皐月賞でこのジンクス(?)に挑むサトノダイヤモンド
桜花賞終了直後にこの原稿を書いている。メジャーエンブレムの敗因は位置とラップだが、負けてみるとつい考えてしまうのが変則ローテの怖さである。馬そのものの仕上げとしてはこのほうがベターと考えての選択だったろうしおそらくデキの面では間違っていないのだろうが、人気馬の変則ローテは正体の知れないリスクであるようにも見えてしまう。
予想する側にしても、変則ローテは他馬との比較が難しくなる。メジャーエンブレムの場合、阪神JF組がチューリップ賞で大敗したので、ジュエラー・シンハライトとの比較が困難になっていた。
皐月賞でこのジンクス(?)に挑むのがサトノダイヤモンドだ。きさらぎ賞→皐月賞は90年にハクタイセイが成功しているが、四半世紀以上前のことになる。最近だとリーチザクラウン、トーセンラー、トーセンスターダムといった馬たちがこのローテで大敗している。
共同通信杯→皐月賞は成績も良いのでレース間隔は問題ないだろうが、問題はきさらぎ賞というレースの特殊性だ。ネオユニヴァースあたりまでは「きさらぎ賞馬の次走」成績は良かったのだが、2004年以降は[1-1-2-8]。唯一の1着は若葉Sのワールドエースで、重賞ではない。GIだと[0-0-0-7]となる。
きさらぎ賞は4〜5ハロン目が緩み、上がりは速くなる傾向がある。皐月賞も最近は厳しい流れになるわけではないが、もし今年に限って前傾ラップになった場合などはどうするか。今年のきさらぎ賞は4〜5ハロン目で遅かったラップでも12.3秒(5ハロン目)と例年ほど緩まなかったので大丈夫と考える手もあるが……。
もうひとつは物差しの問題だ。きさらぎ賞の相手で他に重賞3着以内があるのはロワアブソリュー(アーリントンC3着)だけ。500万勝利時の相手でオープン好走はマイネルハニーのスプリングS2着とナムラシングンの若葉S2着。新馬の相手だと、きさらぎ賞でまた顔が合い3着だったロイカバードだけ。朝日杯、ホープフルS、共同通信杯、弥生賞などを使ってきた馬とは、適性以前に力の絶対値を比べることも難しい。
普通の馬なら目をつぶって切ることもできるのだが、強そうに見える馬だけに扱いに悩むところである。