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アドレスマッチング(牡 栗東・梅田智之 父タートルボウル、母メディアウォーズ)
OPクラスまで出世したメイビリーヴ(父サクラバクシンオー)の半弟。2代母メインキャスターは阪神牝馬特別(GIII)の勝ち馬で、近親にウインジェネラーレ(04年日経賞-GII)がいる。父タートルボウルはNorthern Dancer系の新種牡馬。全体としては非主流のヨーロッパ血統で構成されており、2代父Dyhim Diamondはスペインのリーディングサイアーで、3代父Night Shiftは地味ながら優れた能力を発揮した種牡馬。Sadler's Wellsやデインヒルといった癖の強い主流血統を含まないので、むしろ日本競馬に向く可能性があり、マイル前後に適性がありそうだ。本馬はNight Shift≒ノーザンテースト3×3で、母の父がサンデーサイレンス。配合的に評価できる構成だ。仕上がりの早い芝向きのマイラーだろう。
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サトノガガ(牝 美浦・新開幸一 父ダイワメジャー、母リーサムガガ)
母リーサムガガは未勝利馬ながら、サトノプリンシパル(13年レパードS-GIII・2着)、ヴィクタシア(準OP)の半姉にあたる。2代母Torocaは伊G3を勝ったほか、チェヴァリーパークS(英G1)2着、英1000ギニー(英G1)3着、愛1000ギニー(愛G1)3着などの成績を残した。母方にBlushing Groomを持つダイワメジャー産駒は成功しているが、それを含んだGiant's Causewayを母の父に持つパターンも走っており、JRAで出走したわずか5頭からブリュネット(13年フローラS-GII・3着)、サンマルクイーン(12年ローズS-GII・6着)が出ている。本馬はダノンレーザー(現3歳500万下)の全妹。同馬は大柄な牡馬でパワー型に出ているが、本馬は牝馬なので芝でもやれそうだ。マイルあたりがベストディスタンスだろう。
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トリコロールブルー(牡 栗東・友道康夫 父ステイゴールド、母ペンカナプリンセス)
母ペンカナプリンセスはフレッドダーリンS(英G3・芝7f)を勝ったほか、愛1000ギニー(愛G1)で2着となる活躍をみせた。産駒成績は優秀で、ダノンジェラート(父ディープインパクト/12年セントライト記念-GII・3着)、ワールドインパクト(父ディープインパクト/14年青葉賞-GII・2着)を産んでいる。母の父Pivotalは父としては中堅級だったが、母の父としては優秀で、英愛ランキングでは15年に4位、16年は現在のところトップを快走している。日本でも“母の父Pivotal”は連対率33.3%と優秀だ。どんな種牡馬とも好相性を示しているのでステイゴールドとの配合も問題ない。芝向きの中距離タイプ。
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プロディジャス(牝 美浦・古賀慎明 父ハーツクライ、母ロジャーズスー)
半姉Turbulent Descent(父Congrats)は、北米でサンタアニタオークス(米G1)、テストS(米G1)など4つのG1を含めて14戦8勝の成績を残した名牝。「Storm Bird+Seattle Slew+Mr.Prospector」の組み合わせを持つ母ロジャーズスーは、マジェスティハーツ(13年神戸新聞杯-GII・2着)の母エアラホーヤを彷彿とさせる配合構成。ハーツクライ向きの繁殖牝馬といえる。母が持つHis Majesty≒Graustark 4×5は力強く、パワー型に出る可能性もある。芝・ダート兼用の中距離タイプで、底力があるのでハマれば大仕事をやってのけるかもしれない。
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ルタンデュボヌール(牡 栗東・友道康夫 父マンハッタンカフェ、母アドマイヤハッピー)
半兄にウォータクティクス(父ウォーエンブレム/09年アンタレスS-GIII)、4分の3兄にキタサンアミーゴ(父フジキセキ/11年小倉記念-GIII・2着、11年ダイヤモンドS-GIII・3着)、ハッピーモーメント(父ディープインパクト/13年京都新聞杯-GII・7着)がいる。母アドマイヤハッピーは名門ダイナカール牝系の流れを汲み、年度代表馬エアグルーヴと4分の3同血という良血。近親にはエガオヲミセテ、オレハマッテルゼ、ルーラーシップ、アドマイヤグルーヴなど、多数の活躍馬がひしめいている。本馬の父はマンハッタンカフェ。「マンハッタンカフェ×トニービン」という組み合わせからはテイエムオーロラ、ヒカルオオゾラ、アドマイヤフライト、イリュミナンスなどの活躍馬が出ており、連対率22.7%、1走あたりの賞金額254万円は、マンハッタンカフェ産駒全体の17.2%、176万円を大きく上回る。芝向きの中距離タイプだろう。