ハンデ戦、洋芝、直千コース……ローカルに戦場が移る夏競馬には、波乱の要素がいっぱい。そこで今回は『ウマい馬券』の精鋭予想家陣5人に、夏競馬でBIGな馬券をゲットできる馬券のコツを伝授してもらいます。第三回は「馬場」をテーマに、トラックバイアス理論の使い手・馬場虎太郎が語っていきます。文=
馬場虎太郎トラックバイアス理論なら帯封も獲得できる!?
多くのみなさまには、はじめてお目にかかることになります。馬場虎太郎です。よろしくお願いいたします。まず、自己紹介がてら、私の予想について説明させてください。
私は
「トラックバイアス」=「馬場の偏り」を利用した馬券術で予想をして馬券を買っています。春のG1レースでは、天皇賞(春)で13番人気で2着に好走したカレンミロティックを本命に抜擢。100万円以上の払戻金を得ることができましたので、このレースを例に私の理論を説明させていただきます。
▼春の天皇賞は1着キタサンブラック、2着カレンミロティック、3着シュヴァルグラン で3連単の配当が242,730円となった
私は「トラックバイアス」のなかでも、以下に挙げる4つのバイアスを重視して予想しています。
<重視するバイアス>(1)枠のバイアス
(2)脚質のバイアス
(3)内外のバイアス
(4)馬場状態のバイアス
天皇賞(春)は例年、内枠が有利な「バイアス」の出るレースです。過去5年で3着内に好走した15頭のうち、8頭が1〜3枠。また人気薄での好走馬が1枠から複数頭出ていたことからも、内枠有利は明らかでした。ご存知の通り、カレンミロティックは2枠3番、1着のキタサンブラックも1枠1番と天皇賞は内枠のワンツーでした。
▼内枠も利して、昨年の菊花賞馬・キタサンブラックを土俵際まで追いつめた(C)netkeiba.com
さらに、週末に雨が降らない限り、天皇賞は「軽い」馬場状態になるレースであり、「軽い」馬場に適性の高い馬が有利になる「バイアス」も発生します。「軽い」という言葉についてですが、私は走破タイムなどを分析して、以下に上げる5つの「馬場状態」を独自設定しています。ちなみに、私はJRAの馬場発表は予想に一切用いません。
<独自の馬場状態>・軽い
・稍軽い
・標準
・稍重い
・重い
天皇賞で激走したカレンミロティックがオープンに上がって以降、馬場状態別の過去戦歴(2016年天皇賞・春まで、国内戦に限る)は次の通りです。
「軽い」、または「稍軽い」に出走した4レースのうち、直線が平坦なコースだったのは15年の天皇賞・春(10番人気3着)と同年の京都大賞典(5番人気3着)という2レースのみ。いずれも伏兵視されていながらも馬券になったように「軽い馬場」に加えて、直線平坦なコースでスピードを持続させる競馬ならば安定したパフォーマンスを発揮する馬なのです。
逆に言えば、このカレンミロティックが人気薄で馬券になりやすいのは、少しでも「重い」馬場になると急激にパフォーマンスをおとすためですが、私のように独自の馬場設定でレースを分析していれば、激走する状況が非常にわかりやすい馬と言えます。狙って100万円以上の馬券を取ることもできるのです。
▼重賞1勝ながら、G1での入着は3度あるカレンミロティック(C)netkeiba.com
また、私のトラックバイアス理論では競走馬の「絶対能力」も判定できます。たとえば、昨年の天皇賞・春も内枠有利。そして上位を独占したのは、カレンミロティック以外はすべて「差し馬」でした。つまり「内枠」に加え「差し馬」が有利なバイアスでしたが、カレンミロティックは脚質面では不利だったにもかかわらず、3着に好走。非常に高い能力があることを示しました。
もちろん、すべてのレースでこのように明らかな「バイアス」が発生するわけではありませんし、カレンミロティックのようなおいしい穴馬が出走しているとも限りません。
しかし、毎週馬場状態をチェックしていれば、天皇賞のようにわかりやすい「バイアス」が出現する機会は必ずあります。カレンミロティックのように能力がありながらも人気のない馬も出走するのです。私はこのチャンスを逃さないよう、毎週「バイアス」を観察しているのです。
夏の小倉では過激な「バイアス」が発生する!
私の理論について理解を深めていただいたところで、ここからは、今週末に私が狙っているバイアスを紹介します。最近では一部でも有名になっているようですが、夏の小倉・芝は「開幕週」で「差し馬」が有利になるバイアスが発生しやすいのです。
▼昨年の小倉開幕週では、不知火特別でサンライズタイセイが10番人気1着と激走したように波乱が頻出した(C)netkeiba.com
去年の2回小倉芝は、中間にそれまで行っていなかったエアレーション作業を実施しました。その影響か、時計はそこそこ出るものの馬場状態はタフに。「差し」が届きやすく、2歳戦以外で2週目までに行われた18レースのうち12レースは「差し有利」のトラックバイアスが発生。
そのうち5レースでは