▲昨年のリベンジを狙うダノンレジェンド(写真は2016年黒船賞優勝時、撮影:武田明彦)
唯一無二・馬産地の競馬場 門別競馬場
6月9日(木)、門別競馬場で行われる短距離重賞『第20回北海道スプリントC』。1997年に創設され、第1回は札幌競馬場(JRA)の1000m戦として行われました。その後2008年まで札幌競馬場もしくは旭川競馬場で行われ、2009年からは門別競馬場で実施されるようになり、2010年から距離が1200mに変更されています。
かつて小樽、室蘭、北見、帯広、岩見沢、函館(JRA)、旭川、札幌(JRA)など各地を転々として開催されていたホッカイドウ競馬。各競馬場の廃止や休止など様々な事情により開催競馬場の集約が進み、現在は門別競馬場のみでレースが行われています。
門別競馬場は1997年12月にオープンした日本で一番新しい競馬場。
▲夕焼けに染まる門別競馬場
JR札幌駅から苫小牧を経由して日高本線・富川駅まで2時間40分。そこから車で10分と、電車を使うとけっこう時間がかかりますが、開催日には札幌から無料送迎バスが運行されていて、所要時間は約1時間30分(詳しくはホッカイドウ競馬のHPをご覧ください)。さらに新千歳空港からは車で約50分なので、いずれにせよ車で向かうことをお勧めします。
コースは1周1600m。右回りのフラットコースで直線は330m。さらに昨年、1周1376mの内回りコースも新設されました。もともとはホッカイドウ競馬のトレーニングセンターだった場所で、2012年には冬期も利用可能な室内調教用坂路コースも新設され、所属馬たちの実力が従来にも増してパワーアップされています。
▲冬期も利用可能な室内調教用坂路コース
開設当初からあるAスタンドは全面ガラス張りで、寒い季節でも暖かい室内で観戦できます。そして2009年に新設されたポラリス☆ドーム(☆が入るのが正式名称だそうです)。天井が高く、中には310インチの巨大映像ビジョンがある開放的な空間。
照明の研究を行っている“照明学会”の『2009年照明普及賞』に門別競馬場のナイター施設が選出されたことがありましたが、ポラリス☆ドームはその象徴的な存在。北海道の大地に浮かび上がるグランシャリオナイターの幻想的なムードは実に魅惑的です。ちなみにグランシャリオとはフランス語で北斗七星のことだそうです。
▲天井が高く開放的な空間のポラリス☆ドーム
ポラリス☆ドーム内には女性に人気の地元の洋食屋さん『小径Cafe(こみちカフェ)』と、有名な日高町のお蕎麦屋さん『いずみ食堂』があり、さらにパドック脇の『とねっこ広場』ではジンギスカンを楽しむこともできるなど、北海道らしい充実した競馬場グルメも堪能することができます。
パドックは馬との距離が驚くほど近く、さらに中には一見するとバス停のような小さな建物があって、そこは騎手の待機所。馬だけではなくジョッキーとの距離も近くてびっくりします。
▲一見するとバス停のような騎手の待機所
そして門別競馬場で特筆すべきは日本で唯一の馬産地にある競馬場だということ。お客様の中には一般のファンに混じって、生産牧場や育成牧場の方々の姿を多く見かけます。
特にどこよりも早く始まる2歳戦では、自分たちが育てた愛馬のデビューを見守り、熱心に声援を送る牧場のみなさんの姿が印象的で、馬産地の競馬場ならではの雰囲気を肌で感じることができます。まだ行ったことがないという方は、この夏、日高の牧場めぐりの行程に門別競馬場も組み入れてみてはいかがでしょうか?
人気のノボバカラは地元騎手で挑む
お待たせしました。それでは『第20回北海道スプリントC』今年の出走メンバーをご紹介しましょう。
去年の北海道スプリントCで3着だったダノンレジェンド。その後、クラスターC、東京盃、黒船賞を制し、負けたレースでもすべて3着以内の馬券圏内に来ています。前走・東京スプリントはスタートで後手を踏み流れに乗れなかったのが敗因。スタートをしっかり決めて、前走の、そして昨年のリベンジを狙います。
ノボバカラは現在3連勝中。前走・かきつばた記念で重賞初制覇を果たし、波に乗っている4歳馬。1200m戦は初めて、門別競馬場も初めてというのがカギとなりますが、今回、コースを知り尽くした地元のジョッキー・桑村真明騎手が鞍上というのは大変心強い材料です。
▲かきつばた記念で重賞初制覇を果たしたノボバカラ(撮影:武田明彦)
一昨年のこのレースでアドマイヤサガスの2着だったスノードラゴン。その後スプリンターズSを制し、芝のGIホースとなりました。久しぶりのダート戦だった前走・かきつばた記念は5着でしたが、59kgを背負っての1400m戦。今回も59kgは不安材料ですが、距離短縮でさらに上の着順も狙えそうです。
レーザーバレットも前走・かきつばた記念から。ブリンカー着用の効果があったようで、行きっぷり良く2番手からの競馬で3着。今回もすんなり先行できれば上位争いも夢ではありません。
地方馬からは地元ホッカイドウのアウヤンテプイに注目。このレースで2013年4着、2014年4着、2015年5着と3年連続掲示板に載っています。交流戦以外の門別のレースなら100%連対している実績馬で、今回も4連勝中で臨む一戦。果たしてこれまで以上の着順を掴むことができるでしょうか。
▲2014年の習志野きらっとスプリント出走時のアウヤンテプイ(撮影:高橋正和)
北海道スプリントCは例年人気上位馬で決着することが多いレースですが、昨年は5番人気・ホッカイドウ(当時)のポアゾンブラックが2着となり3連単24580円とやや波乱の結果となりました。今年は昨年の雪辱戦となるダノンレジェンドVS前走・かきつばた記念組という様相ですが、そこに地元ホッカイドウ勢がどこまで食い込めるか、注目していただきたいと思います。
※次回の更新は6月14日(火)の18時。浦和桜花賞、東京プリンセス賞から続く南関東牝馬三冠の最終戦「関東オークス」のコラムをお届けします!
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中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。