今年は激動の年。世の中全体をみても、驚かされるニュースが数多く飛び込んできます。競馬界では藤田騎手が大きく注目されていますね。3歳牡馬のレベルも高く、興味深い。あと、個人的にはわかっていたこととはいえ、松田博資先生が引退されたのが衝撃でした。でも、ここにきてそれ以上の衝撃に襲われたのでした…。
岩田騎手の坊主頭。
しかも、時にはサングラス。以前のヘアスタイルとはギャップがありすぎますよ。髪がちょっと寂しくなったから、一気にスキンヘッドにする人もいますが。岩田騎手はどうやら、それではないようです。
今週、レッツゴードンキの取材中にいいタイミングで岩田さんに会ったので、直接聞いてみました。
レッツゴードンキと岩田騎手
――岩田さん、何で坊主にしたの?
すると、岩田さん。いつもどおりの雰囲気(注:決して怖くありませんよ)で話しはじめました。
「別に反省してるとか、そういうことじゃない。別に反省することもないしね。実は一から出直そうと思って。初心にかえる。中央競馬にきてから素の自分を隠している部分もあったけれど、さらけ出してみようと思って」
――素の自分…?
「そう。俺は武豊にはなれない。息子が先日、競馬学校に入学して騎手の卵になったけれど、息子を売り出すようなタイプでもない。そして、ずっと懇意にさせていただいた松田博資先生も引退した。騎手という商売はとにかく勝つしかない。だから、自分をリセットしたかった。頭も自分でバリカンでワーッと刈ったよ。仕上げはカミソリで。襟足のほうとか、ちょっとカミソリ負けしたかも(苦笑)」
そう語る岩田さん、とにかく熱い。アッツアツでギラギラしてるんです。
――こんな雰囲気なのはいつ以来?
「園田でリーディングとったあたりかな」
とにかく、勝つ。岩田さんから勝利への執着がいい意味でドクドクと伝わってきました。
義理人情に厚く、ほんとにまっすぐな方。安易な上っ面な言葉をかけても、すぐに見透かしてしまうような雰囲気でした。求めるのは真実、それが競馬においては勝利のみ。
「競馬のクラスなんて関係ない。未勝利でも重賞でも、勝つことがすべて」
岩田さんの決意、本当に並々ならぬものを感じます。今週も自らを叱咤激励しながら戦いに挑むのでしょう。熱く燃える岩田騎手から目が離せませんね。
さて、レッツゴードンキも岩田さんに触発されてか、かなり気合を表に出していて、いい雰囲気です。馬体も叩かれてキュッと締まってきました。
「前走は短距離のスペシャリストたち相手だったこともあり、ペースもあわなかった。今回は牝馬同士。マイルなら道中でひと息入れられるから、ドンキにはあってる。楽しみだよ」
と梅田師もかなりいい手ごたえをつかんでいるようでしたよ。来週のヴィクトリアマイルにむけて、ひじょうに順調な仕上がりです。
馬房で寝転んだあと、起き上がって体についたチップをはらうレッツゴードンキ
京都新聞杯は1勝馬のエルプシャフトが無事、出走の運びとなりました。
「(横山)典さんもいい感触つかんでくれています。ブエナビスタにも騎乗したことのあるジョッキーですからこの血統特有のクセも理解して乗ってくれるでしょう」と岸本助手。
軽い京都の馬場もあっているとのことです。
母はビワハイジ。そう、ブエナビスタなどを姉に持つ松田博資厩舎に縁の深い血統ですね。
「入厩は遅かったのですが、デビュー戦も結構いいメンバー相手に勝ちました。普段の動きも速いところにいくといい走りをしますね。秋以降はもっとよくなる馬だと思いますが、まずはダービーに行きたいですね」(岸本助手)。