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父はスクリーンヒーロー、グァンチャーレの全弟クリノハーレフ

  • 2016年03月23日(水) 12時00分
【3歳】
ウォーターマクベス(牡 栗東・吉村圭司 父ゴールドアリュール、母ウォーターレディー)
 母ウォーターレディーは出走歴こそないものの、ダート短距離路線で長きにわたって活躍したウォーターバロンの半妹にあたる。4代母Born a LadyはNorthern Dancerと年齢差が20歳ある末の妹で、この馬を経由した活躍馬には日本ダービー(GI)3着馬アントニオバローズ、フラワーC(GIII)2着馬レディボナンザなどがいる。本馬と同じ「ゴールドアリュール×グラスワンダー」の組み合わせは過去スマートイーグルのみデビューし、同馬はダート中距離で1000万条件まで出世した。相性は悪くない。本馬もダート中距離で堅実に活躍しそうだ。

エイシンミコノス(牡 栗東・沖芳夫 父マンハッタンカフェ、母オレゴンガール)
 全兄エーシンモアオバーは軽快な逃げ脚を武器にダート重賞路線で活躍し、名古屋グランプリ(JpnII)[2回]、白山大賞典(JpnIII)[2回]などを制覇した。母オレゴンガールはカナダ産の外国産馬で、ダート短距離を得意とし、OPクラスまで上り詰めた。父マンハッタンカフェはMr.ProspectorとNijinskyの組み合わせを持つ繁殖牝馬と相性がよく、このパターンからイコピコ、レッドアゲート、サンディエゴシチー、メイショウレガーロ、マンハッタンスカイなど多くの活躍馬が出ている。同じく全兄のエイシンハドソンはダートの新馬戦を勝ち上がったものの、その後は芝路線に鞍替えして1000万条件まで出世した。基本的にはダート向きだと思われるが、芝でやれる可能性も残している。

クリノハーレフ(牡 美浦・天間昭一 父スクリーンヒーロー、母チュウオーサーヤ)
 父スクリーンヒーローは現役時代、ジャパンC(GI)とアルゼンチン共和国杯(GII)を勝ち、天皇賞・秋(GI)でも2着に食い込んだ。種牡馬としてはレベルが高いとはいえない繁殖牝馬を相手に、モーリス(15年香港マイル-香G1、15年マイルCS-GI、15年安田記念-GI)、ゴールドアクター(15年有馬記念-GI)、ミュゼエイリアン(15年毎日杯-GIII)、グァンチャーレ(15年シンザン記念-GIII)などの活躍馬を送り出している。モーリスは2015年のJRA年度代表馬に輝いた。いま最も注目を集める種牡馬といえるだろう。2016年の余勢株(購入すると1年のみ種付けできる権利が与えられる株)は500万円で取引された。本馬はグァンチャーレの全弟なので期待十分。この時期に馬名登録されたように仕上がりはやや遅れているものの、美浦に入厩して順調に稽古を積んでおり、デビューしてくれば初戦から注目したい。

ショウナンガナビー(牡 美浦・大竹正博 父マンハッタンカフェ、母ショウナンラノビア)
 母ショウナンラノビアはヴィクトリアマイル(GI)3着など7歳まで息の長い活躍をした。5代母アサマユリはメジロデュレンとメジロマックイーンの兄弟や、メジロファントム、メジロトーマスなど、「メジロ」の冠号がつく名馬を多数産み出したことでも知られている。しかし、00年以降は「ショウナン」が目立ってきており、ショウナンカンプ(02年高松宮記念-GI)、ショウナンタキオン(05年新潟2歳S-GIII)などが重賞を勝っている。「マンハッタンカフェ×フレンチデピュティ」はサンプルが少ないこともあってこれといった大物が出ているわけではないが、勝ち上がり率が高く、産駒はコンスタントに活躍している。本馬も芝中距離で手堅く走ってきそうだ。

ニシノハナムスメ(牝 美浦・上原博之 父ディープインパクト、母ニシノフジムスメ)
 2代母ブランドアートは不良馬場のフラワーC(GIII)を道中2番手から押し切った。繁殖牝馬としてもまずまず優秀で、OPまで出世したニシノプライド、オークス(GI)5着、新潟2歳S(GIII)2着など重賞で好成績を残したニシノフジムスメ、ジュニアC(OP)を勝ったニシノコマンドなどを出している。本馬の母ニシノフジムスメはキングヘイローの子。キングヘイローはDrone≒Halo≒Sir Ivor 3×2・3という特殊な配合構成を持っており、現役時代に高松宮記念(GI)を制した。父ディープインパクトはHalo≒Sir Ivor 2×4なので、本馬はDrone≒Halo≒Sir Ivor 3・5×4・5・5という大胆な配合構成。この組み合わせは過去1頭もデビューしていないので、どんな産駒が出るのか興味深い。芝中距離タイプだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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