▲現地でのホッコータルマエ、決戦の時を静かに待つ
現地26日(土)にドバイ・メイダン競馬場で行われるドバイワールドカップ。国内GI10勝を誇るホッコータルマエが、3年連続でこのレースに挑みます。招待状がなかなか届かないというハプニングはあったものの、現地での調整は順調。世界一への手応えを感じていると言います。最終追い切りを終え、レースを間近に控えたいま、幸騎手、西浦調教師、担当スタッフが、それぞれの熱い想いを語ります。取材:安藤裕(元ジョッキー。通訳、海外遠征のレースコーディネーター。ホッコータルマエ陣営の遠征サポートを手掛けている)
幸騎手「希望の枠で、理想の競馬ができる」
▲2016年の川崎記念でGI10勝目をマーク(撮影:高橋正和)
――いよいよ3度目の世界挑戦です。ここに来るまでにGIを10勝。これだけの馬になると想像していましたか?
最初は思ってなかったです(笑)。まずはひとつでもGIを勝つこと、と思っていましたので。ドバイ挑戦というのも、最初は信じられないくらいでした。
――1回目の2014年は、初めてのタペタ(オールウェザー)で16着。2回目は果敢に攻めて行っての5着。横の車を見ながら走っていて、苦しかったですけど、いい競馬だなって思ったんです。
そうですね。物見をしなかったら、もうちょっといい着順に来たんじゃないかなと思うので、そういう意味では悔しい競馬でした。今年は、真ん中より外という希望の枠(8番枠)に入れたので、理想の競馬ができるのかなって思っています。
――騎手目線で、タルマエは何がストロングポイントですか?
弱点がないのがストロングポイントだと思います。折り合いも付きますし、乗ってるジョッキーの言うことをなんでも聞きます。全体的な平均点が、すごく高いところにあると言いますか。
――タルマエとドバイに来ることは、幸騎手にとってどんな意味がありますか?
僕は本当にいい経験をさせてもらってると言いますか。1回でも来られることってなかなかないと思うんですけど、それを3年連続なので。感謝しかないですね。ジョッキーとしても、ドバイは魅力的なところです。レースもそうですし、ジョッキーも馬もすごいので、ここにいると気分も楽しいです。緊張もしますけどね。
――日本ではあんなにたくさんレースに乗ってて、鉄人じゃないですか。
あはは(笑)。たくさん乗せてもらっていますけど、ドバイは世界中からすごいジョッキーが集まっているので。ジョッキールームに入ると、そういうみなさんが目の前にいるので、緊張しますよ。
――最後に、いまのお気持ちをお願いします。
今年こそ勝ちたいです。去年よりも絶対にいい着順にきたいですけど、目標は勝つことですね。
――勝ったらみんなで、世界一の超高層ビル“ブルジュ・ハリファ”に登るんですよね(笑)?
はい。帰国を1週間くらい伸ばして、泣きながらみんなで登りましょうね(笑)。
相良厩務員「ひと言、絶好調です!」
▲現地のスタッフの力も借りて調整中、左が相良厩務員
――現地に着いてからのタルマエはいかがですか?
ひと言、絶好調です!
――3年連続のドバイ挑戦で、変化は感じますか?