オリンピック中継を担当するのは名誉なこと
夏の福島競馬は今週が最終週。また来年までのお別れです。
われらが「ウイニング競馬」でも、今週でしばしのお別れがあります。テレビ東京の増田和也アナウンサーが、リオデジャネイロオリンピックの実況を担当するため、来週以降の4週間、お休みするからです。
増田アナが任されたのは、卓球、テニス、近代五種とのこと。卓球、テニスは日本のメダル獲得が期待される競技だけに、かなりの注目を集めそうで、彼の実況を耳にする機会も多くなるでしょう。選手はもちろん、ぜひ増田アナにも熱いご声援をお願いします!
スポーツアナウンサーにとって、オリンピック中継を担当するのは名誉なことです。なにしろ局の中から選抜されて大役を務めるわけで、選手同様、日本代表チームのメンバーに名を連ねるようなもの。ただし、民放で行けるのは東京キー局のアナウンサーに限られているので、文字通りの“日本代表”とは言えないんですけどね。
これはラジオも同じです。オリンピックで実況を担当するのは、NHKとTBS、文化放送、ニッポン放送のアナウンサー。私も文化放送の局アナだった頃は、「将来、オリンピック中継に行けたらいいな」なんて思っていました。実際、同局では毎回1人ずつ、歳の順に選抜していましたから、もし私が局アナを続けていたら、2000年のシドニーオリンピックあたりで派遣されていたかもしれません。
「それじゃぁ、フリーになってオリンピックに行けなくなったのは心残りなんじゃないの」ですって?いやいや、べつにそんな気持ちはないですよ。まぁ、局アナを辞めてすぐの頃は、「いつかはフリー第1号のオリンピック実況アナになってみたい」なんて大それたことを目論んだこともありました。でも、「私のギャラを誰が出すんだ?」と考えたら、「それは無理」ということがわかって、早々にキッパリあきらめたんです。
それより、今の仕事のおかげで、日本ダービーや有馬記念を長く喋ってこられましたし、都市対抗野球や高校野球埼玉大会の実況も毎年楽しくやらせてもらっていますからね。私としては、オリンピックに行けなくても、“やり残した感”は全くありません。
今回のオリンピックでは、私が10年近く実況を続けているバドミントンも、日本の“メダル獲得有望競技”に挙げられています。代表メンバーは、その奮闘努力を長い間見続けてきた顔なじみの選手たちばかり。そんな選手たちが世界の頂点に立つ瞬間を喋ってみたいという思いは、ないわけではありません。
ところが最近は、歳のせいか涙腺が緩くなっているので、いざその時になったら、たぶん選手以上に大泣きして実況どころではなくなっちゃうでしょう。それじゃぁ“日本代表アナ”としては失格ですよね。だから私は、やっぱりオリンピックに行けなくなってよかったんだと思っています。