【栗東】
◆ビッグディザイア(牡、父キングカメハメハ、母レッドディザイア、栗東・松永幹夫厩舎)
母は現役時代に同厩舎で管理され、2009年秋華賞を制覇。桜花賞やオークスでも常にブエナビスタと五分に戦ってきたレースぶりは今でも印象に残るファンが多いはず。残念ながら5月20日に出産後に腹膜炎を発症して死亡したため、そのスピリットを受け継ぐ仔も本馬を合わせて、2頭ということになってしまった。
560キロという大型馬ということもあって、入厩当初は大きさばかりが目立っていたが、ゲート練習を積むとともに体もシェイプアップ。「現時点では540キロくらい。レースでは530キロくらいで出走できそうです」と松永幹夫調教師。6月29日の坂路では先週デビューしたジャコマルと併せて遅れ。時計も4F55.0秒と地味だが「まだ動きに緩慢なところもあって、速い時計は出ていませんが、走りそうな雰囲気は変わっていませんし、実戦で良さを見せてくれれば」と同師。デビュー戦は7月9日(土)中京芝1600mをC.ルメール騎手で予定している。
◆ベルウッドカペラ(牡、父キンシャサノキセキ、母スイートカルタゴ、栗東・高橋康之厩舎)
2015年北海道サマーセールにて、850万円で落札された馬だが、当初は高橋康之調教師が管理する予定ではなかった。「競り落とすことができなかったのですが、本当にいい馬だと思っていたので、その成長を見たくて牧場に通っていたら、それを伝え聞いたオーナーが預けてくれました」と同師。
入厩当初は「口向きに難しい部分があって、それを修正していきます」ということだったが、その後はスムーズ。6月29日のCWでレースで騎乗予定のM.デムーロ騎手が跨っての追い切り。追い切りを終えたジョッキーの口からは「カッコイイネ」という言葉が出た。「終い速い時計(1F12.3秒)が出ましたが、まだ緩いところがある現状。しっかりしてくれば、もっと走れると思います。道中で頭を上げるようなところがあったように、気性面での課題もあるものの、さすがジョッキーがしっかりと乗りこなしてくれました。スタートも速いので、初戦から楽しみにしています」と同師。7月10日(日)中京芝1400mでデビューする予定となっている。
◆ダンビュライト(牡、父ルーラーシップ、母タンザナイト、栗東・音無秀孝厩舎)
アグネスデジタル産駒の半姉モルガナイトは芝中距離で4勝。現在は斉藤崇史厩舎で管理されている半兄ラブラドライトも同厩舎で管理されていた時に芝長距離で4勝を挙げている。それだけに当初は中京芝2000mでのデビューが視野に入っていたが「ここまですごく順調で、追い切りで時計が出すぎるくらいなので」と前倒しする形で、7月9日(土)中京芝1600mでデビューする運びとなった。
それを決定付けた6月29日の坂路での追い切り。古馬ラクアミを追走して、一杯に追われると前に追いついて同入。時計は4F51.6秒で同日の2歳一番時計となった。ラスト1Fが13.0秒なので、現状ではスピードのコントロールに課題がありそうだが、スピード能力は一級品。あとはレースでどんな走りを見せてくれるか。鞍上は松若風馬騎手が予定されている。
◆ジューヌエコール(牝、父クロフネ、母ルミナスポイント、栗東・安田隆行厩舎)
同厩舎で管理された全兄ルミナスウイングはダートで4勝を挙げており、シンボリクリスエス産駒の半姉ルミナスパレードも全4勝のうち、3勝がダート。「血統的にはダートという感じもしますが、芝でもやれると思うんです」と安田隆行調教師。
先々週、先週をCWでの4F追い切りを行っているが、明らかに動きが良化してきた。6月29日のCW4F時計は51.8秒、ラスト1Fも11.9秒で余力十分だった。7月1日にはレースで騎乗予定の福永祐一騎手が跨って、ゲートを確認。「念のための練習でしたが、全く問題ありませんでしたね。スタートは上手ですし、流れに乗って競馬できれば」と同師。デビュー戦は7月10日(日)中京芝1400mを予定している。
【美浦】
◆キュイキュイ(牝、父ハービンジャー、母スナップショット、美浦・手塚貴久厩舎)
昨年のアーリントンCを制したヤングマンパワー(現オープン)の異父妹。先週の追い切りでは古馬に先着しており、キビキビとした動きが印象的だ。「お兄ちゃんより首を使ったフォームで走るし、キレのある動き。ゲートも普通に出るし、馬にヤル気がある。この雰囲気なら初戦から楽しみ」と手塚貴久調教師。7月10日(日)、福島の芝1800mを戸崎圭太騎手で予定している。
◆マツリダダイキチ(牡、父マルカシェンク、母ヘヴンリーソング、美浦・国枝栄厩舎)
5月の千葉サラブレッドセールに上場され、5000万円(税抜)で落札された。当日の騎乗供覧では2F23秒8-11秒1の好タイム。その動きが評価され、全体で2番目となる高値まで競り上がった。現3歳の異父兄に小倉2歳S3着のレッドラウダがいる。先週の追い切りでは上々の反応を見せ、3歳馬を相手に先着した。「トレーニングセールの出身で気持ちも前向きだし、元気がいい。追い切りでも楽な感じで動けている」と佐藤調教助手。7月10日(日)、福島の芝1800mを蛯名正義騎手で予定している。
◆マイネルスフェーン(牡、父ステイゴールド、母マイネジャーダ、美浦・手塚貴久厩舎)
母は芝で3勝。2歳上の異父兄に未勝利→コスモス賞を連勝したマイネルサクセサーがいる。6月22日から函館入りしており、その2日後にはゲート試験をパス。その後も順調に追い切りの本数を重ねており、「そんなに大きくないけど、いいバネをしている。牧場でも動いていたし、420キロぐらいの体つきで仕上がりは良さそう。初戦から楽しみ」と手塚貴久調教師。7月10日(日)、函館の芝1800mを吉田隼人騎手で予定している。
◆ラーナアズーラ(牝、父パイロ、母グロッタアズーラ、美浦・畠山吉宏厩舎)
近親にラジオたんぱ杯2歳S2着、京都新聞杯3着のミスティックエイジがいる。6月22日に美浦の坂路で55.4-39.7-24.4-11.8の好タイムをマークしており、函館に移動後の29日には本馬場で軽快な動きを見せた。「ジョッキーに感触を確かめてもらったけど、いい動きだったみたい。素直で前向きな性格だし、いいスピードがありそう」と畠山吉宏調教師。7月9日(土)、函館の芝1200mを柴山雄一騎手で予定している。