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新潟芝直線1000mの“徹底研究”

  • 2016年07月30日(土) 12時00分


頭数に関係なく「10、11、12番の馬」がよく来る

 夏の新潟競馬が開幕しました。新潟の名物と言えば、ノドグロ、もち豚、のっぺ、茶豆、十全なす、へぎそば、ばい貝、岩牡蠣、わっぱ飯などなど、いろいろありますが、競馬ならやっぱり芝直線1000メートル戦でしょう。そこで今回は、その“徹底研究”。2011年から今年5月までに行われた148レースの結果を総ざらいしてみました。

 直線レースは外枠有利と言われますね。実際どれだけ外枠の馬が絡んでいるでしょうか。このレースは多頭数になることが多く、148戦のうち134戦までが15〜18頭立てで行われています(登録時点)。この134戦の中で、最外枠に入った馬が3着以内に来たのは42回もありました。率にして.313です。外から2番目の馬は38回で.284、外から3番目は30回で.224。だんだん率が下がっていきますが、言われているとおり、かなりの高確率で外枠の馬が馬券対象になっています。

 それと、ちょっと頭に入れておきたいのが、15〜18頭立ての場合、頭数に関係なく10、11、12番の馬がよく来ているということ。11番と12番が28回ずつ、10番は24回、3着以内に来ていました。このあたりの馬番もわりと走りやすいのかもしれません。

 コース別、距離別のデータ分析では、どういう種牡馬の仔が好成績を収めているか、についてもよくネタになります。新潟芝直線1000メートルでは、サクラバクシンオー(10勝2着13回3着8回)、アドマイヤムーン(8勝2着6回)、マイネルラヴ(7勝2着2回3着4回)がトップスリーとのこと。でも、これには“ウラ”がありそうです。

 アドマイヤムーンの8勝2着6回のうち、3勝2着2回はプリンセスムーンが挙げたもの。マイネルラヴの好成績にもブライトチェリーの3勝3着1回が大きく貢献しています。つまり、このレースを得意とする馬が1頭現れれば、その種牡馬の成績はたちまちグンとアップするわけです。ちなみに、サクラバクシンオーの産駒はベルカントを含む8頭が勝っているので(うち、アンゲネームが3勝)、これは適性があると考えてもいいでしょう。

 騎手でいいのは、村田、田中勝、西田、江田照、内田博騎手。「新潟千直は田んぼの田」ですかね。あとは、大野、田辺、津村、戸崎騎手もソコソコの成績を残しています。

 ただし、これにも“ウラ”が。先にも書いたように、このデータは2011年以降に行われたすべてのレースを対象にしています。それには、春と秋の“第3場開催分”が含まれます。リーディング上位騎手が集まる夏開催だけを見ると、デムーロ騎手は侮れません。逆に、蛯名騎手はこのレースでは不振。今年はどんな結果を残すでしょうか?もう1つ、どの開催でも常に活躍しているのが牝馬。牡馬(とセン馬)だけで決まったレースはほんのわずかしかありませんでした。参考になりましたか?では、新潟名物の芝直線1000メートル戦、バッチリ当ててくださいね!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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