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ここを勝って…視線の先には秋のGI ダッシング/トレセン発秘話

  • 2016年07月20日(水) 18時00分


◆ダッシングブレイズはGIへとつながる王道路線を進むべき馬

 今年のサマーマイルシリーズがGIII中京記念(24日=中京芝1600メートル)でスタートするが、サマースプリント、サマー2000に続く、この第3のシリーズ戦を“おいしいサーキット”とみる関係者は少なくない。

 全6戦のサマースプリント、全5戦のサマー2000シリーズでチャンピオンになるには、最低限1勝すると同時に、複数のレースで上位着順にくることが必要とされるのに対して、全3戦のこのサマーマイルシリーズは1勝すれば即有力候補となり、残りの2戦は無事に完走するだけでチャンピオンになれる可能性が十分にあるのだ。実際、過去4年のうち2回は優勝のための最低必要ポイントである12ポイントで優勝馬が決まっている。

 だからなのか、中京記念にエントリーしてきた有力馬はダノンリバティやピークトラムなど、シリーズを明確に狙ってきた陣営がほとんどだ。

 そんな中、「サマーマイルシリーズ優勝? そこは全く考えてません」と言い切ったのがダッシングブレイズを送り込む吉村調教師。シリーズ出走が1走のみの馬には、たとえそのレースに勝ったとしても、シリーズVの権利はない。目の前にちらつく優勝ボーナス3000万円というビッグマネーに見向きもしない姿勢は実に潔いではないか。

「本来なら夏場に使うような馬ではないですからね。ここでいい競馬ができれば、ひと息入れて秋からまた重賞を狙っていく形になるでしょう。その先にGIもあるわけですから」

 吉村調教師が言わんとしているのは、ダッシングブレイズは夏のローカル回りで稼ぐような馬ではなく、GIへとつながる王道路線を進むべき馬ということだ。

「前走(京王杯SC4着)は、かなり上がりの速い競馬になるなか、最後までしっかりいい脚を使えていた。全5勝を挙げているマイルになるのはもちろんプラスだし、重い馬場でも勝っている馬だから、最終週で時計のかかる中京マイルなんてピッタリじゃないかな」(吉村調教師)

 サマーマイルシリーズを見据えていないということは、この中京記念へのメイチ仕上げも可能となる。当コラムでも何度となく取り上げてきたこのダッシングブレイズ、今度こそ重賞タイトルを獲得してほしいものである。
(栗東の坂路野郎・高岡功)

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