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【夏競馬を攻略!】馬体編「暑熱耐性馬の見極め方」/若原隆宏

  • 2016年07月28日(木) 18時01分
ハンデ戦、洋芝、直千コース……ローカルに戦場が移る夏競馬には、波乱の要素がいっぱい。そこで今回は『ウマい馬券』の精鋭予想家陣5人に、夏競馬でBIGな馬券をゲットできる馬券のコツを伝授してもらいます。第四回は「馬体」をテーマに、獣医学の観点からトーチュウ若原隆宏に指南してもらいます。
文=若原隆宏
馬体

軽量馬ほど暑さに強い、その科学的根拠


 夏競馬において、出走各馬の暑熱耐性は重要な検討課題のひとつだ。日本における一大産地が北海道であることからも想像がつくように、サラブレッドは寒冷環境への耐性は一様に強いものの、暑熱耐性には個体差がある。暑さに弱い馬を見いだすと、例えば「危険な人気馬」を見つけられることがある。

 ただし、実際に下見所や返し馬で暑さにやられている競走馬を見つけ出す方法を一般化することは難しい。発汗ひとつをとっても、馬は発汗の最終的な生化学的トリガーがアドレナリン系物質のため、人間と異なり、興奮傾向の影響を受けやすい。必ずしも暑さへの反応だけが発汗に結びついている訳ではなく、外見からの判断を難しくしている。
馬体

 馬も人間の夏バテに似た臨床所見を示すことがあるが、例えば睾丸が下垂するような顕著な兆候が見られる馬が、実際に出走していることはまれで、トレセンなど調教現場で長期的に競走馬の状態を判断する材料として有用な知識でも、ファン目線に立ったとき、下見所や返し馬といった出走馬の外見判断に使えるケースはかなり限られる。しかし、高校レベルの生物学でも扱うことのある生態学の知識の中に、非常に有用なものがあるので紹介する。

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