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産経大阪杯の1人気をふつうに信じていいか?ダービー卿の1人気をふつうにナイガシロにしていいか?

  • 2016年03月31日(木) 12時00分


今週は池江厩舎に接近遭遇せざるをえない。

せざるをえないという言い方はよくないな。なんせ年頭に「今年も池江厩舎と角居厩舎との接近遭遇を大切にする」と誓ったからだ。
でも、せざるをえないという言い方にも情状の余地はある。なんせ池江厩舎の馬は人気になりやすいからだ。1人気になる馬は少し苦手だ。ちょっといじりにくい。
いや、いじりにくいという言い方はよくないな。1人気が危ないなら、危ない理由を書けばいいだけで、そのことに接近遭遇することは有意義なことでもあるからだ。

ああ〜よくわからなくなってきた。そう、今週は1人気を考えていたらよくわからなくなったのだった。以下、よくわからない問答でございます。

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産経大阪杯の1人気をふつうに信じていいか?ダービー卿の1人気をふつうにナイガシロにしていいか?
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とにかく、今週は池江厩舎に接近遭遇せざるをえない。
理由はもちろん、産経大阪杯にはラブリーデイを、ダービー卿にはサトノアラジンを出走させるからだ。どちらも人気だ。予想オッズではどちらも1人気になっている。

ラブリーデイ Mデムーロ
サトノアラジン ルメール

騎手も万全に思える。1人気もしょうがないし、1人気になっても大丈夫なように騎手を招聘したようにも思える(それだけじゃないんでしょうけど)。

そんなラブリーデイとサトノアラジンに全幅の信頼を置いていいのか?
置いていいような気もするし、置いちゃいけないような気もする。こういうどっちつかずな書き方はよくないな。でもしょうがない。

産経大阪杯の1人気成績はこの10年で、
4-3-2-1
4回しか勝ってないと取るなら、今ひとつに思えるけれど、9回も馬券圏内と取ると、安定感があると思える。
しかも1人気に外国人騎手は騎乗していない。すべて日本人騎手だ。それでこの成績。今回はMデムーロを配置することで、より勝利への確率を高めているようにも思える。
うむ、大丈夫だ!
Mデムーロ騎乗で、ラブリーデイの1着はより高まった!
産経大阪杯の1人気はふつうに信じていい!

ダービー卿の1人気の成績は、
2-1-0-7
こちらは産経大阪杯と比べるまでもなくひどい成績だ。ハンデ戦なのだから当たり前といえば、当たり前だ。しかし、こちらもまだ外国人騎手で1人気になったことはない。つまりルメールに騎乗してもらうことで、勝利への確率を高めているようにも思えるのだ(厩舎サイドにそのつもりはなくてもだ)。
うむ、大丈夫だ!
ルメール騎乗で、サトノアラジンの1着はより高まった!

いや産経大阪杯はともかくダービー卿は高まるにしても、勝率2割を倍の勝率4割くらいに高めるのがせいぜいかもしれない。いくらルメールだからって、ダメなときはダメだ。

たとえば、ダービー卿の1人気で馬券になった馬と、馬券圏外に敗れた馬の特徴の違いを見ると、サトノアラジンの心配ごとは払拭されないことがわかる。

ダービー卿1人気馬のハンデ
57キロ以上 0-0-0-7
57キロ未満 2-1-0-0

57キロ以上を背負って、馬券になった1人気馬は1頭もいない。
勝ったタケミカヅチは56キロ、2着したダイワマッジョーレも56キロだった。去年1着したモーリスは55キロだった。

サトノアラジンのハンデは57キロ。
この時点でアウト!だ。

おっと〜。
ルメールの腕がレースの宿命を乗り越えるか!?馬券から離れて傍観するだけなら、ここは面白どころだ。

こういう場合はルメールの重賞1人気での成績を拠り所にするにかぎる。

ルメールが日本で通年騎乗になった2015年からの重賞1人気の成績は、
4-7-1-2
勝率28.5% 連対率78.5% 複勝率85.7%

ルメールのこの期間での全体の勝率は20.5%で、連対率は36%。
連対を責任成就とするなら、重賞1人気のルメールは連対で相当頼りになることがわかる。

では着外2回はなんだったのか?

