フィリーズR一本勝負ナタリーバローズ/トレセン発秘話
◆角田調教師「前走は急仕上げでの出走だったことを考えれば、よく走った」
「アンバルブライベンを見てもらったら分かると思うけど、ウチの厩舎は走りだしたらめったに乗り役は替えないよ」
福島調教師のこんな言葉を聞くと、ちょっとホッとした気持ちになる。
仮に目立つミスはしていなくても突如、外国人騎手に乗り替わってしまうのが最近の流れ。それこそ一度でもミスをすれば、問答無用で「チェンジ」となってしまう。
冒頭のアンバルブライベンはデビュー5戦目から24戦連続で田中健が騎乗。このコンビで重賞2勝を含む7勝と素晴らしい成績を残した。まさに人馬一体。詳細は吉田先輩のコラムで触れているので譲るが、そんな福島調教師だからこそ、フィリーズレビューとアネモネSの両にらみをしているダイアナヘイローの鞍上は「どっちに行っても国分優」なのだ。
このように結びつきが強いタッグほど心情的には応援したくなるものだが…。一方で結果を出すのは常に外国人騎手という現実がある。シビアに馬券を買うなら、こちらを選択せざるを得ないのもまた最近の流れ。いったい、どう折り合いをつければいいのか…。
ダイアナヘイローと同じ、賞金400万円の抽選対象ナタリーバローズはフィリーズR一本に絞っての登録。鞍上に“重賞請負人”M・デムーロを押さえているのは見逃せない。
「前走の500万(2着)は急仕上げでの出走だったことを考えれば、よく走った。幸いレース後のダメージもなかったし、今度はいいところでしょう」と角田調教師。
よくよく見れば、このナタリーバローズ、デビューからずっとデムーロが騎乗。これなら人馬の結びつきもあって、かつ結果を出す外国人騎手と、取り巻くシチュエーションは申し分ない。早くも本命候補が決まりかけている坂路野郎である。
(栗東の坂路野郎・高岡功)