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【的場文男騎手SP】大井の帝王に質問!(1)『ズバリ、60歳まで活躍を続ける秘訣とは』

  • 2016年04月04日(月) 12時01分
おじゃ馬します!

▲的場文男騎手がnetkeibaユーザーの質問に答えます!


“大井の帝王”こと的場文男騎手が、今年の9月に還暦を迎えます。1973年のデビュー以来、大井リーディング21回。うち2度の全国リーディング。2013年には“鉄人”佐々木竹見元騎手(川崎、地方通算7151勝)以来、歴代2人目の地方通算6500勝を達成しました。そんな競馬界のレジェンドに聞いてみたいことを事前に募集(→記事はこちら)。皆さまからいただいたたくさんの質問に、丁寧かつ豪快に、的場節で答えていただきました! (取材:赤見千尋)


“勝ち”に向かっていけば頑張れる


赤見 今年の9月に還暦を迎えられるということですが、ご自身ではどんなお気持ちですか?

的場 今59歳、あと半年で60歳になるんですけど、「ここまで来たんだなぁ」という感じですね。43年間競馬に乗ってきて、振り返ればいろいろなことがありました。長かったような気もするし、あっという間だった気もします。

赤見 デビューした頃は、ここまで第一線でバリバリ乗られているとは?

的場 思いませんでしたよ(笑)。40歳ぐらいになったら調教師も考えなきゃいけないなって、そんなふうに思った時期もありましたから。「よし! 調教師になって、いい馬を育てるぞ!」って。でも、今はそんなことは考えてない。もうこの年ですからね。調教師になる気はないから、出来るところまで乗り続けるという感じです。

赤見 一生現役ですね!

的場 いやいや、もうあと何年乗れるかなというところですよ。「あと1年乗れるかな?」とかね。

赤見 えーっ!!

的場 いや、それは本当に。もうそんなですよ。1年、大げさに言えばあと半年乗れるのかって。ファンがいてくれるからね、もうちょっと乗っていようかなとは思うんですけど。ただ、若い騎手もたくさんいるでしょう。いつまでも僕がいると、邪魔になるんじゃないのかなって。自分がここまで乗っていていいものなのかなというのは、考えますよね。

赤見 そんなことは。的場騎手がいらっしゃるからこその大井でもありますし、若手との戦いも面白いです。さて、今回はファンの方から、的場騎手への質問を事前に募集しました。たくさん届いているので、早速お聞きしてもいいですか?

的場 もちろんですよ! みなさん、どうもありがとうございます。

『私の会社の50代から60代の先輩上司と比べると恐ろしいくらい若く見えます。若さの秘訣はありますか? (エピさん・男性)』

赤見 恐ろしいくらいにお若く見えるということですが!

的場 あはは(笑)。生まれつき健康なんですよね。親に感謝しているところなんですけど。まあ、秘訣という秘訣はないですが、やっぱり動いてるからじゃないですかね。動くのが好きなんです。

若い時は大井しか乗らなかったんですけど、40歳過ぎてから他の南関の競馬場にも乗りに行くようになってね。月曜から金曜まで競馬に乗って、土日になると、競馬場の近くにクアハウスってあるんですけど、そこでウォーキングマシンとかエアロバイクに乗ってるんですよ。

赤見 まさか、土日にもトレーニングされてるとは!! 今でも減量はないですか?

的場 減量は全然ないです。年とったから、反対に若い頃より痩せちゃったかな。見て、この脚! 細くてきれいでしょう(笑)?

赤見 本当だ! なんてうらやましい(笑)。トレーニングに関しては、やっぱりたくさん質問が来ているんです。

『60歳になる的場騎手は、やはりウエイトトレーニングなど体を鍛える努力をし続けているのでしょうか? 自分も的場騎手のようにいくつになっても健康でいられるようずっとトレーニングをして行くつもりなのですが、逆にアスリートでもないのに、歳をとっても体に負担を与え続けていい物なのか迷っています。よろしくお願い致します! (デインドリームさん・男性)』

的場 トレーニング、いいと思いますよ! 僕はね、トレーニングをして汗を流すのが好きなんです。サウナで汗取りするよりも、トレーニングで汗をかいた方が健康だと思いますよ。

赤見 ジョッキーはサウナで汗取りって多いですけど、やっぱり体を動かした方がいいんですかね?

