武豊騎手に導かれラニがUAEダービーを快勝!(取材・文:斎藤修、写真:高橋正和)
日本から過去最多の10頭が遠征したドバイワールドCミーティングは、UAEダービーをラニが、リアルスティールがドバイターフを制して2勝。ドバイシーマクラシックに出走した期待のドゥラメンテは惜しくも2着だった。
水曜日以降、ドバイは好天が続き、馬場は絶好の状態。それゆえ芝もダートもスピード競馬となった。ダートで行われた5戦のうち、UAEダービーを除く4戦がレコード決着(純血のドバイカハイラクラシックはタイレコード)、芝では4戦のうち、ドバイターフ、ドバイシーマクラシックでコースレコード更新となった。もちろん世界から超一流馬が集結したということもあるが、特にダートコースは昨シーズンにオールウェザー(タペタ)からダートに改修されての2シーズン目だけに、馬場が落ち着いてきたという面もあっただろう。
日本調教馬が出走した最初のレースは、第3レースのドバイゴールドC(芝3200m)。道中は縦長の展開となり、前2頭からはやや離れた3番手を追走したネオブラックダイヤは、500mの直線に入ってのヨーイドンの競馬に遅れをとって8着だった。勝ったのは、後方集団追走から直線外からまとめて差し切ったヴァジラバド。フランスの4歳せん馬で、これでデビュー3戦目の初勝利から6連勝。前走では3100mのG1ロイヤルオーク賞を勝っていたという実績馬。2番手追走からクビ差2着に粘ったのはイギリス調教のビッグオレンジで、前走がG1メルボルンCに挑戦して5着。離れた3着にゴドルフィンのハーファギニーで、芝長距離のカテゴリーは、やはりヨーロッパ調教馬の層が厚い。
UAEダービー(ダ1900m)は、7頭立ての少頭数で、そのうち3頭が日本からの遠征馬。しかし地元新聞の記者の予想を見ると、日本馬は蚊帳の外という扱いだった。期待のラニが前走ヒヤシンスS5着で、ユウチェンジ、オンザロックスはともに1勝馬ということでは、その評価も仕方ないものだっただろう。
注目となったのは牝馬のポーラーリバー。昨年末にメイダンでデビューしてここまで4連勝。リステッドのUAE1000ギニー、G3のUAEオークスから変則3冠がかかっていた。
スタートで躓いたラニが1頭だけ後方に取り残された