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スプリンターズS

  • 2004年10月02日(土) 12時08分
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 2000mなら[59.0-59.0秒]で1分58秒0。1600mなら[46.5-46.5秒]で1分33秒0。中距離で好時計を生み出す最良のパターンは分かっている。予測される勝ち時計に合わせて、出来るだけバランスの取れたラップで前後半をまとめることだ。

 ただ、1200mや1000mでこれが可能かとなると難しいが中山のレコードは1分07秒0。01年のスプリンターズSの勝ち馬トロットスターは、好スタートを3~4角で敢えて下げ、結果は差す形で限りなく[33.5-33.5秒]に近いラップを踏んでいる。スプリンターズSで、差す形になる馬が良績を残すのはそのためで、理想はハイペース(前半32秒後半だろう)の5~6馬身あとを追走する形になると、自分は33秒台の中盤。1分07秒前後の時計をマーク出来る可能性が一番高くなる。

 昨年は1分08秒0。勝ったデュランダルは、[34.9-33.1秒]だった。後半の爆発力は物凄いが、前半が遅すぎて、こういう馬は1分07秒前後の好時計になってしまうと、届かなかったり、逆に前半ハイペースを離されずに追走すると、そうは届かない危険がある。

 言われるほど、Aランクのスプリンターは今年はいないようなと考えた。例えばサクラバクシンオーのような…。Bランクの馬が好時計を生み出すには、ただ闇雲でもまずいが、前半から飛ばすことだ。[32.5-34.5秒]でも1分07秒0になる。先週、条件馬のソルトレイクスターでさえ、[32.7-34.6秒]で1分07秒3をマークして逃げ切ったのが現在の芝である。カルストンライトオは、今年のアイビスサマーダッシュを最後11.2秒(一昨年は12.1秒)でまとめている。道中ムキになっていなかったから、再加速が出来た。3走前は(32.1秒)で飛ばしたが、以前と異なり、バテが少なく自己最高の1分07秒3を記録している。今回、他馬はそう速くない。せいぜい前半33秒前後の馬ばかりだ。好スタートから前半32.5秒ぐらいでなだめたい。そうなると、この逃げ馬は1分07秒0のカベ突破が可能だ。

 これまで日本で1分06秒台を残した馬は、アグネスワールド、エイシンバーリン、テンシノキセキの3頭だけ。この3頭それぞれ前半のペースは異なるが、全て逃げ圧勝だった。好時計を生み出す主役は、自分で一気に行く馬だろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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