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【藤岡健一×藤岡佑介】第1回『調教師としてのGI、父親としてのGI』

  • 2016年05月04日(水) 18時01分
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▲初の父子対談。本音でじっくり語り合います


今月のゲストは佑介騎手の父・藤岡健一調教師。なんと、今回が初の父子対談です! その藤岡調教師、ビッグアーサーで高松宮記念を制し、開業15年目での初GI制覇を果たすと、その2週間後にジュエラーで桜花賞も勝利。阪神競馬場で生まれ育った師にとって、桜花賞は特別なレースだと言います。今最も勢いのあるトレーナーが、厩舎のトップとして、父として、知られざる本音を語ります。(構成:不破由妃子)


佑介か康太が乗ってGIを勝つまでは…


佑介 改めまして、高松宮記念、桜花賞優勝、おめでとうございます。親父との対談は初めてだけど、やっぱりなんか照れくさいよね。

藤岡 そうか? 俺はまったく照れくさいことないけどな(笑)。

佑介 それにしても、ビッグアーサーは強かったね。去年の高松宮記念の日に中京の1000万(岡崎特別)で3連勝を決めたときから、一気に注目を集めたよね。いずれは重賞で活躍する馬なんだろうなと思ってたし、そのあと、北九州記念の追い切りに乗せてもらって、やっぱりすごい馬だと感じた。これはGIまでいくだろうと思ってずっと見てたよ。

藤岡 能力があるのはわかっていたけど、条件が上がるにつれて厳しいレースになっていってね。前向きな性格だから調教も難しくて、ちょっと油断すると、とてつもない時計が出てしまう馬で。だから、力が付いてくればくるほど難しくなっていって、オープン馬になってからのほうが毎日が大変やったわ。

佑介 でも、高松宮記念は危なげがないレース運びやったし、「これはもう勝つやろな」と思って、声も出さずに冷静に見てた。俺はジョッキーだから、もちろんその背中に自分がいられれば最高だけど、親父が勝ったことは素直にうれしかったよ。

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▲開業15年目、ついに手にしたGIタイトル (C)netkeiba.com


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▲記念の口取り写真におさまる関係者 (C)netkeiba.com


藤岡 確か、佑介も一度、ビッグアーサーには乗る予定があったんだよな。

佑介 うん、大怪我をして取消になったときね(2014年8月2日・小倉9R・伊万里特別)。

藤岡 そうそう、枠順発表前に取消になったときやな。ビッグアーサーに限らず、父親として、できることなら息子のどちらかでという思いは常にある。ただ、そんな甘いことを言っていられる世界じゃないから。それにしても、この春は初GIに続き、初クラシック。やっぱり感慨深いものがある。

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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

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1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

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