1番人気に支持されているラブリーデイ (C)Hong Kong Jockey Club
3頭ともいい状態で本番を迎えられそう
つい先日4月21日に90歳の誕生日を迎えられたエリザベスII世女王陛下の名を冠したレースは世界各地で行われていて、イギリス本国はもとより、かつて英連邦の配下にあった、オーストラリア、シンガポール、香港のほか、アメリカ、そして日本でもエリザベス女王杯として行われている。
香港では1975年、ハッピーヴァレー競馬場にエリザベスII世女王が来場されたのに合わせて第1回が行われた。1995年から国際招待レースとなり、その記念すべき最初の年に日本からはフジヤマケンザンが遠征して10着。しかしフジヤマケンザンはその年の暮に再び遠征した香港C(当時G2、1800m)を制している。
2001年から国際GIとなり、日本馬が最初に制したのは2002年のエイシンプレストン。その前年、2001年暮れの香港国際競走では、引退レースとなったステイゴールドが香港ヴァーズを、さらにエイシンプレストンが香港マイルを、そしてアグネスデジタルが香港Cを制したという日本馬の海外遠征における歴史的な活躍があり、2002年のクイーンエリザベスII世Cは、エイシンプレストンがアグネスデジタルを2着に従えてのワンツーだった。
エイシンプレストンは、翌2003年のクイーンエリザベスII世Cも連覇。この年はアジア各国が新型肺炎SARS禍に見舞われている真っ最中で、それでも遠征して香港のGI・3勝目を挙げたエイシンプレストンは香港で英雄となった。
その後しばらくあいて2012年にはルーラーシップが勝利。この日、日本では天皇賞・春が行われ、阪神大賞典で大逸走しながら2着だったオルフェーヴルが断然人気に支持され11着と惨敗していた。その陰に隠れてあまり注目されることがなかったもの、ルーラーシップは香港の地で念願のG1初制覇を果たし、そのタイトルを手土産に翌年の種牡馬入りとなった。
これまで国際GIとしてのクイーンエリザベスII世Cに日本馬が複数頭出走したのは、前述の2002年のほかには、一昨年の2頭(エピファネイア4着、アンコイルド10着)だけ。今回、3頭での挑戦は過去最多となるだけに期待がかかる。
香港の天気はここしばらくサンダーストームの予報が出ていて