるのも良くないのだろうということが推測できる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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