【2歳】
●ルイ(牡 栗東・森秀行 父Into Mischief、母Tipsy At Midnight)
　父Into Mischiefは現役時代、キャッシュコールフューチュリティ(米G1)など6戦3勝(2着3回)。女傑Beholder(G1を9勝し、米2歳、3歳、古牝馬チャンピオンに輝く)の半兄にあたる良血で、種牡馬成績も上々。Goldencents(13、14年BCダートマイル-米G1、13年サンタアニタダービー-米G1)、Vicar's in Trouble(14年スーパーダービー-米G2など重賞3勝)、Vyjack(13年ケルソH-米G2など重賞3勝)などを出し、これまで日本で走った唯一の産駒アジアンテーストは6戦3勝の成績で準OP入りを果たしている。本馬は、母Tipsy At Midnightが北米5戦1勝ながら、その半兄Greeley's ConquestはフォアゴーS(米G1)2着馬で、2代母Tipsy Girlは米G3で2着の成績がある。ダート戦で手堅く走ってくるだろう。

●ロードバレット(牡 栗東・森秀行 父Malibu Moon、母Ravish Me)
　父Malibu MoonはSeattle Slew系のA.P.Indy産駒で、「A.P.Indy×Mr.Prospector」はTapitの父Pulpitをはじめ、Mineshaft、Congrats、Tempera、Tomisue's Delight、Accelerator、Little Belleなどの活躍馬が出ているニックス。競走成績は2戦1勝ながら良血(母、2代母がともに仏G1馬)を買われて種牡馬入りし、G1馬を次々と送り出して成功を収めている。日本でもオーブルチェフが全日本2歳優駿(JpnI)、北海道2歳優駿(JpnIII)を勝った。母Ravish Meは北米で25戦3勝。本馬の半姉にあたるFoxy Danseur(父Mr.Greeley)は米G3で2着、3着の成績がある。本馬はWeekend Surprise≒Personal Business 3×3なので配合的に面白味があり、ダート向きのマイラーとして出世しそうだ。

【3歳】
●ヴィリア(牝 栗東・矢作芳人 父ディープインパクト、母ファイトガリバー)
　母ファイトガリバーは現役時代、桜花賞を勝ちオークスでも2着となった名牝。繁殖牝馬としてはデビューした6頭のうち5頭が勝ち上がっており、OPクラスまで出世したペガサスファイト(父エルコンドルパサー)が出世頭。本馬の全兄ペガサスボスは毎日杯(GIII)7着などの成績がある。本馬を産んだとき母はすでに20歳。その点は多少割り引いて考える必要はあるものの、大種牡馬ディープインパクトと桜花賞馬ファイトガリバーの組み合わせだけに、うまく行けば上級クラスを狙える馬に成長してもおかしくない。芝向きの中距離タイプ。

●ザマーチャン(牝 栗東・石坂正 父ディープインパクト、母ジャジャマーチャン)
　母ジャジャマーチャンは不出走馬ながら、スプリンターズS(GI)など4つの重賞を制したアストンマーチャンの全妹にあたる。アストンマーチャンは現役中に病気で死亡してしまったので、全妹に掛かる期待は大きい。本馬の叔父で4分の3同血(父が同じで母同士が親子)にあたるオコレマルーナは現準OPの芝マイラー。2代母ラスリングカプスはWoodman産駒のスプリンターで、繁殖牝馬となってからは何を交配しても速い産駒を生んでいる。父ディープインパクトはスプリント色の強い繁殖牝馬との交配から、リアルインパクト、ドナウブルー＆ジェンティルドンナなどの大物を出している。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

●メイショウカイヒメ(牝 栗東・高橋義忠 父メイショウサムソン、母メイショウバトラー)
　母メイショウバトラーは10歳の暮れまで走り、通算で6億円以上の賞金を稼ぎ出した女傑。小倉大賞典(GIII)、プロキオンS(GIII)、シリウスS(GIII)、マリーンC(JpnIII)2回など重賞タイトルは「10」の大台に達した。11歳の春から生まれ故郷である静内の三木田明仁牧場で繁殖生活に入った。初年度産駒のメイショウタラチネ(父メイショウボーラー)はダートで2勝を挙げて現在1000万条件に在籍中。メイショウサムソンを交配して誕生した本馬は2番子。母の父メイショウホムラはブレイヴェストローマン産駒で、父の父オペラハウスはブレイヴェストローマンと相性抜群。好感の持てる配合なので期待できそうだ。ダート1800mがベストだろう。