的場 全然違うと思います。サウナで汗を出すのも、やらないよりはやった方がいいと思います。新陳代謝が良くなるからね。だけどそれだけでは、中身からは良くならないから。動いて出した汗というのは、すごくいいと思います。

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▲的場「サウナもいいですが、動いて出した汗というのはすごくいいと思います」


赤見 ウォーキングマシンやエアロバイクの他に、されていることはあるんですか?

的場 走っています。若い頃は近所の公園を5、6キロ走ってたんですけど、コンクリートの上だと足が張るんですよね。若い時は筋肉痛なんて起こさなかったけど、40歳近くになると筋肉が張っちゃって。それで、競馬場の馬場に切り替えたんです。

赤見 馬場を走っているんですか? 馬場の方がだいぶ負荷がかかりますよね?

的場 馬場は疲れますよ。コンクリートだと5キロぐらい走れたけど、馬場だと2周。1周が1600mで、それを2周ね。30分ぐらい走ると息切れして、汗びっしょり。

赤見 走るのも、若いころから続けてこられたんですね。

的場 25歳で結婚したんですけど、その辺りで体重が重い時期があったんです。騎手を続けられるのかなって考えちゃうくらいに。30歳近い頃からだから、筋肉もついて一番モリモリになりますからね。

子供が2人いるんですけど、その頃はまだ4つか5つぐらいの小さい時でね。夕方になると女房がご飯の支度をするでしょう。子供はおいしそうに食べますから、それを見てると食べたくなるじゃないですか。

赤見 いいにおいもしますもんね(笑)。

的場 そうなの(笑)。それで、子供が食べてる時間を利用して、走ったんですよ。トレーニングウェアにパッと着替えて、女房に「風呂だけ沸かしといてくれよ。走っている間にご飯を済ませてくれな」って言って、1時間ぐらいパッパッと走るようになったんです。あとはね、ストレッチ体操もよくやってる。年だし、だんだん体も硬くなってきますからね。今日も来る前にやってきましたよ。

赤見 続けることが大事なんですね。続いてはメンタル、モチベーションに関する質問です。

『下の世代からドンドン元気な若者が入ってきている中、いつまでも現役でいられるモチベーションを保つのはどこからきているんでしょうか? 何か成し遂げたい目標があるから頑張れるのでしょうか? 何事に対しても頑張れる秘訣も宜しければ教えていただきたいです。 (ゲストさん・男性)』

的場 うーん、とにかく負けず嫌いなところはありますね。学校時代から負けるのが大嫌いだった。だからマラソンなんかでも、学校で一番速かったですよ。

赤見 これだけ長く騎手をされていると、いろいろなこともある中で、気持ちを保つのも難しいと思うのですが?

的場 落ち込んだこともありますけど、やっぱり勝たなきゃしょうがないじゃないですか。赤見さんも騎手だったからわかると思うんですけど、勝つのが一番楽しいでしょう? だから、勝ちに向かっていけば頑張れると言うのかな。とにかく負けず嫌いだから、1つでも多く勝ってやるという気持ちです。

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▲的場「勝つのが一番楽しい。とにかく負けず嫌いだから、1つでも多く勝ってやるという気持ちです」


赤見 そのお気持ちは、“騎手”に魅力を感じられているからでもあるんでしょうね。

『職業として騎手の魅力、そして続ける秘訣は何でしょうか。今自分も外科医を続けていますが、子供四人の親としても頑張っています。子供たちが成人したら休みたくなりそうです。ちょうど的場さんと同い年になったら皆成人になります。これからも応援します! (ツチサツさん・男性)』

的場 4人のお子さんを育てているんですか! 騎手の魅力、それはありますね。なんせ、小学校時代から憧れてましたから。兄貴が佐賀の騎手だったんですよ。一番上の兄貴とおじさんが馬主で、もうひとりの兄貴が騎手でしょう。佐賀競馬場って、昔は佐賀市内にあって、うちから車で10キロぐらいだったんです。競馬が身近だったし、いつも「騎手はいいな〜」って憧れて見ていた。その気持ちは、いまだに残っていますね。

(次回へつづく)


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東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。

赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。

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