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今年、「リピート好走」は望み薄?

  • 2016年03月22日(火) 12時00分


スプリントGIというと複数回好走する馬が多い印象だが、具体的な数字は…

 エアロヴェロシティ突然の回避で個人的にヘコんでいるところだが、ならば日本馬から候補を探さねばならない。

 スプリントGIというと、まず考えたいのがリピーターによる好走。選手層の厚さが中長距離ほどでないせいか、複数回好走する馬が多い印象がある。

 具体的な数字はどうなのか。スプリンターズSがGIに昇格して以降のデータを振り返ると、スプリントGIの1着馬がその後にまたスプリントGIに出走してきたケース(GIを複数回勝った馬がその後出たレースは重複して数えない)は、[9-8-9-35]。回収率は単76%・複80%で、フツーといえばフツーである。

 ただ、単勝15倍以上の人気薄(=近走で好走していない)や、6歳以上になっていた馬たちが全体の指標を引き下げている感があり、「単勝15倍未満かつ5歳以下」だと[8-5-4-12]、回収率は単146%・複104%となる。

 スプリントGIの2着馬を対象に同じ手順を踏むとグループ全体の回収率はもう少し高いのだが、スノードラゴンとナルシスノワール(92年スプリンターズS)だけで上がっている面がある。

 さらに3着馬を始点にすると全体的に指標が悪く、特に7歳以上で馬券に絡んだ馬は1頭しかいない。

 今回、スプリントGIの1着経験馬はスノードラゴンだけで、同馬は8歳。2着ならある馬はハクサンムーンとサクラゴスペルで7、8歳。3着ならある馬はミッキーアイルとウキヨノカゼで5、6歳。こうしてみると今回リピーター系はやや高齢に偏りすぎている印象もあり、ここは「新ネタ開拓」に注力すべき場面という気がする。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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