【栗東】
◆サトノマサムネ(牡、父ゼンノロブロイ、母エリドゥバビロン、栗東・西園正都厩舎)
西園正都調教師が「明日、入ってくるから」と入厩前からの期待馬。母系に日本で目立った活躍馬はいないものの、2014年セレクトセール当歳にて3600万円で落札されている。6月17日にノーザンファームしがらきから入厩しているが、師のテンションが上がったのは、7月7日のCWでの追い切り。
NHKマイルCで6着したハクサンルドルフを相手に同入。これだけでもすごいことだが、注目はその時計。6F79.7秒、5F63.8秒には師も興奮気味。7月13日の坂路ではスマートニンバスを追走して遅れているが、相手は先週の福島ダート1150mでデビューして2着。トラック馬場の方が動いているという事実は今後の路線を考える上でも、むしろプラスではないだろうか。7月24日(日)中京芝1600mを和田竜二騎手でデビューする予定となっている。
◆ショウナンサニー(牡、父キンシャサノキセキ、母ショウナンカルメン、栗東・須貝尚介厩舎)
母系にダートで5勝を挙げたサダムグランジュテがいる血統だが、いかにも芝が向いている柔らかいフットワークをする馬。デビュー戦は7月23日(土)中京芝1400mを中谷雄太騎手で予定しているが、距離に関してはもっと延びても対応できそうな肢長タイプ。
体型的なこともあってか、7月7日の坂路では併せたアディラートに遅れてしまったが、7月14日のCWでは追いかけてきたサージェントバッジと互角の手応えで同入。全体時計は6F86.6秒と遅かったが、ラストは1F12.0秒の伸び。ゲート試験では1F目に12秒を切るラップをマークしており、初戦から楽しみ。
◆クライムメジャー(牡、父ダイワメジャー、母クライウィズジョイ、栗東・池江泰寿厩舎)
同じ厩舎で管理され、日経新春杯など重賞4勝を挙げたサトノノブレスの半弟ということで注目していたが、5月19日にノーザンファームしがらきから入厩して以降、さほど目立った動きは見せていなかった。
ところが、7月14日の坂路での併せ馬。ソーグリッタリングとともにテンから飛ばし気味のラップを踏んでいくも最後まで止まることなくフィニッシュ。時計は4F50.2秒と素晴らしいものだったが、それより評価したいのはラップの踏み方。12.8秒から始まり、12.7秒、12.5秒と続いて、最後は12.2秒。通常なら、最後は13秒台でもおかしくないところを伸びたのだから、スピードの持続力は相当なもの。この追い切りのまま動くことができれば、7月24日(日)中京芝1600mのデビュー戦も圧勝して不思議ないだろう。
◆アドマイヤミヤビ(牝、父ハーツクライ、母レディスキッパー、栗東・友道康夫厩舎)
半兄グランアルマダは芝中長距離で4勝を挙げており、本馬は2014年セレクトセール当歳にて4100万円で落札されている。5月にゲート試験を合格し、その後一旦放牧に出されて、6月22日にノーザンファームしがらきから再入厩している。
CWでの追い切りが中心になっているが、7月13日は先週デビューしたルタンデュボヌール、トリコロールブルーとの併せ馬。内を回っていたとはいえ、6F82.3秒と全体は速い数字。最後も一杯に追われて、1F11.7秒の伸び。週を追うごとに動きが良化している。担当者も相当な手応えを感じているようなので、牡馬の強力メンバーが揃う7月24日(日)中京芝1600mだが、互角の戦いができそう。なお、鞍上はC.ルメール騎手が予定されている。
【美浦】
◆アンネリース(牝、父ヴィクトワールピサ、母マンバラ、美浦・尾関知人厩舎)
異父姉のコスモバルバラは同じく尾関知人厩舎で管理され、通算4勝&マーメイドS2着など活躍した。7月14日の追い切りはウッドチップコースで年長馬を相手に3頭併せ。長めからビッシリと追われ、しっかりと併入した。「コースで追ったのは2本目。ついていくのにモタつくところがあったけど、ラスト1Fを12秒台でまとめてきたし、いい負荷を掛けられた。お姉ちゃんに比べると馬格があるし、精神的にもドシッとしているタイプ。いいところがありそうだし、まだまだ良くなってくると思います」と尾関知人調教師。7月23日、福島の芝1800m(牝馬)を柴田大知騎手で予定している。
◆エイプリルミスト(牝、父ディープインパクト、母スターダムバウンド、美浦・手塚貴久厩舎)
Tapit産駒の母はBCジュヴェナイルフィリーズ、サンタアニタオークスなど米GIを5勝した。異父兄にシーサイドバウンド(現1勝)、キングカヌヌ(現2勝)、いとこにカウニスクッカ(現4勝)、ダイトウキョウ(現3勝)がいる。ゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で調整して再入厩。7月13日には古馬オープンのモンドインテロと併せ、長めから負荷を掛けた。「体つきは小さくても背中がいい。まだ少し反応が鈍いけど、このひと追いで変わってきそう。いいキレがありそうだし、血統的にも期待しています」と手塚貴久調教師。7月23日、福島の芝1800m(牝馬)を戸崎圭太騎手で予定している。
また、手塚貴久厩舎からはペラッチ(牡、父タートルボウル、母ルーシーショー)もスタンバイ。こちらは7月23日、福島の芝1200メートルを石川裕紀人騎手で予定している。
◆キングズラッシュ(牡、父ルーラーシップ、母リコリス、美浦・久保田貴士厩舎)
シンボリクリスエス産駒の母は同じく久保田貴士厩舎で管理され、通算4勝。じっくりと乗り込まれ、古馬オープンのストロングサウザーと併せるなど調整過程は順調だ。7月13日の追い切りでも年長馬に先着しており、水準以上の動きを見せている。「ここまで順調に乗り込んできたし、ひと追い毎に緩さが解消してきた。500キロを超す大型馬でトビが大きいし、ゆったりと走れる距離に向きそう」と久保田貴士調教師。7月24日、福島の芝2000mを柴田善臣騎手で予定している。
◆スターストラック(牡、父トーセンホマレボシ、母クルンプホルツ、美浦・栗田博憲厩舎)
シンボリクリスエス産駒の母は通算2勝。一族からは2010年の中山牝馬Sを制したニシノブルームーンが出ている。先週(7月13日)の追い切りでは17日の福島で新馬勝ちを飾ったサルヴェレジーナ、同2着のディバインコードと併せており、この馬も同等の素質がありそうだ。「ストライドが大きなタイプ。いい走りをするし、ひと追い毎に良くなってきている。長めの距離が良さそう」と栗田博憲調教師。7月24日、福島の芝2000mを蛯名正義騎手で予定している。
◆ペイドメルヴェイユ(牝、父ローエングリン、母ミスティックリバー、美浦・藤沢和雄厩舎)
サンデーサイレンス産駒の母は通算3勝。おじにGIを3勝(皐月賞、有馬記念、ドバイワールドカップ)したヴィクトワールピサ、安田記念を制したアサクサデンエン、小倉記念を制したスウィフトカレントがいる。「早くから山元トレセンに移動して乗り込んでいたし、入厩後も仕上がりは順調。素直な気性だし、距離には融通が利きそう」と藤沢和雄調教師。7月23日、福島の芝1800m(牝馬)を杉原誠人騎手で予定している。