皐月賞 サトノクラウン 1人気6着
オーシャンS アルビアーノ 1人気5着

おっと、1人気での着外2回は中山じゃないか。
こうなるとルメールの中山重賞の1人気成績を追跡してみたくなる。

ルメールの中山競馬場の重賞成績(日本デビューした2002年以後)
2-6-1-27
勝率5.5% 連対率22.2% 複勝率25.0%

中山競馬場の重賞1人気成績
0-0-0-5

おっととっと、中山ではルメールのポテンシャルはそんなに高くないぞ。
ディープインパクトを撃破したハーツクライの有馬記念や先日の弥生賞でのマカヒキでの勝利とか印象深い勝利はあるけれど、あの2頭は1人気ではなかった。っていうか、その2頭でしか勝ってないよ。

ルメールは重賞1人気では「連対」で信頼を置けるけれど、中山ではその限りにあらず!?

通年騎乗で、中山力をあげているかもしれないけれど、重賞1人気での中山力をあげているかはまだわからない。もしかして中山のフルゲートでは、不利があったときの挽回がしにくい可能性もある。アルビアーノで5着に負けたときがそうだった。

ハンデ57キロの1人気馬の苦戦ぶり、ルメールの中山重賞の苦戦ぶり…………うむ、大丈夫だ。少し遠回りしたけれど、ダービー卿でサトノアラジンが1人気になったら、ふつうにナイガシロにしていい!

ちなみに57キロ以上で馬券になった馬はこの10年で、7頭いて、うち6頭が真ん中より前にいた。57キロ以上の馬は先行できないと苦戦する傾向が強い。4角10番手より後ろから差したのは1頭だけで、2着だった。
サトノアラジンは、傾向としては4角10番手より後ろにいることが多い。特に1600ではその可能性は高い。6走前に中山16で1着したときは4角8番手だったけれど、あのときは11頭立てだった。脚質でも心配ごとありというわけだ。

というわけで、こうなる。

産経大阪杯でラブリーデイが1人気になったら、信用する。
ダービー卿でサトノアラジンが1人気になったら、信用しない。

ふつうだ。実にふつうだ。ふつうすぎて、ひっくり返したくなる。
だからひっくり返せないように自分にダメ押ししてみる。

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池江厩舎でダメ押し
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池江厩舎はマイル以下の重賞成績がよくない。っていうか、出走そのものも少ない。このことはマイル重賞があるたびにちびちび書いてるけど、それをいつもより引き出してみる。

以下は池江厩舎の開業以来の重賞成績をマイル以下とマイルより長い距離で分けたもの。これを見ると、池江厩舎の馬選びの方針がよくわかる。
(期間は開業した2004年〜先週の2016年3月27日)

芝1700以上の重賞成績
48-32-31-199
勝率15.4% 連対率25.8% 複勝率35.8%
1人気成績 22-12-8-18
勝率36.6% 連対率56.6% 複勝率70%

芝1600以下の重賞成績
4-9-4-64
勝率4.9% 連対率16.0% 複勝率20.9%
1人気成績 0-3-0-6
勝率0% 連対率33.3% 複勝率33.3%

出走回数、成績ともにぜんぜん違う。
中距離で勝ち負けできる馬を優先して選んでいるのがよくわかるし、実際、成績もいい。ここからもラブリーデイへの信頼、サトノアラジンへの心配は高まる。

ちなみに芝1600重賞の成績は、
4-8-3-55
1600以下とほとんど成績は変わらない。そもそも1600より短い距離の芝の重賞にぜんぜん出走してないこともわかる。

この3年(13年〜15年)の芝1600成績は、
1-4-2-20
勝率3.7% 連対率18.5% 複勝率25.9%
連対率、複勝率は少し上がっているけれど、開業以来のマイル以下成績とあまり変わってないのがわかる。勝ったのはマイラーズCのワールドエースのみ。

