【栗東】
◆モンドキャンノ(牡、父キンシャサノキセキ、母レイズアンドコール、栗東・安田隆行厩舎)
入厩当初から「オーナーの要望もあって、6月19日(日)函館芝1200mを戸崎圭太騎手でデビューする予定です」(安田隆行調教師)と目標が決まっていた馬。1回目のゲート試験には落ちてしまったが、4月から入厩していたこともあり、スケジュールに狂いはない。むしろ、栗東で北村友一騎手が跨ったゲート練習では抜群のスタートを決めている。
6月に函館競馬場へ移動しているが、栗東での追い切りではCWで古馬1600万下に先着したり、坂路では馬なりで古馬500万下に併入したりと2歳らしからぬ動きを見せている。函館へ移動してからも順調に追い切りを消化しており、出走態勢は万全に整っている。
◆ゴールドケープ(牝、父ワークフォース、母ジュエルオブナイル、栗東・荒川義之厩舎)
母は同厩舎で管理され、小倉2歳Sを優勝。そのイメージからスプリンターに思われがちだが「ワークフォース産駒ということもあって、決してスプリンターというタイプではありません。むしろ距離はマイルよりも長くてもいいくらい」と荒川義之調教師。ということで、当初は来週の阪神芝1800mでのデビューを視野に入れていたようだが、順調に追い切りを積んだこともあって、6月19日(日)阪神芝1600mを蛯名正義騎手でデビューする予定となった。
中間はDPで15-15程度の追い切りを重ねており、負荷の強い追い切りは坂路といった感じ。6月8日の坂路では新馬ガウディを1秒以上追走して、最後は馬なりで先着。時計は4F55.5秒と遅いが、数字以上に中身ある動きだったと判断したい。
◆メモリートニック(牡、父タニノギムレット、母メモリーソフィア、栗東・角田晃一厩舎)
目立った活躍馬のいない血統だが、5月6日に吉澤ステーブルWESTから栗東へ入厩してからの動きは目立っている。5月19日の坂路では先週デビューしたアダムバローズと併せて、手応え優勢で同入。楽に4F55.1秒をマーク。そして、6月1日の坂路ではこの日の2歳一番時計となる4F52.2秒をマークしている。「坂路では本当に動きますね。CWでの動きが物足りないように、まだ頼りない面もありますが、スピードは明らかに水準以上なので」と角田晃一調教師。
トラック馬場では動けなかったが、函館Wでは6月10日に古馬500万下に先着しており、問題はなかった様子。あとはゲートさえ決まれば。デビュー戦は6月19日(日)函館芝1200mを古川吉洋騎手でデビューする予定となっている。
◆タマモヒナマツリ(牝、父マツリダゴッホ、母チャームナデシコ、栗東・木原一良厩舎)
母は同厩舎で管理されて、ダートで5勝。サウスヴィグラス産駒の半姉タマモスズランも同厩舎で管理されて小倉ダート1000mを勝ち上がっている、厩舎ゆかりの血統。本馬に関しては「ダートで活躍する血統ですが、この馬に関してはマツリダゴッホ産駒ということもあって、芝でも十分にやれそうな感じ」と木原一良調教師。
6月8日のCWでは先週デビューしたエスピリトゥオーゾに先行して、追いついてくる相手を馬なりで抑え込んだ。体重の軽い見習い騎手が跨っていたとはいえ、外を回って6F83.2秒は評価したい時計。「ゲートは標準程度だけど、減量騎手(荻野極)を起用するし、ちょっと楽しみにしています」と同師。6月19日(日)阪神芝1600mでデビュー予定。
【美浦】
◆ゴロウマルウィン(牡、父クロフネ、母スイートピグレット、美浦・栗田徹厩舎)
JRAブリーズアップセールに上場され、1000万円(税抜)で落札された。祖母が重賞2勝のクロカミ。いとこにカミノタサハラ(弥生賞)、ボレアス(レパードS)、マウントシャスタ(毎日杯2着)、ベルキャニオン(共同通信杯2着)などの活躍馬がいる。オーナーがラグビーの五郎丸歩選手と親友であり、このネーミングからも話題性を持った1頭だ。「素直な気性だし、入厩後も順調に乗り込んでいる。500キロ前後の大型馬。まだまだ良くなりそうだし、もう少しトモに力がついてくれば先々まで楽しみ」と栗田徹調教師。6月18日(土)、東京のダート1400mを予定している。
◆スプリングゲイル(牝、父キンシャサノキセキ、母サンスプリング、美浦・鹿戸雄一厩舎)
母はアルゼンチンで4勝しており、芝1000mのGIを勝っている。近親にも同国のGI馬が並ぶ。仕上がりの早さが目につき、入厩後の追い切りでは1000万下の古馬と併せるなど体力的にも水準以上だ。「見るからに短距離向きの体つきをしているし、いいスピードがありそう。ゲートの出は普通だけど、ダッシュ力があるし、勢いさえつけばビュンと行く。十分に乗り込んできたし、初戦から動けると思う」と鹿戸雄一調教師。6月18日(土)、函館の芝1000mを三浦皇成騎手で予定している。
◆バリンジャー(牡、父ステイゴールド、母バイユーストーム、美浦・奥村武厩舎)
2014年のセレクトセールに上場され、2500万円(税抜)で落札された。半兄にメテオロロジスト(佐賀記念)がいる。「ピリッとした性格で仕上がりは順調。どっちかと言うと母系(母の父ストームキャット)の血が出ているような感じだけど、しっかりとしてくれば芝に対応できそうな軽さもある。牧場でも早い時期から動いていたし、いいところがありそう」と奥村武調教師。6月18日(土)、東京のダート1400mを戸崎圭太騎手で予定している。
◆レッドオーガー(牡、父カジノドライヴ、母アドヴァーシティ、美浦・藤沢和雄厩舎)
祖母はケンタッキーオークスなどアメリカのGIを4勝した名牝。兄姉はレッドバリオス、レッドエクスプレス、ルノンキュールなどがコンスタントに勝ち上がっている。ゲート試験に合格後は徐々に調教のピッチを上げ、仕上がりの良さが目につく。「素直な気性で扱いやすい。この時期に古馬と併せても楽に動けているぐらいだし、前向きさがある。いいフットワークで走るし、どんなものか楽しみ」と藤沢和雄調教師。6月19日(日)、東京の芝1600mをクリストフ・ルメール騎手で予定している。