5月29日よりスタートするダービーウイーク(写真は昨年の北海優駿)
何とか注目度を上げようと関係者が努力してきたダービーウイーク
各地の地方競馬で今年もダービーと名のつく3歳チャンピオン決定戦が、来る5月29日(日)日本ダービーと同じ日に、九州・佐賀競馬場でスタートする。2006年より、これら地方競馬のダービーが集中的に日替わり開催される週間(5月末〜6月上旬)を「ダービーウイーク」と称し、JBC協会などが協賛する形で、専用サイトも開設し、何とか注目度を上げようと関係者が努力してきた。
今年で11年目を迎えるこのダービーウイークだが、昨年、一昨年と、文字通りの「短期集中開催」で1週間の間に、前記佐賀(九州ダービー)を皮切りに、北から門別(北海優駿)、盛岡(ダイヤモンドカップ)、大井(東京ダービー)、名古屋(東海ダービー)、園田(兵庫ダービー)の計6か所で実施されていた。しかし、今年は、日程がやや変則的になり、5月29日佐賀でスタートした後、日程が飛び飛びで、最後の兵庫ダービーは6月16日(木)に実施されることになっている。5月31日に北海優駿、6月6日に岩手・ダイヤモンドカップ、7日東海ダービー、8日東京ダービー、そこから8日後に兵庫ダービーという日程だ。
すでに、ダービーウイーク2016実施要項は、3月22日の時点で発表されていた。その際には、実施競馬場と競走名、距離、そしてJBC協会から協賛を受けて付与される副賞の種牡馬名(配合権利)も早々に明らかにされた。九州ダービーにはダノンシャンティ、北海優駿にはエイシンフラッシュ、岩手ダービー・ダイヤモンドカップにはネオユニヴァース、東海ダービーにはシンボリクリスエス、東京ダービーにはヴィクトワールピサ、兵庫ダービーにはゼンノロブロイと、生産地でも評価の高い種牡馬名が並んでいた。
後は、それぞれの主催者と地全協が、これらの6ダービーをいかに集中的に取り上げ、本番に向けて盛り上げて行けるか、ということになるが、残念ながら、その後の情報が全く見当たらない。わずかに5月16日になってからツイッター上で、Tシャツ(5名)とクオカード(10人)のプレゼントを実施するという告知を目にしただけである。
言うまでもなく、これら各地で実施されるダービーの優勝馬は、来る7月13日に大井競馬場で行われるジャパンダートダービーに優先出走権が与えられる(東京ダービーのみ、1着及び2着馬)。
地理的ハンデもあるので、他地区から大井に遠征するのはハードルが高いのだが、少なくとも、形の上では、各地で選ばれた代表が、夏の大井に集結して戦うという構図になっている。1着賞金は4500万円。3歳のダートチャンピオンを決める大切な一戦であり、中央からもダート巧者の精鋭が参戦してくる。舞台としては申し分ないと思うのだが、今日現在の段階でも、未だ地全協のサイト上には、それぞれのダービーの出走予定馬さえ明らかにされていない。どこにどんな馬がいるのかさえ、情報として伝わってこないのは何とも残念という他ない。
地方競馬は、ようやく底を打った感があり、今年になっても、全体的に好調である。1月〜3月末までの馬券売り上げ累計では、全国で1019億4348万円。前年比115.3%の伸びを記録しており、1日当たりの売り上げでも、4億2654万円余と、114.4%である。
まだまだかつての全盛期には及ばないとはいえ、IPAT効果もあり、着実に売り上げは回復に向かいつつある。そうした背景を追い風にして、何とかせっかくのダービーウイークをもう少し盛り上げる工夫ができないものか、と思う。