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JRA見習騎手の地方での減量

  • 2016年04月15日(金) 18時00分


◆所属にかかわらず若手騎手にチャンスを与えるということはあってもいいと思う

 13日に行われた船橋・マリーンCは、地方初参戦で注目されたブチコの競走除外はなんとも残念だったが、この日は藤田菜七子騎手の騎乗もあって船橋ナイターは普段にはない盛り上がりを見せた。

 藤田騎手は、これで地方では川崎、高知、浦和、金沢、船橋で騎乗して31戦4勝、中央は52戦1勝という成績。中央の同期デビュー組との比較で技術的な評価はまだこれからとしても、デビューから1カ月半ほどでこれほど様々な競馬場で多くの騎乗機会を得ているということでは、きわめて貴重な経験となっているであろうことは間違いない。

 そして藤田騎手の地方競馬での騎乗では、JRAの見習騎手に対する主催者ごとの扱いで、さまざまなことがわかって興味深い。

 最初の川崎(3月3日)では、藤田騎手には見習騎手の減量がまったく適用されなかったことがネットなどでも話題になっていた。南関東の競馬を統括する関東地方公営競馬協議会に問い合わせたところ、南関東でJRAの見習騎手が騎乗する際の減量については明文化された規定がなく、各主催者の番組ごとの対応になるとのことだった。川崎で減量を適用しなかったため、その後の浦和(3月24日)、船橋(4月13日)でも同様の対応になったものと思われる。

 3月15日の高知では、勝利数による3kg減に加え、女性騎手の1kg減も加算され、4kg減での騎乗となった。4月12日の金沢では、勝利数による減量はなく、女性騎手の1kg減だけ適用された。ちなみにいずれの競馬場でも、特別・重賞レースでは減量はなかった。

 そもそも地方競馬では見習騎手の減量の規定は主催者ごとにさまざま。年間の開催日数が違うため、統一するということも難しいのだろう。女性騎手の減量についても、ある主催者とない主催者があり、また地方同士でも他地区の見習騎手の減量を適用する主催者としない主催者とがある。

 藤田騎手が減量のない南関東でも多くの騎乗があったのは、“JRAでは16年ぶりの女性騎手”ということがあったと思われる。それで思うのだが、JRAの見習騎手が地方で騎乗するときにも減量を適用するようにできないものだろうか。JRAでは見習騎手の騎乗機会が少ないことが考慮され、この3月から通算100勝以下の減量期間が3年未満から5年未満に延長された。

 JRA騎手に減量を適用することは、地方側にメリットはないかもしれないが、所属にかかわらず若手騎手にチャンスを与えるということはあってもいいと思う。もちろんJRA騎手がJRA所属馬に騎乗する条件交流(特別戦)では適用されず、それ以外の一般戦に騎乗馬があればということなので、機会はかなり限られるかもしれないが。

 減量の適用だけに限らず、中央の若手騎手がもっと地方で乗れるような機会は増えていいように思う。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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