う〜ん…まさにダメを押された感じだ。
さて、どうしよう。

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産経大阪杯注目馬
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産経大阪杯は3系大阪杯だった。
1人気と3の倍数人気の馬しか勝たないレースとして、長らく楽しんでいた。
しかし、ここ2年、勝ってるのは2人気(キズナ)と4人気(ラキシス)の馬。1と3の倍数人気の馬は勝てずにいる。アホになっているようだ。

では今年はどうか?Mデムーロ&ラブリーデイが1着で引き戻すか。
ただ今年のラブリーデイは次に香港のクイーンエリザベス2世Cが控えている。種牡馬としての箔をつけるなら、勝ちたいのは香港だろう。ほんの少し余裕を持たせた作りの可能性もある。ここで勝つためにMデムーロにしたのではなく、次の香港で勝つためにMデムーロを配置したと取りたい。

去年のラブリーデイはテリトリーの2000、2200では全部勝っていたけれど、去年は気がついたら、あれよあれよと勝ちまくっていた気がする。今年は目標のレースをきっちり定めて、仕上げていくのではないか。それが王者(G1ホース)になった馬への敬意だろう。

ならば、今年も1人気と3の倍数人気の馬はアホになると仮定してもいいのではないか。

2人気は予想ではアンビシャス。でもラブリーデイと1人気を争っている。有力予想者らの動向次第では1人気になるかもしれない。

一般的に1人気と接戦の2人気がいたら、2人気の方が勝つ確率は高いと思いこんでいるので、もし本当に接戦になるようなら、2人気の馬を買ってみたい。

1と3の倍数人気の馬は1着でアホになったと書いたけれど、3着以内では踏ん張っている。特に頑張っているのが6人気。今年の出走メンバーは7人気と8人気で人気が大きく分断されそうだ。つまり実質7頭立てのレースになる可能性があるということだ。こういうときは6、7人気の馬が頑張ることが多い。ならば、今年も6人気の馬に注目していいのではないか?

6人気になりそうなのは、ヌーヴォレコルトかタッチングスピーチかイスラボニータ。有力なのはヌーヴォレコルトかタッチングスピーチ。どちらも54キロで出走できるのがいい。ヌーヴォレコルトも香港遠征組で、余裕があるかもしれないけれど、54キロなのはいい。
イスラボニータはどうしたんだろう?もしかして1周する競馬に飽きちゃったのかな?だとしたらここも1周だ。飽きちゃったとしたいけれど、6人気になるなら買う。

ラブリーデイには超最大の敬意を払うけれど、馬券的には2人気と6人気の馬に注目してみたい。

注目馬
2人気の馬 1人気と接戦なら買う。
6人気の馬 タッチングスピーチかヌーヴォレコルトだといいな。

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ダービー卿注目馬
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1人気になったら、どうみても危なっかしいと思えるサトノアラジンだけど、だからこそサトノアラジンで間違いない!と言ってみたかった。

人気のダッシングブレイズは、前回内をついて落馬したから、今回は外を回すだろう。内枠などに入って、後方まで下げたら差して届かずもありえそう。
人気のキャンベルジュニアは堀厩舎得意の1600万条件1着からの参戦だけど、この馬は豪州産だから、もう少し経験が必要かもしれない。
穴で買いたい馬も軒並み賞金不足で除外対象。

これなら、サトノアラジンでも可能性はあるのではないか?ルメールも3戦続けて、惜敗つづきだから、今回は攻めの騎乗をしてくるかもしれない。攻めの騎乗とはいつもよりちょっと前につける騎乗だ。池江師は相手関係や馬場を見て作戦を練る知将でもある。そういう指示を出していても不思議ではない。

だからサトノアラジンをナイガシロにはしない!って言ってみたかったのだった!え?取り扱いがよくわからない?そう自分でもよくわからなくなったんであります。週末まではまだ時間がある。長考に入ります。

ダイワリベラル
人気馬が差して届かずならば、狙いたいのは先行できる馬。
ダイワリベラルは前走も期待したけど、思ったような走りではなかった。中山専用ホースなのかもしれない。だからもう1回期待してみる。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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