◆ディープとは「真逆」ともいえる過激なローテーションのほうが…
「血統はすべての予想ファクターに深みとコクを与えるツール」「ローテーション」も血統によって真逆とすらいえる傾向を示します。
たとえばディープインパクト産駒はJRAの芝重賞を113勝。このうち約40%は「中8週以上」の休み明けで勝利。休み明け後、叩き4戦目以降で優勝したのは3回のみ。5回以上使って優勝したケースは一度もありません。
また、重賞勝ち馬の50%以上(33頭)はノーザンファーム生産馬。すでに多くの方がご存じでしょうが、ノーザンファームは独自の外厩施設を持ち、調教やその他のケアも行えます。ノーザンファームはディープ産駒を休養させるノウハウも知っているからこそ、常にゆとりあるローテーションを選択するのでしょう。
ディープ産駒のレッドアヴァンセの前走チューリップ賞はデビュー以降、一度も外厩先に帰ることなく使われた5戦目。前走のエルフィンSで圧勝した反動も出てしまったようです。今回は2週間近くノーザンファームしがらきで調整。エルフィンS当時のデキに戻れば面白い存在。
一方で、ディープとは「真逆」ともいえる過激なローテーションのほうが力を発揮しやすい種馬はいます。
たとえば、パイロは連闘や中1週などの詰まったローテーション、叩き3戦目以降で力を発揮しやすい種牡馬。4月3日の中山最終で7人気ながら3着に走ったタケルラグーンも叩き3戦目で連闘でした。
パイロは米国の主流系統エーピーインディ系。アメリカの三冠レースは、およそ1か月の間に3レースが行われます、必然的に使い詰めのローテへの適性の高さも要求されるため、パイロのように間隔を詰めたローテーションを得意とする種牡馬も多くなります。
同じくエンパイアメーカーも使い詰めでパフォーマンスを上げる血統。昨年の三冠馬アメリカンファラオも同系統の種牡馬。
父エンパイアメーカーのカイザーバルはディープとは対照的にタフな血統、ローテを得意とします。母のダンスインザムードも桜花賞勝ち馬。秋華賞は休養明けで凡走した後、中1週で天皇賞秋を使い2着と一変しました。
カイザーバルはまずは抽選が通ること。次に木曜の雨量が多く、日曜まで雨が残り馬力が問われる馬場になれば狙ってみたい馬です。
もちろん、メジャーエンブレム、シンハライト、ジュエラーが抜けているのは承知していますが。